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陵虐(りょうぎゃく)検事

取り調べで「なめんな」 特捜検事を刑事裁判に、高裁決定

2024年8月8日16:21(2024年8月8日 20:59更新) 日経新聞

大阪地検特捜部が捜査した学校法人を巡る業務上横領事件で、無罪が確定した不動産会社元社長が、捜査に関わった担当検事を刑事裁判で裁くよう求めた付審判請求で、大阪高裁(村越一浩裁判長)は8日、同検事を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定を出した。請求を棄却した大阪地裁決定を取り消した。

申立人はプレサンスコーポレーション(大阪市)元社長の山岸忍氏(61)。2021年10月に大阪地裁で無罪判決を言い渡された後、検事らによる取り調べが違法だったとして、付審判請求による刑事手続きと7億7千万円の国家賠償を求める民事訴訟の両面で争っている。

付審判決定が出たのは、大阪地検特捜部に所属していた田渕大輔・東京高検検事(52)。事件当時、山岸氏の元部下=業務上横領罪で有罪確定=の取り調べを担当した。

田渕検事は19年12月8〜9日、大阪拘置所の取調室で机をたたいた上で「有罪ですよ、確実に」「検察なめんなよ」「プレサンスの評判をおとしめた大罪人」と脅迫するなど陵虐行為に及んだとされる。

村越裁判長は決定理由で、田渕検事が「人格をおとしめる侮辱的な発言で、意に沿う供述を無理強いしようと試みていた」と指摘。取り調べには「これまでの威圧的、脅迫的な言動の影響が残っていた」として、山岸氏の請求を棄却した23年3月の大阪地裁決定を取り消した。

地裁決定は、田渕検事が元部下に対し一定時間にわたって怒鳴り、威迫しながら一方的に責め立てたとして、陵虐に当たると認定。一方、こうした取り調べは継続的でなかったなどとして、請求を認めなかった。

代理人弁護士は記者会見し「画期的な判断で刑事司法の歴史が変わると言っても過言ではない」と評価。山岸氏は「公正な判断を頂けた。検察改革の第一歩になることを強く望む」とのコメントを出した。

大阪地検の田中知子次席検事は「個別事件の裁判所の判断についてはコメントを差し控える。今後とも適正な取り調べの実施に努める」とした。

付審判決定、検察官は今回が初めて

公務員による職権乱用を巡り、告訴や告発をした本人が不起訴処分に不服がある場合、刑事訴訟法は公判を開くよう裁判所に請求できると規定している。付審判決定に対する不服申し立てはできない。請求が認められれば検察官の起訴と同じ効力を持ち、裁判が開かれる。検察官役は裁判所が指定した弁護士が担う。

最高裁によると、付審判決定は1951〜2022年の間に計22件。うち9件が有罪、13件が無罪や免訴となり確定した。これまで罪に問われたのは警察官や裁判官、刑務官らで、検察官の例はなく今回が初めて。

今回の決定について、元裁判官の水野智幸法政大法科大学院教授(刑事法)は「取り調べの録音・録画が進み、裁判所として違法性の有無を客観的に審理しやすくなったことも請求を認めた背景にあるのではないか」とみる。

今後開かれる裁判について「近年は捜査機関の取り調べに、社会の厳しい視線が向けられている。公開の法廷で検察官の取り調べがどこまで許容されるのか議論されることになり裁判所の判断が注目される」と話している。

大阪高裁の刑事裁判決定、検事が50分間責め立て「人格攻撃というほかない」…プレサンス事件

2024年8月8日23:19 読売新聞

 大阪地検特捜部が手がけた業務上横領事件で違法な取り調べをしたとして、大阪高裁は8日、担当だった田渕大輔検事(52)を特別公務員暴行陵虐罪に問う刑事裁判を開く決定をした。不動産開発会社「プレサンスコーポレーション」元社長(無罪確定)が刑事裁判にかけるよう付審判請求していた。村越一浩裁判長は「威圧的、侮辱的な言動を続け、不法だ」と指摘した。

 検察官が付審判決定を受け、裁判で被告になるのは初めて。今後、裁判所が検察官役の弁護士を指定し、大阪地裁で公判が開かれる。

 田渕検事は2019年12月8日、山岸忍・元社長(61)の部下だった元部長の取り調べで机をたたいて「検察なめんなよ」と述べ、翌9日にも「あなたはプレサンスの評判をおとしめた大罪人」などと発言。元部長は山岸氏の関与を認めた。特捜部は山岸氏を逮捕したが、21年10月の地裁判決は元部長供述の信用性を否定し、山岸氏を無罪とした。

 山岸氏は田渕検事を刑事告発し、地検に不起訴(嫌疑不十分)とされて地裁に付審判を請求した。地裁は昨年3月、取り調べは陵虐行為にあたるとした上で「継続的ではなかった」として請求を棄却。山岸氏が高裁に抗告していた。

 村越裁判長は決定で、田渕検事が8日の取り調べで元部長を約50分間にわたり責め立てたとし、「人格攻撃で、検察官に迎合する虚偽供述を誘発しかねない」と指摘。9日の発言も「恐怖心をあおる脅迫的な内容」とし、2日間の取り調べは陵虐行為にあたり審判に付すべきだと結論づけた。その上で「取り調べが録音・録画されていたにもかかわらず、検察が問題視して適切に対応した形跡がみられないことが問題の根深さを物語っている」と述べた。

 地検の田中知子次席検事は「個別事件の裁判所の判断にコメントは控える。今後とも適正な取り調べの実施に努めたい」とした。

(引用以上)

大阪高裁が認定した公訴事実は以下「」のとおりです(○○及び社名は筆者が加筆)。

田淵大輔は、大阪地方検察庁特別捜査部所属の検察官として申立人(原審 請求人)らに対する業務上横領被疑事件の捜査に従事していた者であるが、 令和元年12月8日、同事件の審判に必要な知識を有する○○を同事件の被疑者として取り調べた際、机を叩いた上、同人を罵倒し続け、同月9日、 申立人が同事件に共謀していた事実を認めないのであれば、○○も申立人に対する詐欺を行ったことになる、○○はプレサンスコーポレーションの評判を貶めた大罪人であり、同社から10億円、20億円では済まな い損害賠償を受けることになる旨脅迫するなどし、もって同人を陵虐したものである。

大阪地検特捜部で繰り返されてきた不祥事のパターンです。

フロッピーディスクを改ざんした前田恒彦の場合は、厚労省の部下が、上司である村木厚子の判子を勝手に押捺する訳がない→村木の関与を自白させ(自白内容と矛盾するフロッピーディスク内の日付のデータを改ざんし)て、村木を逮捕・起訴→前田を証拠隠滅で逮捕・有罪→入獄しました。

今回の不動産会社の場合は、横領した金が社長にも還流しているはずだ→部下を自白に追い込み、社長を逮捕起訴したものの、部下の供述の信用性が否定され、社長は無罪→社長の取り調べを担当した田淵検事の付審判請求が認容され、田淵検事は刑事被告人になりました。

主任の蜂須賀検事は、起訴されなかった(但し、後述のとおり、付審判請求されるようです)ものの、不動産会社の部下を自白させた田淵検事が、机を叩いたり怒鳴ったりした為に、付審判請求が検事に関して史上はじめて認容され、強制起訴されたということです。

何故、このような不祥事が起こるのか?

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