言えない気持ちは、お弁当に詰めている
お弁当を渡しても、「ありがとう」という言葉は特に返ってきません。
「ありがとう」とか、「頑張ってね」とか。
思ってはいるけれど、口に出すのはどうしても恥ずかしくて。
自分のことで精一杯で、誰かに気を配る余裕なんてないと感じる時期もありました。
それでも、私は毎朝お弁当を作っています。
特別な言葉が返ってくるわけではなく、ただ、当たり前みたいに受け取られていく日々。
けれど、何も言わずにお弁当を渡すだけのこのやり取りが、
変わらずに続いていることに、どこかで深く安心しているのです。
私はきっと、言葉の代わりにお弁当を作っているのだと思います。
見た目は少しだけ整えて、味はいつもと同じまま。
ときどき、「今日も1日頑張ってね」と思うことがあります。
そんな気持ちを、お弁当の隅っこにそっと詰めています。
本当は、今日も何事もなく帰ってきてくれたら、それだけでいい。
それ以上のことは、うまく言葉にできません。
疲れている日は手を抜くこともあるし、全部が完璧なわけでもありません。
言えない気持ちは、たしかにあります。
でも、言えないなりに、こうして形にしている。
それが、今の私にできる精一杯なのだろうと思っています。
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ここまで読んでくれてありがとうございます。もし、何か少しでも受け取ってもらえたものがあったなら、とても嬉しいです。