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相続税より怖いのは手続きが止まること~協議がまとまらない相続

お金よりも“進まないこと”が一番つらい

「相続税ってどれくらいかかるのですか?」
 
相続の話になると、まず税金のことを心配される方が多いです。
もちろん大切なポイントですし、事前に知っておくことは重要です。
 
ただ、実務の現場でよく感じるのは――
本当に大変なのは「税金」ではなく「手続きが止まること
というケースが非常に多いのです。
 
・預金が引き出せない
・不動産の名義変更ができない
・話し合いがまとまらない
 
こうした状態が続くと、
生活にも心理的にも大きな負担がかかります。
 
今回は、「なぜ相続手続きが止まるのか」を具体的に見ていきます。


「相続は全員参加」が前提です

相続手続きの基本は、
相続人全員で合意すること(遺産分割協議)
です。
 
これは法律上のルールで、
一人でも欠けてしまうと手続きが進みません。
 
たとえば、
・預金の解約
・不動産の名義変更(相続登記)
 
こうした手続きには、
原則として相続人全員の関与が必要になります。
 
つまり、
誰か一人でも動かないと、すべてが止まる
という構造になっています。


「印鑑がもらえない」で止まるケース

実務で特に多いのが、このパターンです。
「遺産分割の内容には納得しているはずなのに、印鑑を押してくれない」

理由はさまざまです。
 
・なんとなく納得していない
・感情的に引っかかっている
・忙しくて後回しにしている
 
ですが、理由が何であれ、
印鑑(実印)と印鑑証明書が揃わなければ、手続きは進みません。

ほんの小さな“止まり”が、
全体をストップさせてしまうのです。


「連絡が取れない相続人」という壁

もう一つ多いのが、
相続人の一人と連絡が取れないケースです。
 
・疎遠になっている兄弟
・長年会っていない親族
・所在が分からない相続人
 
こうした場合、話し合いそのものが成立しません。
 
このようなときは、
・家庭裁判所での手続き(調停)
・不在者財産管理人の選任
・失踪宣告
など、法的手続きが必要になることもあります。
 
ただし、どれも時間と手間がかかります。
結果として、 「手続きが長期間止まる」という状態に陥ります。


「相続人が多すぎる」とまとまらない

さらに、相続人の数が多いケースも要注意です。
 
たとえば、
・子どもが複数いる
・すでに相続人が亡くなっていて代襲相続(だいしゅうそうぞく)が発生している
※代襲相続とは、本来の相続人が亡くなっている場合に、その子どもが代わりに相続すること
 
こうなると、関係者が一気に増えます。人数が増えるほど、
・意見がまとまらない
・連絡調整が難しい
・合意形成に時間がかかる
という問題が出てきます。


「感情」が手続きを止めることもある

法律的には問題がなくても、
感情的な部分で止まることも少なくありません。
 
・過去のわだかまり
・介護の負担の偏り
・お金の使い方への不信感
 
こうした要素が重なると、
「内容の問題ではなく、気持ちの問題」で進まなくなります。
 
相続は“人の問題”でもあるため、
ここを無視して進めることはできません。


ではどうすればいいのか?

結論はシンプルです。
「相続人」「財産」「連絡体制」を事前に整理しておく
 
具体的には、
・相続人が誰なのかを把握しておく
・財産の内容を一覧化しておく
・家族間である程度の方向性を共有しておく
 
これだけでも、手続きのスムーズさは大きく変わります。
 
さらに、
・遺言書の作成
・専門家の関与
によって、止まるリスクを大きく減らすことができます。


止まらない相続にするために

相続は、「分けること」よりも
「進められる状態にしておくこと」が重要です。
 
どんなに良い分け方でも、
・印鑑が揃わない
・連絡が取れない
・話し合いができない
となれば、すべて止まってしまいます。
 
逆に言えば、
「止まらない状態」を作ることが、最大の相続対策です。


今日のまさはるポイント!

① 相続で一番大変なのは「手続きが止まること」
② 相続は全員の合意が必要で、一人でも欠けると進まない
③ 印鑑・連絡・相続人の問題で止まるケースが多い
④ 感情的な対立が手続きを止めることもある
⑤ 事前の整理と準備で「止まらない相続」を作れる


少しでも気になることがあれば、
まずは現状を整理するところから始めてみてください。

揉めてからでは遅いことがあります。
家族とお金の問題で迷ったときは、
東京・南大塚の弁護士 金子昌晴へご相談ください。


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