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「最近、Googleで検索しなくなった」から考える、AI時代に選ばれる人の条件

「検索される会社」より「AIに薦められる人や会社」が強くなる

最近、私はGoogleで検索する回数が明らかに減った。多分、みなさんもそうではないか?

ホテルを探すときも、商品を比較するときも、まずAIに聞く。

「京都で静かに過ごせて、日本文化を感じられて、アクセスがよく、予算3万円くらいならどこがいい?」

するとAIは、検索し、比較し、口コミを読み、条件に合う候補まで絞ってくれる。

そのとき、ふと気づいた。

これから企業や人が競う相手は、検索順位だけではない。
「AIの推薦候補に入れるかどうか」ではないか。

ここで企業の宣伝•マーケティング戦略を振り返ってみよう。

この20年、企業は「検索されること」を競ってきた

インターネット以前、企業が欲しかったのは人間の「注意」だった。

マーケティングでは、これをAIDMAというモデルで説明してきた。

認知

興味

欲求

記憶

購買

テレビCMや新聞広告で知ってもらい、欲しいと思わせ、覚えてもらう。

ところがインターネットが普及すると、ここに「検索」が入った。

AISASである。

認知

興味

検索

購買

共有

企業にとってGoogle検索の上位に出ることが重要になった。

SEOが巨大産業になったのは、このためだ。

さらにSNSが普及すると、もう一つの変化が起きた。

「何を買うか」だけでなく、

「誰を好きか」
が購買を左右する
ようになった。

共感し、フォローし、参加し、共有する。

ブランドは企業が一方的につくるものから、人と人とのネットワークの中で形成されるものへ変わった。

ところがAIは「検索」そのものを食べ始めた

ここからが現在進行形の変化だ。

以前ならホテルを探すとき、

「京都 ホテル おすすめ」

とGoogleに入力した。

検索結果を開く。

旅行サイトを見る。

口コミを読む。

価格を比較する。

場所を地図で確認する。

最後に自分で決める。

ところがAIには、

「京都で静かに過ごせて、日本文化を感じられて、駅から近く、予算3万円前後」

と希望を伝えればいい。

するとAIが、

検索

情報収集

比較

評価

候補選定

まで代行する。

人間が行っていた「Search」が、

Consult(相談)+ Evaluate(評価)+ Recommend(推薦)へ変わり始めている。

検索エンジンが、少しずつ意思決定エンジンになっているのだ。

すると、企業は「二人」を説得しなければならなくなる

ここが今回いちばん重要なところだ。

これまでブランドが説得する相手は、基本的に人間だった。

しかしAIが購買意思決定の途中に入ると、相手が一人増える。

人間とAIだ。

人間が惹かれるのは、

物語、共感、美意識、体験、人格、世界観。

一方、AIが判断材料として扱いやすいのは、

専門性、一次情報、構造化された情報、評判、引用、検証可能性、一貫性。

だから、これから強いブランドには二つの条件が必要になる。

人間には「好き」と思われる。

そして、

AIには「この条件なら推薦できる」と理解される。

この二つは似ているようで違う。

AIが合理的になるほど、人間は非合理的になる

ここまで考えて、逆説的なことに気づく。

AIが合理的な判断を代行するほど、人間側では「合理性以外」の価値が大きくなる。

価格比較はAIができる。

スペック比較もできる。

口コミを1000件読むこともできる。

条件に合う商品を探すこともできる。

だから最後に人間に残るのは、

「なぜかわからないけれど、この人が好き」

「この人から買いたい」

「このブランドの世界観が好き」

という感覚になる。

つまり、

AI時代だから人間性が不要になるのではない。

むしろ逆だ。

合理性をAIが引き受けるほど、
人間にしかつくれない非合理的な魅力の価値が上がる。


「検索される」から「推薦される」へ

ここまでの消費行動の変化を、一度並べてみる。

AIDMAの時代には、

注意を奪う。

AISASの時代には、

検索される。

SNSの時代には、

共感される。

そしてAI時代には、おそらくもう一つ条件が加わる。

推薦される。

しかも推薦者は人間だけではない。

AIも推薦者になる。

すると企業にとって重要なのは、

「Googleで何位か」

だけではなくなる。

AIに、

「この分野なら、この会社」

「このテーマなら、この人」

「この条件なら、この商品」

と認識される必要がある。

そして、この話は企業だけではない
これは個人にもそのまま当てはまる。


文章を書く人。

専門家。

経営者。

研究者。

クリエイター。

これから重要になるのは、

「何について、この人を推薦すればいいのか」がAIにも人間にも明確であることだ。

何でも書く人より、

「この問いなら、この人」

と思い出される人。

大量に発信する人より、
一次体験と独自の解釈が一つのテーマに蓄積している人。

AI時代の個人ブランドとは、フォロワー数だけではなく、
「何者として認識されているか」
という問題
になっていく。

AIには「理解」を、人間には「余韻」を

私は、これからのブランド戦略をかなり単純に考えている。

AIには、理解される構造を。
人間には、共感したくなる世界観を。


情報を整理するだけならAIができる。

だから人間は、体験する。

現場へ行く。

失敗する。

違和感を持つ。

考える。

そして、自分にしかできない意味をそこから取り出す。

その一次体験を、AIにも理解できる形で記録していく。

すると、

人間の体験

記録

AIによる理解

推薦

新しい人との出会い

新しい体験

再び記録

という循環が生まれる。

20年間、私たちは「検索される方法」を研究してきた。

これから研究すべきなのは、
「推薦される理由をどうつくるか」なのだと思う。

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