「なぜこの価格ですか?」に答えられない査定は、少し注意です
不動産売却で、
査定額や売り出し価格を聞いたとき、
多くの方は金額そのものに目が行きます。
高いのか。
安いのか。
他社と比べてどうなのか。
もちろん、価格はとても大切です。
ただ、実務の現場で見ると、
本当に大事なのは金額だけではありません。
その価格について、
担当者がどう説明するかです。
「なぜこの価格なのですか?」
この質問に対する答え方で、
その提案がどこまで考えられているかが
見えてくることがあります。
【高い価格より、理由のある価格が大切です】
高い査定額を出されると、
売主さんとしてはうれしいものです。
少しでも高く売れるなら、
その会社に任せたいと思うのは自然です。
ただ、高い価格には理由が必要です。
近隣で実際に売れた事例があるのか。
今販売中の競合物件と比べて強みがあるのか。
土地や建物の条件をどう見ているのか。
買主がどこを評価しそうなのか。
こうした説明があれば、
その価格には考え方があります。
反対に、
「このくらいはいけると思います」
「今は相場が上がっています」
「他社より高く見ています」
こうした言葉だけで進む場合は、
少し注意した方がいいです。
言い方が前向きでも、
根拠が見えていなければ、
売却中に判断が苦しくなることがあります。
【売れる価格と出せる価格は違います】
不動産売却では、
高めに売り出すこと自体が
悪いわけではありません。
最初は少し強気に出して、
反響を見ながら調整する。
これは一つの考え方です。
ただし、ここで大切なのは、
それが「売れる価格」なのか、
「まず出してみる価格」なのかを
分けて説明してくれるかどうかです。
この違いが曖昧なままだと、
売主さんはその価格で売れると思ってしまいます。
ところが実際には、
反響が少ない。
内覧が入らない。
買主から交渉が入る。
価格を下げる話になる。
そうなったときに、
「最初の説明と違う」
と感じやすくなります。
チャレンジ価格なら、
チャレンジ価格として説明が必要です。
現実的な成約予想なら、
その根拠が必要です。
ここをあいまいにしたまま
高い数字だけが残ると、
後からモヤモヤが残りやすくなります。
【答え方に担当者の姿勢が出ます】
「なぜこの価格なのですか?」
この質問をしたとき、
担当者の姿勢はかなり見えます。
丁寧な担当者であれば、
成約事例や競合物件、
販売期間の見通し、
価格を見直すタイミングまで
説明してくれるはずです。
たとえば、
「近くでこの価格帯の成約があります」
「ただし、こちらの物件は道路条件が違います」
「最初の1か月で反響が少なければ、見直しを考えます」
「この価格は少し強めなので、期間に余裕がある方向けです」
このように説明されると、
売主さんも判断しやすくなります。
一方で、
質問しても曖昧な答えしか返ってこない場合は、
慎重に考えた方がいいです。
価格の説明ができないまま、
売却を任せることになるからです。
【売れなかった場合まで聞いてください】
価格の根拠を確認するとき、
一番聞いてほしい質問があります。
「この価格で売れなかった場合は、どうしますか?」
この質問です。
この答えには、
かなり大事な情報が含まれます。
どのくらいの期間を見るのか。
反響が少ないとき、何を確認するのか。
価格を見直すなら、いつ判断するのか。
広告や見せ方を変える余地はあるのか。
最終的にどの価格帯を想定しているのか。
ここまで説明があれば、
売却中に迷いにくくなります。
反対に、
「そのとき考えましょう」
だけで終わる場合は、
少し不安が残ります。
売却は、出して終わりではありません。
出した後にどう判断するかまで含めて、
最初に確認しておくことが大切です。
【媒介契約を取るための数字になっていないか】
少し踏み込んで言うと、
査定額には会社側の事情が出ることもあります。
まずは依頼を受けたい。
他社よりよく見せたい。
売主さんに選んでもらいたい。
その気持ちが、
高い査定額につながることがあります。
もちろん、
高い査定額がすべて悪いわけではありません。
問題は、
高い理由とリスクが説明されているかどうかです。
売主さんにとって大切なのは、
最初に気持ちよくなる数字ではありません。
最終的に納得して売れるかどうかです。
だからこそ、
耳ざわりのよい説明だけでなく、
売れなかった場合の話まで
聞いておいた方がいいです。
良い担当者ほど、
良い面だけでなく、
注意点も一緒に話します。
【まとめ】
不動産売却で価格を聞いたとき、
見るべきなのは金額だけではありません。
その価格に、
どんな根拠があるのか。
売れる見込みはどの程度なのか。
売れなかった場合、
どう判断するのか。
ここまで説明されているかが大切です。
「なぜこの価格なのですか?」
この質問に対する答え方で、
担当者の考え方や提案の現実性は見えてきます。
高い査定額を見ること自体は悪くありません。
ただ、数字だけで判断しないでください。
価格の理由と、
その後の進め方まで確認してから、
売却を考えてみてください。
【次に読んでいただきたい記事】
査定額や価格の説明に不安がある方は、
高い査定額の見方や、売却後にモヤモヤを残さない考え方もあわせて読むと整理しやすくなります。
【ご相談について】
不動産売却は、すぐに決めるものではありません。
まだ売るか決めていない段階でも、
状況を整理することで見えてくることがあります。
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