【新しい私の始め方】31文字のエールをあなたに
こんにちは! 生きづらい社会の中で、心がスッとラクになる「言葉のお守り」をお届けするつくだ@書籍編集×作家です。今日の短歌は、こちらです。
さわやかとトマトジュースを感じた日
わたしの新しい物語がはじまる
なんだか広告コピーのような短歌になってしまいました。今日はわたしの朝を彩る飲み物の一つ、トマトジュースについて詠んでみました。いまでは大好きなトマトジュースですが、子供の頃はあの酸っぱいというかなんというかという味がどうにも苦手でした。
それが大人になってお酒を飲むようになった頃、トマトジュースがおいしく感じるようになったんです。舌の感覚が変わったんでしょうね。そして、トマトジュースと同じく大嫌いだったなすや納豆もおいしくいただけるようになり、わたしの食生活はバラエティ豊かになっていったのです。
挑戦することで新しい扉が開く
嫌いなものが好きになる。この味変を経験してからというもの、苦手なことでもとりあえずやってみよう。わたしとトマトジュースの出会いみたいに、そこで新しい物語がはじまるかもしれない。そう思うようになりました。
だったら、自分が興味を覚えたものに対して及び腰でいるのはもったいないのではないか。私にはそう思えたのです。短歌に挑戦したのはそんなこともあってのことでした。
短歌に挑戦して良かったこと
8月の終わりに短歌をはじめていまで3カ月目に入りました。9月に短歌SNSの「57577」に参加し、この10月からは「うたの日」というネットの歌会サイトにも投稿しています。
歌会というのは、みんなで同じお題について歌を詠み、その後誰が詠んだかわからないようにしてそれぞれの歌に投票していきます。結果、一番票を取った人が首席となるわけです。逆に誰も票を入れてもらえなかったときは落ち込みます。
じつは今日、私が歌会で詠んだ短歌が得票数0だったのです。それまでは少なくとも一票は入っていたのですが、本当にショックでした。ちなみに、これがその歌です。お題は「秋」でした。
成熟を秋というなら吾未熟なり大樹を目指すがゆえの未完成なり
いま振り返ってみると、漢文調の言葉になっているので言葉が硬いし、抽象的で「一言で言うとこれだ」というような具体的なイメージがすぐに浮かびません。例えば「吾」という言葉を「わたし」とひらがなにするだけでも、ずっとわかりやすくなったはずです。
そして季節の言葉。お題が「秋」なので、秋をイメージさせる言葉、例えば紅葉や秋風といった言葉が入っているだけでも身近になります。青いもみじと赤いもみじを区別するため、「もみじ」と「紅葉」二つの言い方を使いました。いま修正するとすれば、例えばこんなふうになったはずです。
成熟を秋とするならわたしは未熟なもみじ 紅葉の大樹も元は同じ木
でも、前の歌ができたときは、これは数票とれるかもと自信があったんですよ。それが得票数0。正直もう短歌やめようかとも思いました。
それでもやめず、こうして短歌について書いているのは、短歌に挑戦することによって自分の中で新しい物語をはじめることができたからです。
私は短歌という新しい物語をはじめたおかげで、うつ病から来る苦しみの幾ばくかを軽くすることができています。そして生きづらい人生を少しでもラクにする「言葉のお守り」をつくることで少しでも多くの方のお役に立ちたいと言う願いも生まれてきました。
「言葉のお守り」とは例えばこんな言葉です。
歳降りて生きて悪いか青臭く我こそ年代物の青柿
歳をとっても青臭くありたい。そんな思いを込めて詠んだ歌です。この歌の場合は、「青臭く」と「青柿」でリズムをつけたかったんですね。そして比喩として「年代物の青柿」と言う言葉を使いました。普通青柿は熟すると色が変わりますが、ここでいう年代物の青柿は歳をとっても変わらない。つまり青臭いんです。この言葉が「言葉のお守り」であり「私たちは、歳をとっても青臭く生きていいのだ」という強い自己肯定になります。だから私と同じ世代へのエールになるかとも思ったんです。
また、もしかするとnoteを書かれている方には、こんな言葉もお守りになるかもしれません。
歌詠みは花鳥風月のみならず苦しみまでも詠むが本懐
私が考える歌詠みの資質について詠んだものです。単に花鳥風月や楽しいことだけを書くのではなく、自らの苦しみまでも文章にしてしまう。それこそが、私の考える歌詠みの本懐であり、そして文章を書く人の本懐です。この歌の場合は「花鳥風月」と「苦しみ」という言葉を対比させることで、その本懐を伝えることを目指しました。
短歌というお守り
短歌は57577と言うリズムが心地よく、美しい言葉はこころの疲れを溶かしてくれます。しかもそれをたった31文字で成し遂げている。これだけコンパクトならお守りとして心に刻んだり、あるいはほんとのお守りのように手帳に書き込んだり、スマホに残しておくことができますよね。
もちろん私が何時間もかけて詠んだ短歌より素晴らしい歌を詠む素晴らしい才能に恵まれた方が、この世の中にはたくさんいらっしゃいます。残念ながら私にはそこまでの才能は、いまのところありません。鶴の恩返しの鶴のように自分の羽根を紡いで言葉にするより他にないのです。
でも、もしかしたらそんな歌だからこそ、文章だからこそ、人のこころに届くかもしれない。そう思っています。
短歌とは一つのショートムービーであり、短歌を磨いていけば、エッセイや詩、絵本や物語など各分野に広げることができると思っています。だからこそ短歌には真剣に取り組みたい。
そして届けたいのは、こんなメッセージです。
人生は、いつからでも、何度でも新しくはじめることができます。そして、どんな状況からであっても、人は必ず這い上がって「その人なりの幸せ」をつかむことができると私は信じています。
青臭いですよね。まさに「年代物の青柿」です。ただ、人生を新しくはじめるためには、自分に対する肯定感と「自分にもできる」と思える希望が必要です。それを支えてくれるのが「言葉のお守り」としての短歌です。「吾こそは年代物の青柿だ」と自信を持ち、そして苦しいときには「苦しみまでも詠むが本懐」と考えて、逆境を乗り切る。そんな短歌をたくさん知っていれば、心も楽になりませんか。
わたしは31文字の中に「言葉としての美」を突き詰めつつも、こころを支える「お守り」を盛り込みたいのです。
夢中で書いているうちに3000字近くになってしまいました。こんな長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございます。もしこの記事をご覧いただいて、「短歌を詠んでみよう」という方が増えれば幸いです。
あなたの前に幸せが広がりますように。心よりお祈りしています。
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