怪談あつめ~おみくじ~
おみくじ
先日は郷里釜石市で「怪談あつめ」を開催してきた。
ケーブルテレビで取材を受けたり、友人が声がけしてくれたり
思った以上の人数が来てくださった。
誰も来なかったらどうしよう…と少々不安だったのである。
内陸で聞いた話を語った後は、お客様が話す番。
「わたし、全然霊感無いし…」
と言いながら、全員が何かしらおかしな体験をしているから
面白い。
霊感っていったい何なんだろう?
いつもそんなことを考えながら参加者さんの話しを聞いている
高校の同級生がこんな話をした。
「そう言えばさ、怖くないけど、あれ?って思った話があるんだよ。」
16年前のことだ。
沿岸から内陸に遊びに来ていた彼女は、達国窟毘沙門堂に詣でた。
そこで友人は、おみくじを引いたと言った。
そのおみくじには「水難に注意」と書かれていたそうだ。
その後、雨に降られた。
だから、水難ってコレのことかなぁと思ったそうだ。
だが、難というほどでも無くて、一体何のことだろう?と思っていたそうだ。
それから、しばらく友人は仕事が忙しくて、神社仏閣巡りなどしていなかった。
達谷窟毘沙門堂詣でをしてから、一年が過ぎようかという時のことだ。
あの、東日本対震災が、東北を、釜石市を襲った。
友人の家は、完全に流された。
というより、友人が住む地区の9割が無くなった。
後日再会した時、「振袖も、お雛様も、全部竜宮城に流されちゃった。
乙姫様にくれてやったんだ。」と、気丈に笑う友人の言葉が忘れられなかった。
「あのおみくじの水難って、もしかしたら震災のことだったのかもしれないって、後から思ってしまったんだよね。だって、それ以外に水のことで難は無かったもの」と言っていた。



