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トマト農家のメンタル管理術:作業を整え、視界をクリアにする

誘引が遅れると、トマトの姿勢も判断も崩れていく

トマト栽培をしていると、作業が少し遅れることがあります。

収穫が多い日。
天気が崩れる日。
人手が足りない日。
別のハウスで急ぎの作業が出る日。

毎日きれいに予定どおり進めたいと思っていても、現場ではなかなかそうはいきません。

ただ最近、作業の遅れは、ただの作業遅れでは終わらないと感じています。

特に誘引の遅れは大きいです。

誘引が遅れると、トマトの姿勢そのものが崩れます。

芯が倒れ、茎が曲がり、花の向きが乱れ、わき芽が伸びる。

そこから次の作業が重くなり、栽培判断まで後手に回りやすくなります。

作業の遅れは、ハウスの見え方を変えます。

そして、ハウスの見え方が崩れると、自分の気持ちにも影響します。

誘引が遅れると、まず姿勢が崩れる

作業の遅れで一番影響を感じるのは、やはり誘引です。

誘引が遅れると、成長点付近の茎が倒れてきます。

最初は少し倒れているだけに見えるかもしれません。

でも、そのままにしておくと、花の向きが変わります。

本来なら見やすい位置にある花が、上を向いたり、変な方向を向いたりする。

そうすると、光の当たり方も変わります。

温度のかかり方も変わります。

ハウス全体で見たときに、樹の流れが少しずつ乱れていくように感じます。

さらに遅れると、茎が曲がります。

倒れたまま伸びた茎をあとから戻そうとしても、まっすぐには戻りません。

曲がったところに負担がかかり、しおれや生育不良につながることもあります。

誘引の遅れは、単に「誘引作業が残っている」という話ではありません。

トマトの姿勢が崩れ、その後の生育の見え方まで変わってしまうのだと思います。

ひとつ遅れると、次の作業が重くなる

理想は、作業ローテーションを早めに回していくことです。

吊り下げ。
誘引。
わき芽かき。

こういう作業を順番に、遅れないように進めていく。

このローテーションがうまく回っていると、ハウス全体の状態も見やすくなります。

芯の高さがそろっている。
わき芽も取り遅れていない。
吊り下げも間に合っている。

そういうハウスは、入った瞬間に見やすいです。

逆に誘引が遅れると、次の作業も重くなります。

倒れたり曲がったりした茎を戻すだけで、思ったより時間がかかります。

その間に、わき芽も伸びます。

わき芽が伸びすぎてから取ると、傷が大きくなります。

傷が大きくなると、病気の入り口になりやすいのではないかと気になります。

樹勢のバランスにも影響するかもしれません。

ひとつの作業が遅れると、次の作業が重くなる。

次の作業が重くなると、さらにローテーションが遅れる。

この流れに入ると、なかなか苦しくなります。

ときには収穫より、芯の倒れを直す

作業が遅れてきたとき、自分はまず作業効率を戻すことを考えます。

遅れている場所には、重点的に力を入れます。

元のローテーションに戻すためです。

もちろん、収穫は大事です。

色づきが進んでいて、今採らないと品質に影響する場合は、収穫を優先します。

ただ、少し色づきが遅れていて、収穫を後ろに回せる場合があります。

そういうときは、芯の倒れを直すことを優先することがあります。

目先の収穫より、ローテーションを戻す方が、その後の栽培が安定することがあるからです。

芯が倒れたまま進むと、茎が曲がります。

花の向きも乱れます。

わき芽も伸びすぎます。

吊り下げも遅れます。

その状態でハウスを見ると、どこから手をつければいいのかが見えにくくなります。

だから、収穫を少し後ろに回せるなら、まず芯を起こして、姿勢を戻す。

そういう判断をする場面があります。

作業が追いつくと、ハウスが見やすくなる

ローテーションが戻ってきたと感じるのは、ハウスが見やすくなったときです。

誘引が間に合っている。
わき芽も取れている。
吊り下げも間に合っている。
芯の高さがそろっている。

こういう状態になると、樹の状態が判断しやすくなります。

芯が強いのか弱いのか。
葉が多いのか少ないのか。
果実に光が入っているのか。
作業をどこから進めるべきなのか。

そういうことが見えやすくなります。

ハウスが整っていると、判断が速くなります。

逆に、姿勢が崩れているハウスでは、見るだけで時間がかかります。

倒れた芯、伸びたわき芽、曲がった茎。

それを見ているだけで、頭の中が散らかってくる感じがあります。

だから作業ローテーションを整えることは、単なる効率化ではありません。

栽培判断をしやすくするための土台でもあると思っています。

作業が遅れると、見る余裕がなくなる

作業遅れがひどくなると、トマトの状態を見誤るというより、そもそも見る余裕がなくなります。

遅れを取り戻すことに意識が向きすぎる。

今日どこまで終わらせるか。
どのハウスに入るか。
どの作業を先に片付けるか。

そういうことばかり考えるようになります。

すると、観察が遅れます。

病気の発見が遅れる。
薬散が遅れる。
管理作業が後手に回る。
栽培判断も遅れる。

作業が遅れると、すべてが後手に回りやすくなります。

これは、トマト農家ならかなり実感があるのではないかと思います。

忙しいときほど、本当はよく見ないといけない。

でも、作業に追われていると、見る余裕がなくなる。

この状態が一番こわい気がします。

ローテーションを守ることだけが目的ではない

基本的には、ある程度ローテーションを決めています。

ただし、ローテーションを守ること自体が目的ではありません。

遅れているハウスや、崩れている場所があるなら、予定を崩してでもそこを優先することがあります。

全部が遅れてしまっては意味がありません。

片付けるところから片付ける。

特に優先するのは、芯の倒れがひどいところです。

誘引が間に合っていない場所。

そのまま放っておくと、茎が曲がり、わき芽が伸び、次の作業がさらに重くなります。

だから、まずそこを戻す。

きれいなローテーションを守るより、崩れた場所を早く戻すことの方が大事な場面があります。

きれいなハウスは、気持ちも整えてくれる

作業の遅れは、メンタルにも影響します。

ローテーションが狂うと、心の余裕がなくなります。

心の余裕がなくなると、作業もうまくいかなくなることがあります。

自分は、芯がそろっているハウスを見ると気持ちがいいです。

樹勢がそろっていて、通路から見たときに流れがある。

誘引が間に合っていて、わき芽も取れていて、ハウス全体が見やすい。

そういう状態を見ると、自然と気持ちも落ち着きます。

逆に、崩れているハウスをずっと見続けるのはストレスになります。

倒れた芯。
伸びたわき芽。
曲がった茎。
どこから手をつけるか迷う状態。

それを毎日見ていると、気持ちまで重くなってきます。

だから、きれいな環境を保つことは、見た目の問題だけではありません。

栽培判断のためでもあり、自分の心を安定させるためでもあります。

作業の整いは、判断の整いでもある

作業の遅れは、ただの作業遅れではありません。

特に誘引が遅れると、トマトの姿勢が崩れます。

芯が倒れ、茎が曲がり、花の向きが乱れ、わき芽が伸びる。

そこから作業全体が重くなり、病気の発見や薬散、栽培判断も後手に回りやすくなります。

だから、作業ローテーションを整えることは、栽培判断を整えることでもあると思っています。

そして、きれいなハウスを保つことは、自分のメンタルを安定させることにもつながります。

今の自分にとって、作業の整いは、心の整いでもあります。

これが正解かどうかはわかりません。

ハウスの規模や人手、作型によっても違うと思います。

ただ、誘引が遅れたハウスに入ったときのあの焦りや、芯がそろったハウスを見たときの安心感は、同じようにトマトを作っている人ならわかる部分があるのではないかと思います。

来年の自分が作業に追われたときにも思い出せるように、ここに残しておきます。


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