AIが進化するほど、今まで当たり前に使えていたシステムは止まりやすくなると思った。そして人々の行動と価値観が変わると思う。
今日はNHKの『クローズアップ現代』を見ていて、AI時代について考えさせられることがあった。
番組ではAnthropicのClaude ミュトスが取り上げられていたが、私の印象に強く残ったのは、AIそのものの性能ではなく、「AIが社会の運用をどう変えるのか」という話だった。
AIは社会を便利にするのか?
AIについて語られるとき、多くの場合は、
「仕事が効率化する」
「生産性が向上する」
「人手不足を解決する」
という話になる。
もちろん、それは間違いではない。
しかし、今回の番組を見ていて、私は逆のことを考えた。
AIは社会を不便にする面もあるのではないか。
金融庁の一言に時代の転換を感じた
番組の中で最も印象的だったのは、金融庁が金融機関に対して、
「システム停止を前提に対策しなさい」
という趣旨の方針を示していたことだった。
金融機関の担当者は、
「今まではシステムを止めないことを前提にやってきた。」
と話していた。
この一言に、時代が変わったことを感じた。
これまでは、
システムは止まらないもの
電気はつくもの
ATMは使えるもの
ネットバンキングは24時間動くもの
そう考えるのが普通だった。
しかしAI時代では、
「止まることを前提に社会を設計する」
という考え方に変わりつつある。
これはかなり大きなパラダイム転換だと思う。
Claudeミュトスは大量の脆弱性を見つける
もう一つ印象に残ったのは、
Claudeミュトスが人間では見つけられないほど大量のセキュリティ上の問題を発見するという話だった。
一見すると、
「素晴らしい」
と思う。
しかし現場ではそう単純ではない。
例えば以前なら、
年間100件しか見つからなかった問題が、
AIによって年間3000件見つかるようになる。
すると、
3000件全部直さなければならない。
修正し、
検証し、
影響範囲を調べ、
再テストし、
本番環境へ反映する。
AIが仕事を減らすどころか、
現場の仕事は爆発的に増える。
大システムメンテナンス時代である。
AIは「問題」を大量に見つける
私はここにAI時代の本質があると思った。
AIは仕事を減らすのではない。
問題を大量に可視化する。
今まで人間が見えていなかった問題が、
AIによって次々と発見される。
見つかった以上、
放置できない。
だから人間の仕事が増える。
私が想像した未来
番組を見ながら頭に浮かんだ風景がある。
子どもの頃から、
電気はスイッチを押せば必ずつくものだった。
停電するのは、
落雷や台風ぐらいだった。
しかし将来は、
「最近停電多くない?」
「申し訳ありません。設備の安全確認のため停止しております。」
そんな社会になるのではないか。
もちろん電力会社は停電を避ける努力をするだろう。
しかし、
AIが毎日のように
「ここ危ないです。」
「ここ故障します。」
「ここ攻撃されます。」
と言い続けたら、
止めて直す場面は増えるはずだ。
AI時代に社会が不便になるかもしれない10の場面
私は、これからの社会では、便利さと引き換えに「止めること」が日常化する可能性があると思っている。以下は、その具体的なイメージだ。
1. 計画メンテナンスが増える
銀行、行政、通販などで「本日メンテナンスのため停止します」という案内が以前より頻繁になる。
2. システム更新が頻繁になる
AIが高速で改善案を出すため、アップデートの回数が増え、利用者は操作方法の変更についていくのが大変になる。
3. サービスの一時停止が増える
脆弱性が見つかるたびに「念のため停止して修正」という判断が増え、以前なら動いていたサービスが止まる。
4. 本人確認がどんどん厳しくなる
AIを悪用した詐欺への対策として、二段階認証や顔認証などが増え、ログインだけでも時間がかかる。
5. オンライン手続きが複雑になる
セキュリティ対策のため、行政や金融の手続きで入力項目や認証が増え、「便利なはず」が逆に手間になる。
6. 人間の担当者につながりにくくなる
AIチャットボットが一次対応を担うようになり、本当に困っている人ほど人間にたどり着くまで時間がかかる。
7. ソフトウェアの変化が速すぎる
ようやく操作に慣れた頃には画面やメニューが変わり、利用者は学び直しを繰り返すことになる。
8. システム同士の相性問題が増える
新旧システムの互換性が取れず、利用者が手作業でデータを移したり、何度も入力し直したりする場面が増える。
9. AIによる誤検知で利用停止
不正利用と誤判定され、クレジットカードや銀行口座、SNSアカウントなどが突然ロックされる。
10. 「人間による確認待ち」が増える
AIは大量に異常を検知できても、最終判断は人間が行うため、手続きや審査に時間がかかる。
一般市民が体験する「セキュリティのため停止します」の世界
こうした変化は、一般市民の日常にも影響するかもしれない。
1. ATMが止まる
給料日なのに現金が引き出せない。
「セキュリティ対策のため停止しています。」
2. QRコード決済が使えない
コンビニで会計しようとしたら、
「システム保守中です。」
財布に現金がなくて困る。
3. 電車の改札が大混雑
交通系ICカードシステムの一部停止。
改札に長蛇の列ができる。
4. 市役所のオンラインサービス停止
住民票や税証明を取得しようと思ったら、
「現在利用できません。」
結局、平日に窓口へ行かなければならない。
5. 病院予約が電話のみ
予約システム停止。
電話は話し中。
予約だけで何十分もかかる。
6. 宅配便の追跡不能
荷物が今どこにあるのか分からない。
受け取りの予定が立てられない。
7. ネット通販停止
急ぎの商品を注文しようとしても、
「本日は受付停止中。」
翌日まで待つしかない。
8. スマート家電が使えない
外出先からエアコンや玄関の鍵を操作できない。
クラウドサービス停止中。
9. 飛行機やホテルの予約変更ができない
急な予定変更でも、
「システム停止中です。」
旅行そのものに影響する。
10. スマホアプリにログインできない
銀行、証券、電子チケット、ポイントアプリ。
どれも
「現在ご利用いただけません。」
という表示が並ぶ。
AIは便利さだけでは測れない
AIについては、
「便利になる」
という議論が圧倒的に多い。
しかし私は、
社会の裏側で運用する人たちの仕事はむしろ増えるのではないかと思う。
AIが大量の問題を見つける。
だから大量に直さなければならない。
その結果、
利用者から見ると
「最近メンテナンスが多い。」
「最近止まることが多い。」
そんな印象を持つ社会になる可能性がある。
「止めない社会」から「止める社会」へ
昭和から平成にかけて、日本は
「止めないこと」
を極限まで追求してきた。
電気。
銀行。
鉄道。
通信。
どれも、
止まらないこと自体が品質だった。
しかしAI時代は違う。
AIは次々と危険を見つける。
危険が見つかった以上、
運営側は「止めて直す」という判断をせざるを得ない。
つまり、
「止めないこと」を最優先にした社会から、「安全のために計画的に止める社会」へとパラダイムが変わる可能性がある。
あえて止める時代へ
もちろん、これは一つの仮説であり、未来を断定するものではない。AIによって自動復旧や予防保守が進み、利用者から見ればむしろ停止が減る分野もあるだろう。
それでも、『クローズアップ現代』で紹介されていた「システム停止を前提とした設計」と「AIが桁違いの脆弱性を発見する」という二つの話を聞いて、私はこれまでとは違う未来の風景を思い浮かべた。
AIは、人間が見えていなかった問題を次々と照らし出す。そのこと自体は社会にとって価値がある。しかし、見つかった問題は放置できない。だからこそ、メンテナンス、点検、修正、そして時にはサービス停止が、今より身近なものになるかもしれない。
AI時代とは、「何でも自動化されて便利になる時代」だけではない。
「安全を守るために、あえて止めることを受け入れる時代」でもあるのではないか。
そんなことを、今日の番組を見ながら考えた。
もし私の仮説が当たったら、人々はどう暮らし方を変えるのだろうか
もちろん、ここから先は私の仮説である。
しかし、もしAIの進化によって、今まで当たり前に使えていた社会インフラが、セキュリティ対策やメンテナンスのために以前より頻繁に停止するようになったら、人々の生活や価値観は大きく変わるかもしれない。
東日本大震災を経験して、多くの家庭が非常食やモバイルバッテリーを備えるようになった。
同じように、AI時代には「システム停止への備え」が、新しい生活防衛になる可能性がある。
一般市民が取りそうな10の生活防衛策
1. 現金を持ち歩くようになる
普段はキャッシュレス決済を利用していても、
「システムが止まるかもしれない。」
という前提で、ある程度の現金を財布に入れておく人が増えるだろう。
キャッシュレスを否定するのではない。
「止まったときの保険」として現金を持つのである。
2. 銀行口座を複数持つ
一つの銀行がシステム停止になっても困らないよう、
メガバンク、地方銀行、ネット銀行などを組み合わせて利用する人が増えるかもしれない。
3. 決済手段を複数準備する
QRコード決済だけではなく、
クレジットカード、
交通系ICカード、
現金など、
複数の決済方法を持つことが当たり前になる。
4. 重要な手続きを締切直前に行わない
行政手続き、
税金、
航空券の予約、
ホテル予約。
「最終日にやればいい。」
ではなく、
「一週間前には終わらせよう。」
という行動が一般的になるかもしれない。
5. 電子チケットだけに頼らない
スマホが使えない。
クラウドが止まった。
そんな事態に備え、
スクリーンショットや紙の控えを持つ人が増えるだろう。
6. 食料や日用品を少し多めに備蓄する
ネットスーパーや通販サイトが停止しても慌てないよう、
数日分の食料や生活用品を常に家に置いておく。
災害備蓄に近い考え方が、日常生活にも広がるかもしれない。
7. メンテナンス情報を確認する習慣がつく
銀行、
行政、
航空会社、
通販サイト。
利用する前に、
「今日は停止していないかな。」
と確認する。
まるで天気予報を見るような感覚になるかもしれない。
8. オフラインでも使えるものを重視する
クラウドだけではなく、
オフライン地図、
ローカル保存、
紙の資料など、
ネット接続がなくても使えるものの価値が見直される。
9. データを自分でも保管する
クラウドだけではなく、
USBメモリや外付けSSDにも保存する。
「クラウドだから安心」という考え方が少し変わるかもしれない。
10. 「止まること」を前提に予定を組む
旅行でも、
銀行でも、
行政でも、
「今日は止まるかもしれない。」
という前提で時間に余裕を持った計画を立てるようになる。
生活防衛のキーワードは「冗長性」
この10項目に共通しているのは、
一つに依存しない
という考え方である。
銀行も一つではなく複数。
決済方法も複数。
データも複数。
AI時代の生活防衛とは、
災害対策ではなく、
「システム停止への備え」
になるのかもしれない。
一般市民の価値観も変わるかもしれない
生活だけではない。
価値観そのものも変化する可能性がある。
1. 「便利さ」より「確実さ」
最新機能より、
「止まらない。」
「安定している。」
ことが評価されるようになる。
2. 「一つに依存しない」が常識になる
銀行も、
通信会社も、
決済サービスも、
一社だけでは不安。
複数を使い分けることが普通になる。
3. 「余裕」が美徳になる
今までの社会は、
ギリギリまで効率化することを良しとしてきた。
しかし、
締切より早く終わらせること、
時間に余裕を持つこと、
それ自体が合理的な行動になる。
4. デジタル万能主義が弱まる
「全部スマホでいい。」
という考え方から、
紙、
現金、
オフライン、
という選択肢を持つ人が増えるかもしれない。
5. 「止まるのは仕方がない」という意識が広がる
以前なら、
「システム障害なんてあり得ない。」
だった。
しかし、
「今日はメンテナンスか。」
と受け止める社会になる可能性がある。
6. 「早めに動く人」が賢い人になる
ギリギリではなく、
前倒しで準備する。
それがリスク管理として評価されるようになる。
7. AIへの期待が現実的になる
AIは万能ではない。
便利さをもたらす一方で、
運用や保守という新しい仕事を増やす存在でもある。
そんな現実的な理解が広がるだろう。
8. 「所有」の価値が少し戻る
クラウドだけではなく、
自分の手元にもデータを持つ。
サブスクだけではなく、
自分で所有する価値も見直されるかもしれない。
9. 社会インフラを支える人への見方が変わる
普段は意識しない保守担当者やインフラエンジニア。
サービスが止まる経験が増えれば、
社会を支えているのは、こうした人たちなのだと実感する人も増えるだろう。
10. 「レジリエンス」が最も重要な価値になる
効率。
スピード。
便利さ。
そうした価値観に加えて、
止まっても困らないこと。
壊れてもすぐ回復できること。
そうした「レジリエンス(回復力)」が重視される社会になるのではないだろうか。
AI時代は「効率の時代」ではなく、「備える時代」なのかもしれない
日本は長い間、「止まらない社会」をつくることを目指してきた。
電車は時間どおりに来る。
ATMは24時間使える。
ネットサービスはいつでも利用できる。
そうした「当たり前」が、日本の品質そのものだった。
しかし、もしAIがこれまで見えていなかったリスクを次々と発見し、そのたびに安全のためのメンテナンスやシステム停止が増える社会になるのだとしたら、「止まらないこと」を前提とした暮らし方は見直しを迫られるかもしれない。
そのとき重要になるのは、「効率」だけではない。
一つに依存せず、少しの余裕を持ち、止まっても困らないように備えることだ。
AIが進化するほど、私たちは「便利さ」だけではなく、「備える力」や「回復する力」を重視する社会へと価値観を変えていくのかもしれない。
AI時代には、スローライフ志向が広がるのだろうか
ここまで書いてきたことが現実になったとしたら、もう一つ気になることがある。
それは、人々のライフスタイルそのものが変わるのではないか、という点だ。
私は、一部の人の間ではスローライフ志向が広がる可能性があると思っている。
もちろん、日本社会全体が一斉にスローライフへ向かうとは考えていない。
AIを積極的に使い、さらに効率化を進める人もいるだろう。
しかし、その一方で、「効率ばかりを追い求める暮らし」に疑問を持つ人も増えるのではないだろうか。
「いつでも使える」が前提ではなくなる
これまでの日本社会では、
ATMはいつでも使える。
キャッシュレス決済はいつでも使える。
ネット通販はいつでも注文できる。
行政サービスもオンラインで24時間利用できる。
こうしたことが当たり前だった。
しかし、もしAIが膨大な数の脆弱性を見つけ、そのたびに安全確保のためのメンテナンスや一時停止が増える社会になったとしたら、この「いつでも使える」という前提は少しずつ揺らぐかもしれない。
そのとき、人々は生活の組み立て方そのものを変え始める可能性がある。
「急がない暮らし」が合理的になる
これまで評価されてきたのは、
「ギリギリまで効率化すること」
だった。
しかし、システム停止が以前より身近になる社会では、
「早めに済ませておこう。」
「今日できることは今日やっておこう。」
という行動の方が合理的になる。
旅行の予約も、
銀行の手続きも、
行政への申請も、
締切直前ではなく、余裕を持って済ませる人が増えるだろう。
これは、一見すると効率が悪いように見える。
しかし、「止まるリスク」を考慮すれば、むしろ合理的な行動である。
「余白」が価値になる
私は、この変化の本質はスピードではなく、「余白」にあると思う。
今の社会は、
最短時間、
最少コスト、
ジャストインタイム、
無駄の削減、
という価値観で動いている。
しかし、AI時代に「止まること」が以前より現実味を帯びるなら、
少し時間に余裕を持つ。
少し在庫を持つ。
少し遠回りでも複数の選択肢を用意する。
そんな「余白」が、新しい安心につながるかもしれない。
スローライフというより「レジリエントな暮らし」
私は、この変化を単純にスローライフと呼ぶよりも、
レジリエンス(回復力)の高い暮らし
と考えた方が近いように思う。
例えば、
現金も持つ。
決済手段を複数持つ。
データはクラウドだけでなく手元にも保存する。
食料や生活用品を少し備蓄する。
重要な予定には余裕を持たせる。
これらは決して昔に戻ることではない。
AIもクラウドも活用しながら、その停止も織り込んで生活を設計するという、新しい暮らし方である。
効率を追い求める人と、余白を選ぶ人
もちろん、社会全体が同じ方向へ進むわけではない。
AIをさらに活用して効率化を追求する人もいるだろう。
一方で、
「多少不便でもいいから、余裕のある暮らしをしたい。」
「システムに振り回されない生活を送りたい。」
そう考える人も一定数現れるのではないだろうか。
AI時代は、人々の暮らし方を一つに収束させるのではなく、むしろ価値観を多様化させるのかもしれない。
AI時代は「便利さ」だけを追い求める時代ではない
これまで、AIは「便利になる技術」として語られることが多かった。
しかし、もし私の仮説どおり、AIが社会の安全性を高める一方で、メンテナンスやシステム停止が増える社会になるのだとしたら、人々が求めるものも変わっていくだろう。
「もっと速く。」
「もっと便利に。」
だけではなく、
「少し余裕を持とう。」
「止まっても困らない暮らしをつくろう。」
そんな価値観が、一部の人々の間で広がっていく可能性は十分にあるのではないか。
AI時代に求められる豊かさとは、効率を極限まで高めることではなく、変化や停止を受け入れながら、自分らしいペースで暮らせることなのかもしれない。
日本人は「ティダッ・アパアパ」と言うようになるのだろうか
ここまで書いてきて、もう一つ思ったことがある。
私は以前、「日本は発展途上国化するのではないか」と考えた。
もちろん、ここで言う発展途上国化とは、経済的に貧しくなるという意味ではない。
私が考えているのは、日本人の価値観そのものが変わるのではないかということである。
日本人は「止まらないこと」を当たり前にしてきた
日本人は、とても几帳面な国民だ。
電車は一分遅れただけで駅員が謝る。
宅配便は時間どおりに届く。
ATMは24時間使えて当たり前。
コンビニもいつでも開いている。
「止まらないこと」そのものが、日本の品質だった。
世界中を見ても、ここまで高いサービスレベルを日常としている国は決して多くない。
私たちは、その環境に慣れすぎているのかもしれない。
インドネシアで聞いた「ティダッ・アパアパ」
一方で、海外には違う価値観もある。
例えばインドネシアには、
「ティダッ・アパアパ(Tidak apa-apa)」
という表現がある。
「大丈夫。」
「気にしない。」
「まあ、仕方ない。」
そんなニュアンスで使われる言葉だ。
もちろん、インドネシアの社会全体を一言で語ることはできない。
それでも、この言葉には、日本とは少し違う「物事を受け入れる感覚」が表れているように思う。
AI時代は「仕方ないよね」が増えるのか
もしAIが人間には見つけられなかった大量の脆弱性を発見し、安全性を優先してメンテナンスやシステム停止が増える社会になるとしたら、私たちの日常も変わるかもしれない。
「ATMが今日は使えない。」
「キャッシュレス決済はメンテナンス中。」
「オンライン手続きは明日まで停止。」
今なら「困った」「あり得ない」と感じるような出来事も、
「今日はそういう日か。」
「明日またやればいい。」
と受け止める人が増える可能性がある。
完璧を求める文化は変わるのだろうか
私は、日本人の価値観そのものが少し変わるのではないかと思っている。
これまでは、
「一分も遅れてはいけない。」
「いつでも利用できるのが当たり前。」
という社会だった。
しかし、AI時代には、
「安全のためなら、少し止まるのは仕方がない。」
という考え方が少しずつ受け入れられるようになるのではないだろうか。
もちろん、それはサービスの質を下げることを目指すという意味ではない。
むしろ、安全性を高めるために、利用者の側も「止まること」を前提として行動する社会になるということだ。
「止まらない社会」から「受け入れる社会」へ
私は、日本が経済的な意味で発展途上国になると言いたいわけではない。
そうではなく、これまで世界でも珍しいほど「完璧なサービス」を当然としてきた日本人が、
「まあ、今日はメンテナンス中だから仕方ない。」
そんなふうに受け止める文化へ、少しずつ変わっていく可能性があるのではないか、と考えている。
AIは社会を便利にする技術として語られることが多い。
しかし、そのAIが安全性を高めるために「止める」という選択を社会へ持ち込むのだとしたら、変わるのはシステムだけではない。
私たち日本人の価値観そのものも、少しずつ変わっていくのかもしれない。
AI時代だからこそ、昭和30年代の『ALWAYS 三丁目の夕日』のような世界観が見直されるのかもしれない
ここまで考えていて、もう一つ浮かんだことがある。
もし私の仮説どおり、AIが進化するほど社会インフラのメンテナンスやシステム停止が以前より身近になるのだとしたら、人々が求める「豊かさ」そのものも変わるのではないだろうか。
私は、一部の人々の間で、『ALWAYS 三丁目の夕日』のような世界観が見直される可能性があると思っている。
もちろん、昭和30年代そのものに戻るという意味ではない。
スマートフォンもAIもクラウドもなくなるわけではない。
しかし、「あの時代が大切にしていた価値観」は、もう一度評価されるかもしれない。
完璧なシステムより、助け合える人間関係
現代社会は、
「システムが止まらないこと」
を前提に設計されている。
しかし、もしシステム停止が以前より身近になれば、その前提は少しずつ変わる。
すると、頼りになるのはシステムだけではなく、人とのつながりになる。
近所の人に聞く。
顔なじみの店で相談する。
地域のコミュニティで助け合う。
そんな、人と人との関係が、以前より価値を持つようになるかもしれない。
「早い」「便利」だけが豊かさではない
これまで私たちは、
最短時間、
24時間営業、
即日配送、
ワンクリック、
そんな「速さ」を豊かさだと思ってきた。
しかし、それらが以前ほど当たり前ではなくなるなら、
「今日は明日にしよう。」
「少し待てばいい。」
という感覚も広がるかもしれない。
これは単なる我慢ではない。
便利さだけを人生の基準にしないという価値観である。
長く使うという文化
昭和の時代は、
壊れたら修理する。
服を繕う。
道具を手入れする。
そんな暮らしが当たり前だった。
大量生産・大量消費が進んだ現代では、買い替える方が早いことも多い。
しかし、AI時代に「止まること」が以前より現実味を帯びるなら、「予備を持つ」「長く使う」「修理して使う」といった発想も、単なる懐古趣味ではなく、現実的な選択肢として見直されるかもしれない。
ノスタルジーではなく、新しい合理性
私は、昭和30年代への憧れを単なるノスタルジーだとは思わない。
むしろ、それはAI時代の新しい合理性になる可能性がある。
デジタルを否定するのではない。
AIも使う。
クラウドも使う。
キャッシュレス決済も利用する。
その一方で、
現金も持つ。
紙の控えも残す。
近所の店も利用する。
地域の人とのつながりも大切にする。
つまり、デジタルとアナログのどちらかを選ぶのではなく、両方を組み合わせる暮らしである。
AI時代だからこそ、人間らしさが価値になる
AIは計算が得意だ。
最適化も得意だ。
効率化も得意だ。
だからこそ、人間はAIと同じ土俵で勝負する必要はないのかもしれない。
ゆっくり話す時間。
近所付き合い。
手作業。
季節を感じる暮らし。
顔を見て商売をする安心感。
こうした、一見すると非効率なものが、AI時代には逆に豊かさとして見直される可能性がある。
もしそうだとすれば、『ALWAYS 三丁目の夕日』が描いていた世界は、「昔はよかった」という懐かしい物語ではなく、AI時代を生きる私たちにとって、新しい暮らし方のヒントを示す作品として読み直される日が来るのかもしれない。
近藤が入力したプロンプト:
いやあ、私は前より社会生活が不便になると思う。不便になる状況を10個考えて。
Chat GPTの回答:
その仮説に立つと、「AIが高度化した結果、社会が便利になるどころか、運用の複雑さが増して不便になる」というシナリオですね。実際にそうなるかは分かりませんが、考えられる状況を挙げると、例えば次のようなものがあります。
計画メンテナンスが頻繁になる
銀行、決済、行政サービスなどで「本日22:00~24:00はメンテナンスのため利用できません」が今より増える。
システム更新後の不具合が増える
AIが高速でコードを生成・修正するようになる一方で、更新頻度も上がり、一時的な不具合や機能変更に利用者が振り回される。
サービスが一時停止しやすくなる
セキュリティ上の問題が見つかると、「念のため停止して修正」が増え、以前なら動いていたサービスが止まる。
本人確認がさらに厳しくなる
AIによる詐欺対策として、ログインのたびに追加認証や本人確認を求められる場面が増える。
オンライン手続きが複雑になる
セキュリティ対策が強化される結果、行政や金融の手続きで確認項目や認証手順が増える。
サポート窓口につながりにくくなる
AIチャットボットが一次対応を担うことで、人間の担当者につながるまでに時間や手順が増える。
機能変更への対応が追いつかない
ソフトウェアが頻繁に更新され、操作方法が変わるため、慣れた頃にまた画面が変わる。
互換性の問題が増える
新しいAI対応システムと古いシステムの間でデータ連携がうまくいかず、利用者側で手作業が必要になる。
誤検知による利用制限
AIが不正利用と誤判定し、クレジットカードやアカウントが一時停止され、解除に時間がかかる。
「人間にしかできない確認」が増える
AIが大量のリスクを検出する一方で、最終判断は人間が行う必要があり、手続きや承認に時間がかかる。
こうしたシナリオに共通するのは、「AIそのものが不便を生む」というよりも、AIが見つける問題やリスクへの対応が増え、そのコストや手間が利用者にも波及するという点です。
一方で、これとは逆に、AIによって自動復旧や予防保守が進み、利用者から見れば以前より安定する分野もあるでしょう。実際の社会は、「便利になる部分」と「不便になる部分」が混在する形で変化していく可能性が高いと思います。
近藤が入力したプロンプト:
一般市民の観点から、この具体例を10個考えて。
サービスが一時停止しやすくなる
セキュリティ上の問題が見つかると、「念のため停止して修正」が増え、以前なら動いていたサービスが止まる。
Chat GPTの回答:
一般市民の立場から見ると、「セキュリティ上の問題が見つかったので、一時停止します」というケースは、こんな形で生活に現れるかもしれません。
銀行ATMが使えない
「セキュリティアップデートのため、全国のATMを一時停止しています。」
給料日なのに現金を引き出せない。
キャッシュレス決済が突然使えない
コンビニのレジでQRコード決済がエラー。
「システム保守中です。現金かカードでお願いします。」
電車の改札が混雑する
ICカードシステムに脆弱性が見つかり、一部機能を停止。
入出場に時間がかかり、駅が混雑する。
自治体のオンライン手続きが停止
住民票の発行や税金の手続きサイトが数日間利用できない。
窓口へ行く人が増えて長蛇の列になる。
病院の予約システムが止まる
オンライン予約ができず、電話予約のみになる。
電話がつながりにくくなる。
宅配便の配送状況が確認できない
荷物追跡システムが停止。
「今日は届くのか」が分からない。
ネット通販が注文受付を停止
「セキュリティ対応のため、本日の注文受付を停止しています。」
必要な商品をすぐ注文できない。
スマート家電のクラウド機能が停止
外出先からエアコンや鍵を操作できない。
「サービスメンテナンス中です」と表示される。
航空会社や旅行会社の予約変更ができない
システム停止中でオンライン変更不可。
コールセンターに電話が集中して待ち時間が長くなる。
スマホアプリのログインができない
「脆弱性対応のため、一時的にサービスを停止しています。」
銀行、証券、ポイント、電子チケットなど、生活に必要なアプリが使えなくなる。
こうした事例は、「システムが壊れた」というよりも、
「事故を防ぐために、あえて止める」
という判断が増えた結果として起こるものです。
一方で、このような停止が本当に今後大幅に増えるかどうかは、まだ分かりません。運営側はAIを使って修正や切り替えも自動化し、利用者に影響を与えないよう努力するはずだからです。
ただ、今回のクローズアップ現代で紹介されたように、AIが従来よりはるかに多くの脆弱性を発見するようになれば、「見つかった以上、修正せざるを得ない」という場面は増える可能性があります。その結果、利用者から見ると「最近、メンテナンスや一時停止のお知らせが増えたな」と感じる分野は出てくるかもしれません。
