見出し画像

トマト農家の試行錯誤。灌水時間を変えるとき、自分は何を見ているのか

灌水時間を変えるとき、自分は何を見ているのか

トマト栽培をしていると、灌水時間をどう変えるかで迷うことがあります。

結論から言えば、まず日射量を見る。そのうえで、葉先のしおれと着果負担を合わせて確認する。

水が足りなければ、葉がしおれます。
でも、水を増やせばいいかというと、そう単純でもありません。

増やしすぎると、葉が大きくなりすぎたり、樹勢のバランスが崩れたりすることもあります。

だから灌水時間は、毎日なんとなく増やしたり減らしたりするものではないと感じています。

灌水時間は、「暑いから増やす」「寒いから減らす」というより、日射量に対して、葉や果実がどれだけ水を必要としているかを見るものなのかもしれません。

まず基準にするのは日射量

灌水時間を考えるとき、最初の基準は日射量です。

日射量が多ければ、葉からの蒸散も増えます。蒸散が増えれば、樹が必要とする水の量も増えます。逆に日射量が少なければ、蒸散も少なくなります。

この大きな流れを見ずに、葉の見た目だけで灌水時間を変えると、判断がぶれやすくなる気がします。

まずは日射量を基準にして、その日射に対して樹がどう反応しているかを見る。

その順番にしておくと、灌水判断が少し整理しやすくなります。

葉先のしおれは、水が足りないサインとして見る

日射量がある中で、葉が少ししおれ気味に見えることがあります。

そのとき、自分が特に見るのは葉先です。

葉全体が大きくしおれる前に、葉先が少し垂れる感じ。

そこを、水が少し足りていないサインとして見ることがあります。

葉全体がぐったりしてからでは、少し遅い気がします。その手前で、葉先の下がり方を見る。

日射量がしっかりあるのに葉先が少し垂れているなら、灌水時間が足りていない可能性がある。そう考えて、灌水時間を見直すきっかけにしています。

ただし、葉先が垂れているからといって、すぐに大きく水を増やすわけではありません。日射量、葉の大きさ、果実のつき方を合わせて見ます。

葉が大きくなりすぎたときは、作業で樹勢を整える

葉が大きくなりすぎていると感じることもあります。

そういうときは、水で調整しようとしないようにしています。

水を増やせば樹はさらに動きやすくなりますが、葉が大きくなりすぎている状態で水を増やすと、余計にバランスが崩れることもありそうです。

だから、葉が大きくなりすぎたときは、灌水時間ではなく下葉かきなどの作業で樹勢を整えることを考えます。

水で全部を調整しようとしない。

これは、自分の中ではけっこう大事な感覚です。

灌水時間を変えるのは、大きな流れが変わるとき

灌水時間は、毎日の小さな変化で細かく動かすというより、大きな流れが変わるときに見直します。

たとえば、季節の変わり目です。

日射量が増えていく時期、逆に減っていく時期は、蒸散の量も変わります。今までと同じ灌水時間でいいのかを考えます。

もうひとつ見るのは、着果負担です。

果実が大きくなっているのに収穫までのサイクルが長くなると、果実が樹に長くぶら下がることになります。その分、樹の負担も長く続きます。

そういうタイミングでは、灌水時間を見直すことがあります。果実を太らせるために必要な水が足りているか。着果負担が続く中で、樹が持ちこたえられる状態になっているか。そこを見ながら判断します。

いきなり増やさず、少しずつ変える

灌水時間を変えるときは、いきなり大きく増やさないようにしています。

急に増やすと、樹のバランスが崩れる可能性があります。

日射量を見て、着果負担を見て、葉先のしおれを見て、少しずつ水の量を合わせていく。その方が、樹の反応を見ながら調整しやすいと感じています。

灌水時間は、数字だけを見ると単純です。

何分にするか。
何回入れるか。

でも、その数字の裏には、日射量、蒸散、葉の大きさ、果実の負担があります。だから、数字だけを動かすのではなく、樹の反応を見ながら徐々に動かす。

その感覚を大事にしたいと思っています。

葉・果実・芯のバランスで答え合わせをする

灌水時間を変えたあとに見るのは、まず葉先のしおれがなくなったかどうかです。

日射量がある時間帯でも、葉が極端に下がっていないか。そこを確認します。

ただ、それだけではありません。

水を増やした結果、葉だけが大きくなりすぎていないか。果実の状態はどうか。芯の動きは極端に弱っていないか。

しおれが消えたとしても、全体のバランスが崩れていれば、それは合っているとは言い切れません。

つまり灌水時間の調整は、水の量を動かすことより、樹がその水をどう使っているかを見ることが本質なのかもしれません。水が足りているのか、多すぎてバランスを崩していないか、着果負担に対して樹が持ちこたえられているか。

葉・果実・芯のバランスを見ながら、調整が合っているかを確認しています。

来年の自分へのメモとして

迷ったら、まず日射量を見る。葉先が少し垂れていたら、水が足りていないサインとして受け取る。

それが今の自分の出発点です。

ハウスの環境や作型によっても違うと思います。ただ、灌水時間を急に大きく変えるより、日射量と着果負担を見ながら少しずつ合わせていく方が、自分のハウスでは安定するように感じています。

来年また灌水時間で迷ったときに、ここに戻ってこられるように残しておきます。


#トマト農家
#農業
#トマト栽培
#施設園芸
#灌水管理
#栽培管理
#作業日誌
#記録術

いいなと思ったら応援しよう!