【エッセイ】 抱っこ貯金
―― short story ――
朝、起きる。
隣を見る。
ハムスターのような膨らんだほっぺ。
擦り寄って私のほっぺをくっつける。
寝返りで振ってくる腕をスッと避けてから、
ぎゅっと抱きしめる。
朝食の準備をしていると、娘が降りてくる。
「ママ、おはよー」
掠れた声を聞きながら、手をキッチンタオルで拭く。
「おはよう」と返しながら、
パタパタと娘の方へ小走りして、ぎゅっと抱きしめる。
学校から娘が「宿題多い~」と、
ぶつくさ言いながら帰ってくる。
作業の手を止めて「おかえり」と言いながら、
駆け寄って、ぎゅっと抱きしめる。
夜、お風呂上がり。
一緒に本を読む前に、ぎゅっと抱きしめる。
寝落ちしちゃうから。
年頃になってからは身構えていた娘も、もはや抵抗しない。
慣れって素晴らしい。
あったかくて、
ぷにぷにで、
いい匂い。
髪はボサボサ。
おんなじ服ばっかり着ている。
少し目つきも悪い。
それでも、世界一かわいい。
……誰に似たのかしら?
最近、娘の身長がぐんと伸びた。
私はCOBITo。
鼻の下くらいまで来た娘の頭。
うーん。あと二年くらいで越されちゃうかな。
そしたら、抱きしめてもらおう。
……さすがに思春期は無理かな。
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