「帰ってくるはずの日に、息子は帰ってこなかった」
あれだけ後悔したのに。
不登校から少しずつ学校に行けるようになった息子。
でも、毎日順調だったわけじゃない。
行ける日もあれば、行けない日もある。
遅刻する日もある。
そのたびに私はハラハラした。
心の中では色々思うこともあった。
でも、それを息子にぶつけてはいけない。
不登校になった頃、
私の不安や焦りをぶつけてしまったことを後悔していたから。
だから責めないようにした。
ただ、心のザワザワだけは消えなかった。
高校3年生になり、夏の大会が近づいてきた頃。
息子が突然言った。
「医学部に行きたい」
私も母も驚いた。
でも、やりたいことが見つかったなら応援したい。
そう思って塾に通い始めた。
だけど、長くは続かなかった。
夏の大会が終わると、
息子はまるで抜け殻のようになった。
そしてまた学校を休むようになった。
私は何日も何も言わず耐えた。
行きたい大学を見に行きたいと言うので、
背中を押して送り出した。
だけど――
帰ってくるはずの日に帰ってこなかった。
不安でたまらなかった。
何かあったんじゃないか。
私がまた追い詰めてしまったんじゃないか。
色々な考えが頭の中を駆け巡った。
そして数日が過ぎた頃。
私はまた焦った。
また不安に負けた。
また息子に色々ぶつけてしまった。
あれだけ後悔したのに。
あれだけ、
もう同じことは繰り返さないと決めたのに。
息子は無事に帰ってきた。
そして私に言った。
「勉強を優先したいから、学校を辞めたい」
