理科の女王まりかが答えてあげましょう/No.3;小麦を食べても良いです!
こんにちは。まりかです。
今週はつれづれぐさではなく、質問コーナーです。
YeKuさんから、こんな質問が入りました。
・小麦が腸に張り付く
・小麦(グルテン)は消化されない
・小麦には依存性がある
といった反小麦的言説を目にするようになりました。
「小麦」自体が悪とされているというのは、これだけ人類が継続的に食べて来た食品において、俄かには信じがたい
正しい理科知識…というか科学知識…の観点からこの件について一言いただけないでしょうか?
この質問を受けて、こんな記事を思い出しました。
ちょっと調べてみたら、『小麦は食べるな』なんて本まで出版されてることを知り、驚愕しました😲
この本の著者、小麦農家とかから訴えられても知らないよ…😅
だけど、どうして小麦が悪く言われる?
そんな悪い食品じゃないハズでしょう?
ということを、今回は訴えていきたいです。
1、グルテン
グルテンとは、小麦に含まれる成分の一つで、これが悪く言われている印象があります。
だけど、グルテンを無闇に怖がってませんか?
という訳で、まずはグルテンが何なのかを知ることから始めましょう😆
グルテンの組成は、水が65~70%、グルテニンやグリアジンというタンパク質が約25%です。
グルテニンは小麦や大麦に多く含まれますが、米やトウモロコシには余り含まれてないとのこと。グルテニンは麦に特有なタンパク質と言って差し支えなさそうですね。
うどんなどの麺類の食感や、パンの膨らみは、グルテンによってもたらされているようです。
下にグルテンやそれを構成するタンパク質の写真を掲載します。

一般財団法人 製粉振興会の公式HPより引用
そう言えば、ネットを賑わせる戯言に、「小麦は消化されにくい」なんてものがあるらしいので、私は思いました。
もしかして、グルテニンやグリアジンというタンパク質は分解されにくいのかな?
と思って調べてみたけど、そんな記述は見当たらなかったです😝
冷静に考えたら、当たり前です。
分解されにくいタンパク質は、そもそも食用になりません。
分解されにくいタンパク質の代表例に、ケラチンがあります。ケラチンは爪や毛の細胞に含まれていて、細胞を硬くする働きがあります。
他の動物の毛を食べる動物って居ませんよね? 毛に含まれるケラチンを分解できないので、毛を食べても消化・吸収できない(=意味が無い)からです。
そんな訳で私たちは、毛を食べません。
対して小麦製品。普通に食品としての地位を確立してますね。毛みたいに、食べられないなんてことは無いです。
グルテンは消化されにくい物質ではなく、それを含む小麦も消化できない食品ではないのです。
2、小麦が食べられない人は、どんな人?
小麦が原因で発症しうる病気を紹介しますけど、最初に言っておきます。
小麦製品を食べたら、必ずこれらの症状に襲われる…なんとことは、ありません!
発症するか否かは、個人に依ります!
小麦が原因で発症しうる病気の代表例としては、以下の三つが挙げられます。
・小麦アレルギー
・セリアック病
・非セリアック病グルテン過敏症
一つずつ簡単に説明していきます。
2-1、小麦アレルギー
食物アレルギーです。小麦の何かしらの成分に、自分の免疫細胞が過剰反応してしまうことが原因です。
酷いと発疹が生じたり、もっと酷いと血圧や呼吸量が低下したりします。
なんて書くと、「やっぱり小麦は危険だ!」と言われそうなので強調しておきます。
小麦アレルギーを発症するか否かは、個人差があります! 甲殻類アレルギーや蕎麦アレルギーなどの食物アレルギーと同じです!
病院などで小麦アレルギーと診断された方は、小麦食品を避けるべきですけど、それ以外の方は過剰に怖がる必要はありません。
2-2、セリアック病
グルテン不耐症とも呼ばれています。
これもアレルギーの一種ですが、食物アレルギーではなく、むしろ金属アレルギーに近いです。
グルテンに含まれるグリアジンに自分の免疫細胞が過剰に反応して、小腸の上皮細胞を攻撃してしまうことが原因です。
小腸の粘膜に炎症が起こり、腹痛や下痢などの症状に見舞われます。
恐ろしい病気です。だからグルテンが怖がられ、更には小麦が怖がられる原因になっている気がします😖
しかし、落ち着きましょう。
先と同じですが、人類全員が小麦を食べたらセリアック病になるか? と言われたら、それは違います。
この病気は、金属アレルギーに近いと言いましたね? 金属アレルギーって、人類なら誰でも発症するものですか?
違いますよね?
ですから、セリアック病も同じです。
グルテンに含まれるグリアジンで小腸の粘膜に炎症が起こる人もいれば、そうでない人もいます。
病院などでセリアック病と診断された人は、小麦をなるべく避け、小麦製品でもグルテンを含まないグルテンフリーの食品を選ぶべきですが、それ以外の人は過度に怖がる必要はありません。
2-3、非セリアック病グルテン過敏症
セリアック病ではないけど、グルテンが駄目…というものらしいです。
グルテンを消化できるけど、その代償として腹部や腸に多大な不快感が生じるらしいです。
詳しいことは解らなかったです。
病院では、小麦アレルギーでもセリアック病でもなかったら、この病気だと診断されるみたいです。
3、小麦アレルギーやセリアック病の人の割合
この依頼を受けてから、インターネットを中心に調べたんですけどね。
「日本人の7割がグルテン不耐症の人だ!」と、煽ってるサイトを幾らか見ました。
この数字を信用すると、小麦製品を避けた方が良いのでは? と思ってしまいますが、落ち着いて考えましょう。
うどんやパンを食べてお腹を壊す人、身の周りに何人も居ますか?
私の周囲には、全く居ません。
だから胡散臭い数字だと思って、医師や栄養士の方が監修されてるサイトに絞って調べてみました。
こんな感じでした。
(セリアック病に)欧米人の約1%が罹患している
およそ70人に1人の割合で子どもたちはグルテン不耐症であるともいわれているのです。
セリアック病は日本ではまれな病気ですが、今後は生活様式の変化などにともない増加することが考えられる病気といえるでしょう。
(セリアック病の人は)フランス人の1%
取り敢えず、日本人の7割がグルテンに耐性が無いっていうのは、盛り過ぎた数字と判断して良さそうですね😅
だから、小麦製品やグルテンを積極的に割ける必要は無い気がします。
勿論、これから状況が変わる可能性は充分にあります。
花粉症のように、戦後になって急速に広まったアレルギーもありますから。
ですけど、それは小麦だけでなく、他の食品にも当てはまる話じゃないですか?
だから、小麦ばっかりを悪く言うのは違うような気がしてならないです。
4、グルテンフリーは良いの?
小麦製品からグルテンを除いた、グルテンフリーの食品が最近は人気みたいですね。だけど、絶対に体に良いか? と言えば、なんやかんやでデメリットもあるみたいです。
こんな記述を見つけました。
グルテンフリーという恩恵はあるものの、加工段階でビタミン、ミネラルが少なくなり、デメリットの方が高くなってしまう可能性もあるのです。
だから、グルテンフリーの食品を過度に推奨するのもどうかと思います。
あと、そもそも論なんですが…😅
小学校の家庭科で習ったと思いますけど、小麦の主成分は炭水化物ですよね? 小麦の70%が炭水化物です。
グルテンは水とタンパク質の混合物です。小麦に占めるタンパク質の割合は、6~14%。グルテン以外のタンパク質も含んで約10%ですよ。だから、グルテンが小麦に占める割合ってどの程度? と考えたら、ごくごく僅かなんですよ。
だから、『グルテン=小麦』みたいな見方もどうかと思うし、
一部の人がグルテンにアレルギーを示すからって、全ての人が小麦にアレルギーを示すみたいに騒ぐ風潮もどうかと思う。
皆さん、怖がる前に落ち着いて考えましょう😆
これだけ言って、今回の記事は終わりにしようと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
*参考文献
・日本大百科全書7巻
(小学館)
記事の作成に当たり、以下のサイトを参照しました。
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