富士山に登ってきた話
最近、体力の衰えを感じる。
走っていないからだと言われればそれまでなのだが、そもそも走る気になれない。
朝は早く目が覚めても布団から出られない。仕事が終われば疲労困憊で走る気がしない。休みの日は掃除や片付けを始めてしまい、「走ろう」と思った頃には太陽は高く上がり、暑さを言い訳にしてしまう。
6月の走行距離は7キロ。
さすがにヤバいと思いながらも、かろうじてウォーキングや山登りは続けている。しかし山登りもどんどんタイムが落ちていく。
日本で一番高い山、富士山に登るなら早いうちに登っておかないと、体力が衰えて登れなくなるかもしれない。
そう思ってネットで検索していると、意外にも東京発の富士登山バスツアーがお手頃価格。吉田口往復バスと山小屋、帰りの温泉付きで2万円を切る。
ちょうどANAもJALもソラシドエアも、東京に行けるくらいのマイルが残っている。
えいや!と申し込んだのは良いのですが、その後に人事異動が発表され、管理職になってしまった。
とても1週間休める感じではなくなったが、なんとか2日だけ休みが取れそうなところまで仕事を片付けたので、富士登山を決行することにした。
「天気と暮らす(いわゆるテンクラ)」はC判定(登山にはおすすめできない天候)だけど……。
東京へ前乗り
7月11日土曜日。
羽田に飛び、都内に宿泊。
早めに飲んで早めに寝たのだが、遠足前日の小学生モードになってしまい、3時に目が覚める。
朝風呂に入り、準備をして、近くの吉野家でしっかり朝ごはんを食べる。

そして集合時間の6:20に東京駅近くの集合場所へ向かった。
そこから新宿まで移動し、バスを乗り換えて富士スバルライン五合目へ。
途中、バスのミッションが故障してギアが入らなくなるトラブルが発生。
しかし30分ほどで別のバスが迎えに来たので、大事には至らなかった。
10:30には五合目到着。

高地順応のため1時間ほど過ごし、着替えたり昼食を食べたりする。
バスツアーには「富士山みはらし」というお店の休憩所利用権が付いていたので、着替えや荷造りをするスペースがあり、非常に助かった。
みはらしのコインロッカーに荷物を預ける。500円。
富士山は入山料が必要。
その場で現金払いもできるが時間がかかるので、事前決済がおすすめ。4,000円。アソビューで支払う仕組みになっている。
ちなみに五合目の段階ですでに高地価格。ペットボトルは250円する。
コストがかかるので仕方ないが、できれば平地で買っておいた方が良い。バスツアーなら途中でSAに寄るので、その時に購入しておくのもおすすめだ。
ちなみにペットボトルは、いろはすのように潰せるタイプが便利。富士山にはゴミ箱がないので、すべて持ち帰る必要がある。
私は500mlを3本持って上がった。山小屋で500mlを1本もらったので、合計2リットルで足りた計算になる。
五合目のお土産物屋の中にあるトイレは100円。
少し下ったところに県の休憩所とトイレがあるのだが、そちらは無料。洗面台も広いので少し遠いがこちらがおすすめ。
登山開始
12時前に登山開始。
アソビューのQRコードを見せるとストラップを渡されるので、ザックに付ける。
ザックだが、40リットルの登山用ザックは大きすぎると思い、20リットルのザックで行った。しかしこれは少し失敗だったかもしれない。
やはり腰で支えるタイプの方が楽だし、肩ベルトにドリンクホルダーが無かったのも不便だった。
さて、門を通過して登山開始。

今回はフリータイプのツアーなので登山ガイドは付いていない。
ガイド付きツアーの方々はかなりゆっくり登っていて、「高山病対策にはこれくらいゆっくり登らないとダメなのか」と思い、自分もかなり意識してゆっくり登った。
六合目ではヘルメットを2,000円のデポジットで貸してくれる。
その時は必要性を感じていなかったのだが、後から考えると借りておけば良かった。返却すればデポジットも返ってくるので。
ちなみに六合目と下り七合目のトイレは300円。
山小屋のトイレは200円なのだが、県や市が運営しているトイレはなぜか少し高い。
呼吸を意識しながら3時間ほど登ると、本日の宿である八合目・蓬莱館へ15時前に到着した。

七合目入口まではガレ場というより坂や階段なので、トレッキングポールがあると便利。
しかし七合目以降は岩場が続くため、ポールはいったん収納した方が登りやすいと思う。

山小屋
さて蓬莱館。
雑魚寝かと思っていたら、ちゃんと隣と板で仕切られていた。嬉しい誤算。

二段ベッドのような造りなので高さは低い。
防音効果はゼロなので静かに過ごす。
夕食は16時半から20時まで。
私は17時から夕食にしたので、それまで一眠りした。
夕食はカレー、サラダ、ハンバーグ。

少し量は物足りないが、贅沢は敵である。
美味しくいただく。
本当は缶ビール(700円)でも飲もうかと思ったが、高山病が怖いので我慢した。
夕食後はやることもないので歯磨きをして寝る。
ちなみに歯磨き粉は使用禁止。
洗面所もないので、水はペットボトルの水を使う。
トイレは200円。一度払えば滞在中は使い放題。
紙は流せないので備え付けのゴミ箱へ捨てる。
ちなみにゴミ箱は蓋が自動で開く贅沢仕様だった。
深夜のアタック
さて、ご来光を目指して登るため1時起床。
朝食を食べて出発する。
朝食は夕食の時に一緒にもらう。
パン2個、五目釜飯、ペットボトルの水。

釜飯はすでに炊いてあるそうだが、朝食べると冷たくて固い。
発電機で電気は来ているので、レンジで温められると嬉しいのだが。
外は雨風が強いことが音で分かっていたので、カッパを着て外へ出る。
雨はそれほどでもない。

しかし風がとんでもない。
台風どころの騒ぎではなかった。
強烈な風が吹くたびに体を持っていかれそうになり、そのたびに立ち止まってやり過ごす。
そんな天候でも多くの登山客が登っていく。
ちなみに吉田ルートは、見た感じ日本人と外国人が半々。下手すると外国人の方が多かったかもしれない。
出発から30分ほど登り、八合五勺の御来光館の少し上まで到達。
しかしあまりの強風に身の危険を感じ、下山を決意した。
どれくらいの風だったか動画を撮っておけば良かったのだが、動画を撮る気も失せるほどの風で、完全に心が折れた。
加えて若干の頭痛とふらつきもあった。
もしかすると高山病だったかもしれない。
もう少し先へ進めなくもなかったが、YAMAPを見る限り山頂までエスケープルートがなさそうだったので、「やめるなら今」と判断した。
そもそも風で小石が飛んできており、ヘルメットがないと危険な気もした。
タダみたいなものだったのだから借りておけば良かった……。
下山
本八合目まで戻り、下山道へ。
下山道は階段ではなく、ひたすら坂をズルズルと下る。
どうやら山頂まで登るブルドーザー道のようだ。
下りも風がないかと言えばそんなことはなく、突風が吹き荒れる。
途中に何か所かあるシェルターで休みながら下っていく。
下山道はずっとお一人様だった。
4時半。
日の出の時間だったが太陽は見えない。

山頂まで行っていてもご来光は見えなかったのだから、自分の判断は正しかったと自己正当化する。
悔しくないかと言えば嘘になるが……。
六合目からは下山道と登山道が合流。
かなりの人数が登っていく。
日帰りの人たちなのだろう。
すれ違った外国人に
「Finished?」
と聞かれ、
「Not finished! Have a nice trip!」
と笑顔で返した。
でも、少しだけ落ち込んだ。
五合目でのんびり
富士スバルライン五合目には6時前に到着した。
帰りのバスは11:30。
それまでツアー休憩所で待とうかと思ったが、まだみはらしが開いていない。
仕方がないので県の休憩所でカッパをしまい、濡れた服を着替える。
着替えは1回分持って上がっていたが、山小屋では着替えなかった。
結果的には持ってきて正解だった。
7時過ぎにみはらしがオープン。
レストランで本日2回目の朝食。

最高。
食後は休憩所で荷物整理をして、そのまま仮眠。
寝たり起きたりしているうちに集合時間になった。
温泉と吉田うどん
バスで移動し、近くのスーパー銭湯へ。
滞在時間は約2時間。
ここの銭湯は浴槽の種類も多くて良かった。
ただ、ロッカーが狭い。
バス1台分の客数に耐えられないレベルで更衣室が狭い。
休憩所は広いのだが、なぜかロッカーだけ窮屈。
しかもロッカーそのものも小さい。
昼食は銭湯内の食堂でも良かったのだが、せっかくなので近くのうどん屋へ。
吉田うどんというらしい。

キャベツが入っていたり、普通の一味唐辛子ではなく「すりだね」という、唐辛子をベースにした薬味が添えられていたりする。
そんなこんなで14:30に出発。
16時には新宿郵便局前に到着し、解散となった。
おわりに
次回リベンジするなら、金曜日の仕事が終わったらそのまま最終便で羽田へ飛び、土曜日出発のツアーに参加する。
帰りを日曜日の最終便にしておけば、仕事を休まずに富士登山できそうだ。
今回は結果的に途中リタイヤとなったが、いろいろと良い経験ができた。
山頂を目指す途中で撤退を決めたのも、無理をしないという意味では良い判断だったと思う。
それでもやっぱり悔しい。
次回こそは山頂でご来光を拝みたい。
(おわり)
