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本当に面白い人を追求した結果

本当に面白い人を追求した結果

「本当に面白い人とは、誰だろう。」
男は探し始めた。
芸人に会った。
笑わせるのが上手かった。
しかし、笑いが滑る夜を恐れていた。
作家に会った。
話が面白かった。
しかし、締め切りに追われていた。
人気配信者に会った。
人を楽しませる天才だった。
しかし、再生回数を気にしていた。
「まだ違う。」
男は探し続けた。
ある日、河原で石をひっくり返している老人を見つけた。
「何をしているんですか?」
「石を返してる。」
「なぜですか?」
「裏もあるから。」
男は聞いた。
「あなたは面白い人ですか?」
「知らん。」
「人を笑わせたいですか?」
「別に。」
「じゃあ、なんで石なんか見てるんです?」
老人は石を戻して言った。
「石は、表だけ見られることが多いからな。」
男は黙った。
老人は続けた。
「裏にも虫がおる。」
「虫には、それが表じゃ。」
男は、笑うしかなかった。
何がおかしいのか、自分でも分からなかった。
帰り道。
男は「面白さの法則」と書かれたノートを閉じた。
そして最後のページに書いた。
本当に面白い人とは、面白くしようとしていない人だった。
その日から男は、
何かを面白く話そうとするたびに失敗し、
どうでもいい石の話をすると、
なぜかみんな笑った。
男は最後まで理由が分からなかった。
だから少しだけ、
面白い人になれた。

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