ぬくもる手|優しさは返ってくる
note de Noël(ノート・ド・ノエル)
書く部でご一緒の喜木凛さんの企画に参加します。
🎁 今日の「灯りのことばくじ」は――
「ぬくもる手」
私の周りにはカッコイイ女が多い。
カッコイイーと惚れてしまいそうな女が多い。
友人や知り合いを思い出して、
「カッコイイ!」
と思ったエピソードがいくつかある。
もう20年前くらいの話になる。
友人には仲良くしているママ友がいて夫にDVを受けていてその相談に乗っていたという。
人からみえないところを殴って傷をつける。
左効きのその夫はいつも左側を殴りつけるので、ママ友は左耳が聞こえづらくなってしまった。
その話を聞いていた友人は、話を聞いていたファミレスでそっと席を立った。
「ちょっとまってて」
とその人を残して銀行でお金を下ろしたそうだ。
20万。
現ナマを渡して伝える。
「これを足しにして、今すぐ引っ越して。足りなかったら連絡してね。こんなことしか今はできない。」
DV夫は平日は単身赴任中で家に戻らない。
「早く逃げなよ。」
そういうしかなかった。
その後どうなったかは知らないが、
「うちもカツカツなのにそれしかできなくて貸しちゃったの。お金は返ってこないと思うよ。」
という友人は、かっこよかった。
誰かを助けようと奮闘する姿を想像した。あなたにだって必ずいいことが訪れる。私はそう信じた。
優しさって返ってくるから。
DVのことは詳しくはないけど。
現在はシェルターというものがあったり、相談窓口も充実している。警察に駆け込むこともできる。
あの時のお金は戻ってきていないだろう。
それを覚悟して貸したのだと思う。
もう1人は昔一緒に働いていたパート仲間。彼女も私と同様転職して数ヶ月。
先日久しぶりに話をした時に
、仕事が覚えられなくて毎日泣いていたと教えてくれた。
わかる。
年齢を重ねると物覚えの悪さは天才的だ。
いくらメモを取っても、次の日には忘れてしまい、若い子たちをうしろからを追いかける。
前職とはまったく違う畑の仕事なもんだから苦労が絶えなかった。
そんな時、30歳のフリーターの男性がアルバイトで入ってきた。コミュニケーションがあまり得意でなさそうで、ゲームが趣味で周りとも打ち解ける気はなさそう。
みんな腫れ物に触るように30歳男子に接していたらしいが、友人は容赦ない。
「2人1組でする仕事があってね、その子とよく組むようになったんだ。私と一緒だとよく喋るのよ」
と笑うが、それはあなたが愛のある人だからだと思う。
30歳男子の質問に丁寧に答えていく。
「ダンナさんが働いているのになぜ働いているんですか?」
「家をかったんですか?家っていくらくらいするんですか?」
「この間母から貰ったお小遣いでゲームを買ったんです。そのゲームが面白いんですよ。」
周りの職場の人達は30歳男子の笑う顔を初めて見たとか、あんなに話す人なんだ!とザワザワしたらしい。
友人といえば、ハッキリものを言うタイプなので、質問にはひとつひとつ丁寧に答える。
そして、
「あのね、君30でしょ?次にお給料が入ったらお母さんを食事に連れて行きなさいよ。」
と論した。
そうして私に言うのだ。
「私って人の心にズカズカ土足で入って行っちゃうんだよね。上辺だけで付き合うとかできなくて失敗しちゃうんだ。だってその30歳が、やりたいことがあるけど踏み出せないとか言うの。つべこべ言わずに踏み出しなさいって言っちゃった。ダメかな?」
つべこべ言っているうちにあっという間に時は流れてしまう。後悔するくらいならやってみたらいい。そしたら君の1歩に繋がるじゃない?
成功しなくても、踏み出した!って思うことが道標になっていくんだ。
土足で人の心にズカズカって、嫌がる人も多いけれど、その30歳は嬉しかったんじゃないのかなぁと思っている。
友人のようにハッキリ言ってくれる人はいなかったんじゃないだろうか。
それを優しさだと感じて30歳も受け取っているんじゃないのかな。
だって愛があるもの。
本気でぶつかって、なぜ自分が働いているのかを伝える。家を買うにはローンが必要なんだということを教える。
教えたのはAIではなくて愛のある年上のオバサン。
もしかしたら、間違った情報を教えたかもしれないと友人は唸る。
でもね、ぬくもりは伝わっているはず。 はず。
今頃、お母さんに何をご馳走するか考えているかもしれないから。
それでは
ヤスさんの#66日ライラン🏃♀️
勝手に参加中(並走)27日目。
