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【ショート】 拾ったもの

―― short story ―—

砂浜をゆっくりと歩く。

昨日まで鳴っていた通知が、今朝は静かだった。

太陽の日差しと、少し強い潮風が私の体を吹き抜けていく。
帽子が飛ばされないように、
しっかりと押さえると、足を止める。

波打ち際で何かが光った気がした。
ビーチサンダルを波に浸して、光の正体を手に取る。

メッセージの入った瓶。

……すごく、レアじゃない?

瓶を両手で持つ。
蓋に指をかける。
かなり硬い。

私はハンカチで瓶を拭き、
手のひらの汗も拭う。
瓶の蓋をハンカチで抑えながら、もう一度挑戦する。

……開かない。

もう一度。
蓋が緩んだ。

……やった。

紙を取り出す。

……。

白かった。

裏表にして、折り目を伸ばす。

「……つまんない。」

指先で紙を押さえる。
何も浮かばず、瓶に戻した。

また、海へ流す。

波が、瓶をさらっていった。

「今度は、何か書いてくれる人に出会いなさい」

踵を返すと、また、散策を楽しんだ。


それが、最後に拾ったものだった。


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