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学問と空想を絡めたお話

数学と哲学と空想が入り交じった、少し不思議なお話を。

​数学の世界には、**「漸近線(ぜんきんせん)」**という言葉があります。

ざっくり言うと、グラフの線が「限りなく近づくけれど、決して交わらない線」のこと。

​一方、哲学(心理学)の世界には、**「ヤマアラシのジレンマ」**という言葉があります。

こちらも端折って言うと、「相手に近づきたいけれど、近づきすぎると互いの針で傷つけてしまうから、適切な距離から近づけない」という葛藤のこと。

​――この2つの概念、どちらも人間関係に当てはめて考えると、なんだかとても感慨深く、そして少し切ない気持ちになるのです。

​ *

​相手と自分、というふたりの関係を想像してみます。

​たとえ互いの気持ち(ベクトル)が真っ直ぐに向き合っていたとしても、理想的なのは「漸近線」のような関係なのかもしれません。どこまでも限りなく近づくけれど、決してひとつに重なることはない、絶妙な距離。

​けれど現実は、なかなかそう上手くはいかなくて。

距離感を掴めず、つい近づきすぎては、ヤマアラシのように自分や相手を不快にさせたり、傷つけ合ったりしてしまうこともあります。

​相手を大切に想う気持ちがせっかくお互いにあるのに、理想の距離を保つのはどうしてこんなに難しいのだろう、と思ってしまうのです。

​ *

​数学の漸近線は、もちろん人間の心の機微を説明するために生まれたものではありません。

​だけど僕にとってそれは、人と人との距離感という、割り切れないものに想いを馳せるきっかけをくれました。

​本来は交わらないはずの冷たい数式が、めぐりめぐって人間のあたたかな心にたどり着く。そう考えると、学問って本当に不思議で、面白いなと感じます。

#学問への愛を語ろう
#エッセイ


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