ホラーショート『いいね👍️が届く…』
今回の話はホラー話です。
内容はフィクション(私自身も全く関係ない)です。
AIにアイデアを話してストーリー作ったら、途中で
「noteに投稿するならユーザーが身近に感じやすいnoteを舞台にしてみたら?」
と提案されてその案を採用しました🎉
まあまあ面白いと思うのでぜひ読んでみてください!
いいね👍️が届く…
noteを書き始めて、もうすぐ半年になる。
私の書く記事は、他愛のない日常の雑記や、たまに作る自炊のレシピ。フォロワーは30人ほどで、いつもつく「いいね(スキ)」はせいぜい5つか6つだ。誰も傷つけない、平穏で、退屈な私の記録。
そのはずだった。
変化が起きたのは、一週間前のこと。 深夜の2時。スマホの通知音が、暗い寝室に短く響いた。
[ 〇〇さんがあなたの記事に「スキ」しました ]
アカウント名は、見たこともない英数字の羅列。アイコンは初期設定のグレーのままだ。 深夜に奇特な人もいるものだな、くらいにしか思わなかった。
だが、翌日の夜も、その翌日の夜も、まったく同じ「深夜2時ちょうど」に、そのアカウントからスキが届くようになった。
不気味に思い始めたのは、四日目の夜。 その日、私は仕事でひどく失敗し、落ち込んでいた。夜遅くに帰宅し、何も書く気になれず、ただ一枚の写真をnoteにアップした。部屋の窓から見える、どんよりとした曇り空の写真だ。
「今日は疲れました。明日は晴れるといいな」
一言だけ添えて投稿し、ベッドに入った。 そして深夜2時。スマートフォンの画面が、ぼうっと青白く浮かび上がる。
[ 〇〇さんがあなたの記事に「スキ」しました ]
私は吸い寄せられるようにスマホを手に取り、その通知をタップした。 そして、冷水を浴びせられたように凍りついた。
そのアカウントは、いつも私の記事にスキを押すだけだった。しかし、その日に限り、私の曇り空の写真の記事に、コメントを一件残していたのだ。
『カーテン、ちゃんとしめたほうがいいよ』
指先が震えた。 私は慌てて、ベッドから窓を見た。
遮光カーテンは、たしかに閉まっている。……いや、違う。 ほんの1センチだけ、隙間が開いていた。そこから、外の街灯の鈍い光が、細い糸のように寝室に差し込んでいる。
なぜ、知っている? 昼間に撮った空の写真から、現在の部屋のカーテンの隙間なんて、わかるはずがない。
恐怖で心臓がどくどくと脈打つ。私は跳び起きると、カーテンの隙間を乱暴に閉め、鍵が掛かっていることを何度も確認した。
その夜は、一睡もできなかった。
次の日。私は一日中、怯えて過ごした。 ネットのストーカーだろうか。私の部屋の場所が特定されているのだろうか。 もうnoteをやめよう。アカウントを消そう。
そう思いながら帰宅し、ノートパソコンを開いた。 しかし、いざ退会ボタンを前にすると、妙な執着が湧いた。 「ただの偶然かもしれない。あのアカウントをブロックすれば済む話だ」
私はその不気味なアカウントをブロックした。 これで終わり。そう自分に言い聞かせ、お風呂に入り、温かいお茶を飲んで、少しだけ落ち着きを取り戻した。
夜の11時。 少し勇気が出て、私は「ブロックした」という安心感から、今日の恐怖を消化するために、短い記事を書いた。
「怖い体験をしたけれど、もう大丈夫。戸締まりをしっかりして、今夜はゆっくり眠ります」
これで、すべて解決した。 布団に入ると、どくどくと波打っていた心臓もようやく静まり、心地よい眠気が襲ってきた。
気がつくと、深夜1時59分だった。 枕元のスマホを何気なく見る。
画面の上部。 カチリ、と時計の数字が【 2:00 】に変わった。
その瞬間。
[ 新しいアカウントさんがあなたの記事に「スキ」しました ]
心臓が、跳ね上がった。 ブロックしたはずなのに。別のアカウント?
震える手で画面をスワイプし、通知を開く。 アイコンはやはり、初期設定のグレー。 今回の記事にも、コメントがついていた。
恐る恐る、メッセージの画面を開く。
『クローゼットの中、すごく暑いよ』
……ドクン。
心臓の音が、耳のすぐそばで鳴り響いた。
私の部屋のベッドの真横には、大きなクローゼットがある。 その扉は今、ほんの数センチ、開いている。
そして。 真っ暗なクローゼットの隙間から。
スマートフォンの、青白い液晶の光が。 漏れているのが見えた…
