見出し画像

アマノ文筆クラブ 『恋する女は嫌いだ』

推しが出演している映画を、映画館に足繁く通い、もう数え切れないほど観てる。
推しがリリースしたアルバムを、保存用だ鑑賞用だお布施用だと言って何枚も購入する。
他にも、グッズを買い漁る。
ライブがあれば、新幹線や飛行機を駆使して、どこまでも出向いてゆく。
……タダじゃないからね。出費がかさむわけだ。
子供の学費が家計を圧迫しても、推しにかかるお金は別会計。
いやいや、それもこっちに……ああ、ダメなのね。
推しをもっと輝かせないといけないからね。
俺の息子みたいな歳だけどね。
十分輝いて、十分潤っているような気もするけど。
ずいぶん儲かってるんじゃない?
売れてるもんね、歩合制かどうかも知らんけど。

ねえねえあのさ、好きなものを追い求めるのって幸せだよね。
たとえそれが自分のものにはならなくても、追い続けてるその瞬間が一番楽しいのかも。
分かるよ、分かるけどね、人生ってさ、まずは自分の生活のリアルがあるじゃない?
夢ばっかり見てるとさ、リアルの方が疎かになるっていうか、何か大切なものを見失っちゃう気がするんだよな。
恋に恋焦がれるみたいな妄想ムードに突入する前に、本当に一番大切なものは何か、それだけは手放さないように気を付けて。

恋する女は嫌いじゃないよ。
命短し恋せよ乙女、とはよく言ったもんだ。
でも、あれはね、「若くて美しい時間は短いのだから、後悔しないように今を全力で恋をしなさい」って意味だから。
若くて美しい……あ、いや、何でもない。
……え?
私の推しはそんなこと気にしない?
年齢とか容姿とか、そんなこと関係なく大切にしてくれる?
ああ、うん、まあ、仕事だからね。
俺でもそうする。

とにかくさ、恋することはイイことだ。
だけど、周りを巻き込まない程度に、自分で面倒見れるキャパでお願いします。
そうでないと、恋するあなたを嫌いになりかねない……あ、いや、嫌いとは言わずとも、冷たい目で見てしまいそうだから。
……ね、お嫁サンバ、もとい、俺の嫁さん。

※ぜーんぶ、フィクションです。

こちらの企画に参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。

いいなと思ったら応援しよう!