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高市早苗氏が自民党新総裁に。「初の女性総理誕生にフェミは喜ばないの?」の揶揄に答える

高市早苗氏が、2025年10月4日、自民党の新総裁となりました。おそらく彼女が次の総理大臣となるでしょう。SNSにはこのように「フェミニスト」を揶揄する投稿が並びました。

田端信太郎氏の投稿より

が、これは何も気の利いたコメントでもなく、ずっと以前からも高市総理誕生と「フェミ」(悪口としての「フェミ」です)を絡めて揶揄する流れはあったのです。

他にもこのようなコメントが散見されました。
これらがいかにまとはずれかをご説明します。

・高市氏が勝ったってことは日本初の女性総理が爆誕でジェンダー指数が爆アゲじゃん!え、フェミさん達なんでお通夜になってんの女性の躍進が悲願だったんじゃないの?
・フェミにとって高市早苗のような実力のある「女性」は敵なんだよ。実力があれば評価されることがわかってしまったら女性の「利権」が手に入らないからね。
・フェミの願いは「女性の活躍」ではなく「女性の優遇」ってこと。高市総理待望論の時点で女性差別がないと証明されているのに。

Xより

ここまで男性的論理を身につけないと…の絶望

こちらは総裁選の約1ヶ月前、2025年9月10日に筆者が投稿した内容です。

高市早苗が首相になれば女性初の総理誕生なのに女は喜ばないのか?(嘲笑)というポストは、2024年秋の、石破茂氏と高市早苗氏の自民党総裁決選投票の際にもあったのです。

実際のところ、むしろ女性は「ああ、あそこまで男性中心社会に迎合して、男性以上に女性蔑視や弱者排除を内面化しないと、この日本ではあのポストまでいけないのだな」とあらためて絶望感を抱きます。

男女平等に反対することで今の地位まできた

高市早苗氏は、夫婦別姓反対論者です。「男女平等を望まない」「伝統的な家族観(女性蔑視)を大切にする」という勢力に味方することが重要だとわかっている人です。

戦争のできる憲法にしよう、生活保護をもらうなんてさもしい、家族や親族で助け合って(その場合、「お世話係」として犠牲になるのは女性です)国に頼らず生きるべきだ、という考えの持ち主です。

日本のジェンダー指数は、みなさんご存知のように、とても低いのです。昔はアジア全体で低かったのが、日本と韓国が低いままふみとどまって、この20年のあいだにどんどん抜かされました。

男性社会では「男性を利する女性」が出世する

男性中心社会では、「男性中心社会のスキームをより強化する」ような女性しか上にいけないという問題があります。

少なくとも、いま企業で正社員で働き続けていたり、政治家などの社会の要職についている45歳以上の女性は、それをやった上でいまのポジションに残っているといっていいと思います。

・まず、見た目が一定以上よくないと若い時点で残れません(高市早苗氏も若い頃は「タレント」「才媛」のようにテレビに出演していました)。
・男性のプライドを傷つけるようなことはしません、いいません。
・メイクも失礼がないように「きちんと」しなくてはいけません(よく「化粧濃い」が女性の悪口になると思ってる人がいますが、休憩なしで長時間働く前提だと自然とそうならざるをえなくなるという事情があります)。
・髪色は染めたとしても茶色まで。緑や金色は手に負えない印象を与えるのでいけません。白髪染めをしないことも、それはそれで規範からの逸脱を意味しました。
・フル白髪の老婆で着物、とかになると「別枠」扱いになります。
・家庭での仕事(家事、育児、介護など)があっても、なるべく職場での仕事に影響が出ないように努力します。もしそれで早退や遅刻、休みなどがあれば謝って申し訳なさそうします。

ガラスの崖ではないのか?

これは1ヶ月前に書いた文章ですが、

高市早苗総理になって、自民党が参政党と近づいて、早期に退陣させて「あーやっぱり女じゃダメだね」っていうのもあるかもしれませんね。
「ガラスの天井」ならぬ「ガラスの崖」。
どうしようもないねーって危機のときにトップに女性を据える人事。

わたしがこわいなーって思っているのは、もし高市早苗首相になって、自民党内の極右的な成分と参政党がくっついてそれがアンコントローラブルなくらいふくれあがることです。
参政党・神谷氏がコロコロと発言が変わるのは、「人を集める」ために有効なフレーズをその場その場で使い分けるためと、責任を取らないためです。

すでに「日本人ファースト」を「日本ファースト」に修正していますけど、神谷氏が参院選期間中に「不満に正当性を与えてスカッとさせる」ことで育ててしまった「憎悪/誤った正義感」は、彼の手を離れモンスターのように膨れ上がっていっている部分はあるんじゃないでしょうか。

排外主義は盛り上がりやすく選挙にうってつけ

実際に、その後、高市氏は総裁選期間中に「奈良の鹿が外国人にいじめられている」という根拠不明の話をくりかえしていました。最初は「聞いた話」だとしていたのに、つっこまれると、自分の体験談として話しだした。根拠なんてどうでもいいのです。ウケればいい。それが処世術だから。

イギリスのガーディアン紙には、日本で10年以上暮らす外国人の子どもが、「こわくて外に出られない」といっている話が載っていました。海外ではそのように見られて報道されている。

高市早苗氏は過去に総務大臣だったときにいともたやすく「テレビの停波」をちらつかせました。これは情報規制のひとつです。自分では根拠のないことをいって、都合の悪いニュースは防ごうとするところのある人です。

参政党や国民民主党などと組んで人気が出たら、反対する意見は封じこめて、その勢いだけで、誰にも止められずにどんどん大きくなっていくかもしれない。

でも、辞めるときには「やっぱり女がトップだと上手くいかないね」が強化される。

少なくとも女性首相が2人続くことはないでしょう。男性首相が2人、3人、と続いてもなんらニュースになりません。日本では100代以上、男性首相がつづいてきました。男女平等というのは、2人、3人と女性の首相がつづいても、それがニュースにならなくなって初めていえるのだろうと思います。

おすすめの本

古い本ですがおすすめです。尊敬する小児科医の先生が書いたものです。これが1990年代に書かれていた意味、そこから残念ながら長いバックラッシュと不景気(そのまま日本は衰退に入りました)をへて、いまでは改善したこと、むしろ逆転したこと、両方があります。でもこういう古い本にもエールが残っているということを、わたしは希望のひとつとしていきたいのです。古本しかないので、岩波書店さんに復刊を希望します。


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