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「NHKをライバル視!?蒸し暑い夜の妄想劇場」 #26

蒸し暑い夜、夫がリモコン片手に夢中になっているのは、最近お気に入りのNHK。
ニュースからドキュメンタリーまで、まるで「NHKの社員ですか?」と言いたくなるほどの熱心さ。
それだけならまだしも、しまいには「NHKは超ライバルだ!」と真剣に語り出す始末。
ちょっと笑ってしまうけれど、その妄想じみた背中には、ひよっこクリエイターならではの真面目さと希望も見えるのです。

8月末(蒸し暑い夜)

蒸し暑さがまとわりつく夜。エアコンの冷気は届いているはずなのに、空気が重く感じるのは、気温のせいだけじゃないのかもしれない。リビングの隅で、夫はまたNHKを見ている。最近の彼のブームだ。いや、「ブーム」なんて軽いものじゃないかもしれない。ほとんど中毒に近い。

ニュースから始まり、ドキュメンタリー、はたまた教育番組まで、チャンネルはほぼNHK一択。気づけば「最近、NHKばっかり見ている気がする」と本人も苦笑していた。どうやら老化現象を自虐的に疑っているらしいけど、いやいや、冷静に考えてみれば、NHKって普通に面白いのよ。信頼できる情報、丁寧な解説、そしてどこか安心感のある映像美。むしろ老化じゃなくて、成熟って言った方がしっくりくる気がする。……なんて、夫に言ったら、きっと図に乗るだろうから黙っておく。

それにしても、彼が真剣に「NHKの編成方針」を読み上げている姿には笑ってしまった。総合=信頼できる情報提供、教育=学びを支援、そしてBS=多彩な驚きと感動に出会えるテーマパーク。まるで受験生が赤本を読み込むかのように「ふむふむ、なるほど」とメモを取る。どこの誰がNHKの理念をマネして、家庭内のデジタルコンテンツ制作に活かそうとしているのか。世界広しといえど、うちの夫くらいだろう。

そのうち「NHKは真面目だから応援する」なんて言い出して、さらに「でも真面目な分、超慎重なんだよなー。だからこそすごいんだけど。。。」なんて評論家気取り。いやいや、NHKを気にする前に、あなたのデジタルコンテンツの取り込みはどうなの、と心の中で突っ込む私。だけど口には出さない。彼が夢中になっている時に冷水を浴びせるのは、なんとなくもったいない気がするからだ。

そういえば今日、ぽつりと「NHKって放送だけじゃなくてネットにも進出してるよね。超ライバルじゃん!」とつぶやいていた。いやいや、天下のNHKを相手にライバル視するあたり、規模感を完全に見失っている。でもその発想の飛躍が、彼らしいといえば彼らしい。しまいには「飲み込まれればいいのかな?すり寄る???」と真剣に悩んでいて、さすがに笑いをこらえるのに必死だった。

でもね。そうやって一見突拍子もない妄想をふくらませる時間が、彼にとってはすごく大事なんだと思う。たとえNHKに飲み込まれることがなくても、こうして「自分ももっと面白いものを作れるはず」と思い描くことで、小さな一歩が動き出す。彼の背中を見ながら、そう感じる。

大丈夫。NHKに潰されることなんてない。むしろ、あなたの作る“ひよっこコンテンツ”にしかない味わいを楽しみにしている人が、きっとどこかにいるから。

さて、明日はどんな「真面目劇場」が繰り広げられるのかしら。ちょっとだけ楽しみになってきた。


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