虹色創作部 『混沌の雨に打たれて』
街は混沌としていて、僕はずっと馴染めない。
たくさんの人が目の前を通り過ぎるけど、誰も僕に意識を向けることはない。
僕はこの街の亡霊で、幻影なのかもしれない。
最近、そんな風に思う。
人の営みが文明を作り上げ、この国は、街は、発展した。
だけど、降りしきる雨を止めることは出来ない。
びしょ濡れになった体を温める毛布はあっても、お互いを温め合う存在はいない。
誰かと同じ傘の下で雨をしのぐことは、僕にも許されることなのだろうか。
この場所を離れ、家庭を築き、幸せというものの片鱗に触れる。
そんな日が、僕にも来るのだろうか。
雨に打たれて、せめてこの混沌とした世界の存続を願おう。
誰もが憎みながらも、この世界の明日に期待してる。
自分達が生み出した文明のもとで、降り続ける雨のように営み続けてる。
それぞれの生活は愛しく、苦しく、忙しく、優しく、騒々しく流れて、少年だった自分をいつしか大人に変えた。
そして今、人生の交差点に立ち、明日の行方を見つめている。
街に溶け込み、生きろ、少年よ。
成長し、手に入れた何かをもって、不条理なる孤独と闘いながら。
君は幻影なんかじゃない。
そこに立ち、命を歌い続けてる。
雨降る街の、交差点の真ん中で。
