創作SS:25時の出前女
表紙画像はGeminiにて生成。
画像のプロンプトは「このSSに合う水彩画を描いて」
Geminiの創作SSです。
25時の出前女
深夜1時。
ダイエット中の僕にとって
もっとも過酷な「魔の時間」がやってくる。
お腹が空いて眠れない。
コンビニに行こうか
それとも我慢して白湯を飲むか。
葛藤の末、僕がスマートフォンの専用アプリを開く。
そのアプリは「25時の出前女」と呼ばれている。
注文ボタンを押してわずか3分。
オートロックのないボロアパートの扉が
威勢よくノックされた。
「お待たせしました!25時限定
カロリー爆弾お届けにあがりました!」
扉を開けると、そこには
派手なネオンカラーのパーカーを着た
やけにハイテンションな女の子が立っていた。
彼女の手元には、銀色に輝く保温ケース。
「はい、特製『背脂マシマシ深夜の背徳ラーメン』と
デザートの『揚げチョコバナナ』です!」
「……あの、僕、そんなの頼みましたっけ?
普通のチャーハンを頼んだはずだけど」
「ダメですよ、お客さん!」
彼女は人差し指をチッチッと振った。
「25時に私を呼ぶってことは
明日への活力を欲してるってこと!
守りに入ってどうするんですか。
この時間は、脂肪と糖こそが正義なんです!」
彼女は勝手にあがりこむと
テーブルに料理を並べ
勝手に割り箸を割って僕に持たせた。
「さあ、食べて!
私が横で『美味しい!』
『最高!』ってガヤを入れますから。
一人で食べる罪悪感なんて
私が全部吹き飛ばしてあげます!」
ずるずると麺をすする僕の横で
彼女は「いい食べっぷり!」
「ナイス炭水化物!」と
アイドルのコールのような応援を繰り広げる。
不思議なことに、一人で食べる深夜飯は
あんなに後ろめたいのに、彼女と一緒だと
フェスにでも来ているような気分になってくる。
完食する頃には、胃もたれを通り越して
なんだか無敵になった気がした。
「ふぅ、任務完了!
またお腹が空いたら、呼んでくださいね。
25時以降なら、どこへでも駆けつけますから!」
彼女は嵐のように去っていった。
翌朝、鏡を見ると顔は
パンパンにむくんでいたけれど
心は驚くほど軽かった。
……さて、今夜も1時(25時)まで、仕事を頑張るとするか。
おしまい…?
山根あきらさんのお題でした。
ツッコミどころ満載のショートショートでしたが
生暖かい目で見守っていただけると幸いです😆
最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました🙇♂️
