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【ショート】 梅雨占い


紫陽花の花弁を一枚、
水に落とす。

波紋が広がる。

「今年の私はあなたのものね」

静かに微笑んだ。


上空で冷気を纏いながら高速で駆ける。
今年こそ手に入れたい。
必ず手に入れる。
チャンスは年に一度。
昨年は南に奪われてしまった。

遠くから温かい湿った空気の気配を感じると、
大気はゆっくりと雲が増え、乱れていく。
さらに高速で駆けて抜ける。
次第に、忌々しい熱風が肌を掠めると、
己の冷気とぶつかって水滴が生まれる。
地上へ落ちていくと、傘の花が咲く。

四隅に咲いた紫陽花の横に彼女を見つけた。
木々の木陰の岩の上に腰掛けて紫陽花を愛でている。

——あぁ、早く味わいたい。

目の前に南が迫る。
全力で衝突すると、大気が震え雷が横切る。
暗雲が立ち込め、南の笑い声が聞こえるようだった。
北よ、今年も我のものだと。

——させぬ!

更にぶつかっていくと熱風が霧散する。
やったか……
地上を見つめると、彼女が天を見上げていた。

「梅(メイ)」

名を呼ぶと、触れる。



かぶりついた。


(410文字)




田原にかさんの企画に参加しています。
今回もよろしくお願いいたします☺️

今回は、主人公オホーツク海高気圧(北) VS 太平洋高気圧(南)(中華風若者バージョン)で梅の実(梅雨)が紫陽花占いをして遊んでいる風景で、創ってみました!たまにはこう言うのもいいですね。笑

#なんのはなしですか  

お楽しみいただけましたら幸いです🌿


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