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手放す覚悟の先に、思いがけないチャンスがあった― 50代女性がライフとワークの狭間で選び直したこと

いったん辞めると決めた


「辞めたい。でも、辞めたらキャリアが終わる気もする」

そんな状態が、しばらく続いていました。

昨年秋、私は会社を辞めようと思っていました。
転職ではなく、いったん仕事から離れる形、完全なキャリアブレイクです。

そう覚悟を決めるほどには、
もう限界でした。

「ここまで来たら、辞めてみよう」
「いったん落ち着いてから、また先のことを考えよう」
そんなふうに、静かに腹をくくった時期でした。


時間も体力も、少しずつ失っていた

残業が多く、自分の時間も、家族との時間も、ほとんどない日々。
疲れは確実に蓄積し、体調も少しずつ崩れていきました。

転職して3年。仕事にも会社にも慣れ、一定の評価もいただいていました。
生成AIを活用して複数部門の業務変革を進める仕事。
前例のない業務をつくり、チームを立ち上げ、新規メンバーも増えていきました。

やりがいはありました。

でも、やりがいがある仕事ほど、
「限界に気づくのが遅れる」こともあるのだと思います。

続けるほどに、
何か大切なものが、少しずつ削られていく感覚が消えませんでした。

上司に相談して、一時的に業務調整しても、大きく状況は変わりません。

ある時期、在宅勤務だというのに、
子どもと一言も話せない日が何日か続きました。

そのとき、ふと、思ったのです。

「あ、これは違うな」と。

そして、働く環境を変えられないか、検討を始めました。


動けない日々

しかし、その頃、転職活動を前向きに進められる状態ではありませんでした。

平日は仕事で精一杯。
土日は回復するだけで終わる。

求人票を開いては閉じる。それだけの日々。

年齢の現実も、はっきり突きつけられました。
前回の転職でお世話になった転職エージェントからは、
「50代でも転職はできます。でも、書類が通るのは、数十件に1〜2件だと思ってください」
という厳しいお言葉。

紹介される案件・企業からのスカウト案件は、責任が重く、負荷も高そうなものばかり。
「給料を下げていいから、ワークライフバランスを重要視して、もう少し穏やかに働きたい」
そう伝えても、その前提での選択肢は、ほとんど提示されませんでした。

転職エージェントの選び方が間違っていたのかもしれません。
あるいは、「立ち止まりたい人」の選択肢は、
まだ少ないのかもしれない。

一般的な転職は、「給料アップ」「キャリアップ」が前提なのだと、改めて感じました。

そして、下記の記事に記載したようなステップで自分に向き合い、夫と相談して、「いったん、会社を辞めてみよう」と、キャリアを完全ストップする覚悟をしたのでした。



覚悟を決めた後の変化

まず、上司に、会社を辞めようと思っていることを伝えました。

有難いことに引き止めていただき、業務量を減らして様子を見ることになりました。
(必ず引き止めなければならない、というルールがあるのかもしれませんが)

本気で辞める覚悟でお伝えしたことで、業務もだいぶ減らしてもらえました。

それでも、はっきり分かったことがあります。
評価されていることと、続けられることは、やはり別だということ。


覚悟を揺らす、子供の一言

ある夜、下の子に、「会社を辞めようと思ってるんだ」と話しました。

一緒にいる時間が増えるので、「わーい!」と喜んでくれるのかと思っていました。
でも、子どもは不安そうに、こう言いました。

「お金、大丈夫?」
「本当に、ママはそれでいいの?」

現実的なその一言に、胸を突かれました。

夫と相談し、お金のシミュレーションは実施済み。
数字上は、問題ないことは確認済みでした。

それでも、覚悟を決めたはずの心は、少しまた揺れ始めていました。

子どもとの時間を増やしたいという思いは、
ただの自己満足なのだろうか。

どこまでが、自己犠牲なのだろうか。


覚悟を決めたあとに出会った、思いがけない話

そんなとき、
LinkedInというSNSを通じて、ある会社から声をかけてもらいました。

LinkedInは、仕事・キャリアに特化したSNSです。
経歴を公開し、人や企業とつながる場所です。

私は、以前たまたま知り合いから誘われて登録し、時々投稿していました。

これまでも、LinkedInを通してのオファー・カジュアル面談のお声がけはありました。
ある日、その中の一つに、目が留まった案件がありました。

  • フルリモート

  • 責任範囲は明確

  • やりたかった仕事

  • 残業は基本なし

  • お給料も、想像よりずっと良い

ただし、勤務形態は、正社員ではありませんでした。

最初に思い描いていた道とは、少し違う。
でも、今の自分には無理がなく、むしろ自然に感じられました。

世間知らずで、正社員としてしか働いてこなかった私にとって、これは未知の選択です。
この先、もう正社員に戻れないかもしれないという不安もありました。

それでも思えたのです。

「こうあるべき」よりも、
「今、続けられるかどうか」を基準にしていい
のではないか、と。

そして、その後お話を進めていただき、面接を受け、
無事内定をいただきました。


最初の答えとは違っても、前に進めた


完全に仕事をやめる覚悟を決めたとき、
結果として、別の形のチャンスが見えてきました。

それは、自分がSNSで少しずつ発信していたから。
相手が私を認知してくれたから。

そして何より、
私自身が、何かを手放す覚悟をして、
「チャンスを受け取れる状態」になっていたからだと思います。

もともと積極的に転職を想定してSNSをやっていたわけではありませんでした。
でも、結果として偶然から新しい道を得ることができました。

思い描いていた道とは、少し違います。
でも、確実に前に進む一歩ではあります。

この先、正社員に戻らないかもしれません。
何か問題が発生するかもしれません。
不安がゼロになったわけでもありません。

それでも今は、こう思っています。

何かを手放す覚悟を決めたとき、
初めて見える景色がある。

私は、やっとその入口に立てたのかもしれません。

これからの時間を、どんな働き方で生きていきたいか——
あなたは、もう一度選び直すとしたら、何を大切にしますか。
そして、手放してもいいもしれないものは、何でしょうか。


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