絵本作家の五味太郎さんは、軽やかな人でした
五味太郎氏の講演会に参加させていただく機会がありました。
壇上に上がられた五味さんは、とても80代には見えない若々しい雰囲気をまとって登場されました。
五味さんて確か80いくつだったよね、と知り合いと話しながら見ていたのですが、スラットして背筋も伸びていてお腹も出ていません。どう見ても70代前半くらいにしか見えませんでした。
話題は様々なことに及んだのですが、その中で初等教育の話にも触れられました。
『小学校の時からたくさんの教科を習わせるのは、その中からその子が得意なものを選べるためにするためだ』とか、『おしなべてみんなが鉄棒の懸垂ができるのはちょっとおかしいよね』、みたいな感じのことをおっしゃってました。
要するに、・・・・算数が好きでも社会科は興味なかったり、短距離は得意でもマラソンなんか考えられないなあー・・・・ということらしいです。
もちろん、デザインのお話も出てきました。
アシスタントの方のデザインが良かったので『いいね!』とデザインを褒められたそうです。
そしたらそのアシスタントの人から『パクリですよ』とサラッと答えが返ってきたそうです。
その話では、堂々と『物を作るっていうのは誰かのパクリなんだ』って言う話をされてました。
五味さん曰く、『「良いなあ」と思った瞬間にパクっていることになる』そうです。
「なるほどなぁ」と思ったんですね。
文章の事はわからないんですけれども、絵画の世界ではやっぱり追っかけていくっていうのあると思います。
ゴッホも浮世絵の構成を学んでいいなと思って、それをパクって作品にしたりとかありますよね。
この方はきっと、好きなものは好き、嫌なものは嫌っておっしゃるんだろうなぁっていう感じでお話を伺ってました
五味さんは絵本作家さんなので文章も書かれますし、絵も描かれます。
五味さんの絵本は、海外でも翻訳されて出版されてるんですけれども、国によって絵本の扱い方が違うそうです。
エンタメだったり、教育教材だったり。
翻訳に関しては、当然ですが、ニュアンスが若干違ってくる場合もあるそうです。
でも、絵は変わらないからって。
『もともと絵本っていうのは、大人は文字を読むんですけれども、子供は絵を読んでいる。絵に関しては子供の方が大人よりよく読んでるよね』
って仰ってました。
おそらく子供って気に入ったら何回もその絵本を見ると思うんですよね。文字は読めなくても絵を見ながらいろんなことを考えてると思うんです。
私が子供に絵本を買う時は、まず絵に惹かれて選んでいました。
絵本の絵って、ただ文章に添えられた「挿し絵」じゃないんですよね。
絵そのものが、物語を語っています。
文字がなくても、楽しめる。絵本ってそうですよね。
たぶん「絵がある本」じゃなくて、「絵の本」なんですね。
五味さんの話を聴きながら、いろんなことを考えていた私でした。
【あとがき】
五味太郎さんの講演会に参加させていただく機会があり、憶えている事を記録させていただきました。講演後の感想なんで、間違いとか誤解とかあるかも知れません。
正確に五味太郎氏の意図を汲み取れたかはわかりませんが、個人の感想として留めておいていただけると幸いです。
余談ですが、絵本が思い浮かばない方でも、岡山の銘菓「きびたんご」のイラストを描いてる方っていうと思い浮かぶ方もいらっしゃるかもです。

