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3つのお題に空想のひらめきを

🐾お題②:「きつねの恩返し」

ある日、老爺は、罠にかかっていた狐を助けた。
その夜、老爺のもとへ、美しい女性が訪ねてくる。
一晩の宿を求められ、老爺は快く受け入れる。
もちろん、下心などない。老爺なので。

夜も更けて、女性であったはずの客人が、腕に自信のある料理を振る舞いたいと言い出し、一杯の野草粥を差し出してきた。
この時点で、その姿は完全に狐のそれに戻っていたが、本人は気付いていないらしい。
美しい女性のつもりでいるのだろう。
艶めかしい所作で、老爺に身を寄せてくる。

「おやおや、美しい女性がそんなことを。これは至れり尽くせりじゃな。実にありがたい」
「クォーン、クン」
何か言っている。
もう言葉を使うことも忘れてしまったか。
「ところであなたは、どこから来なさったのかな?この辺りじゃあとんと見かけぬが」
「クォンクォン、クゥー」
「ほう、そんなに遠いところから。それはご苦労じゃったの。どうじゃ、しばらくこの家で暮らしてみないか?こんなに美味い粥が食えるなら、ワシとしては大歓迎なんじゃが」
「クゥー」
狐は甘えるように体をスリスリしてくる。
毛並みがフワフワで気持ちいい。
尻尾など、極太の習字の筆のようだ。
モフモフしたらさぞかし癒されるだろう。
だが……これはセクハラになるのだろうか?

それからというもの、村では、畑仕事などをする老爺のそばで跳ね回る狐についての噂が飛び交った。
あんなに人懐こい狐は珍しいと。
つい先月、妻を亡くした老爺であったが、まるでその悲しみを癒すかのように寄り添う狐の姿に、あれはきっと妻の生まれ変わりなんじゃないかと言う者もいて、老爺も、満更でもないような可愛がりっぷりだったそうな。

めでたし、めでたし。

べっぴんさんじゃな

こちらの企画に参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。

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