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メンタル不調だと思っていたら、身体の病気だった——そんなこと、あります

「最近、なんか元気がない」「食欲もないし、朝がつらい」「気力が全然わかない」

そんな状態が続いていて、「ひょっとしてうつかな…」と不安になっている方は少なくないと思います。

でも実は——精神科外来に「うつかもしれない」と来院される方のなかに、身体の病気が原因だった、というケースがそれなりにあります。今日はそんな話を。



甲状腺が「うつ」に見えることがある

甲状腺って、聞いたことありますか?首の前にある小さな器官で、全身の代謝を調節するホルモンを出しています。

この甲状腺の働きが落ちると——倦怠感、気力の低下、抑うつ、記憶力の低下、体重増加——これ、うつ病とほぼ同じ症状なんです。

外来で実際に経験したことがあります。「3か月ほど気力がなくて…」と来院された患者さんの血液検査をしてみたら、甲状腺機能低下症でした。内分泌科に紹介して治療を開始したところ、数か月後にはすっかり元気になられていました。

逆に、甲状腺が過剰に働く(バセドウ病など)と、動悸・不安・イライラ・不眠が出て、パニック障害と間違われることもあります。

血液検査(TSH・FT4)で分かるので、「もしかして」と思ったら一度調べてみる価値があります。


「なんとなくしんどい」の原因が鉄不足だったりする

これ、意外と多いんですよね。

特に女性に多いのですが、鉄欠乏性貧血が「倦怠感」「気分の落ち込み」「集中力の低下」の原因になっていることがあります。

面白いのが、ヘモグロビン(血色素)の値が正常範囲でも、フェリチン(貯蔵鉄)が低いだけで症状が出る方がいること。「貧血ではない」と言われた方でも、フェリチンまで調べてみると低かった、というケースがあります。


更年期——女性だけじゃなく男性にも

40代以降の女性では、更年期障害による「ほてり・不眠・抑うつ・イライラ」がうつ病ととても似ていて、見分けが難しいことがあります。

あまり知られていませんが、男性にも「男性更年期(LOH症候群)」があります。テストステロンというホルモンが緩やかに低下することで、気力の低下・抑うつ・集中力の低下が起きます。「仕事が忙しいせいかな」「歳のせいかな」で終わらせずに、ホルモン値を測ってみると原因が分かることがあります。


がんが「うつ」に見えることもある

これは少し怖い話になりますが、大切なことなので書いておきます。

膵がんや肺がんでは、診断が確定する前から抑うつや不意の気分の落ち込みが現れることがあることが、医学文献で報告されています。がんが出す炎症物質が、脳の働きに影響を与えるからと考えられています。

うつ症状のある方全員にがんを疑うわけではありませんが、急激な体重減少・長引く発熱・夜中の寝汗・特定部位の痛みなどが一緒にある場合は、身体の検査が必要です。


「検査で異常なし」でも、症状が本物なら

検査しても何も見つからないのに、ずっと体がつらい——これ、「気のせい」ではありません。

「身体症状症(旧・身体表現性障害)」といって、脳の感覚処理の問題として理解されている状態があります。精神科・心療内科的なアプローチ(認知行動療法や薬物療法)が有効なことがあります。

「どこに行っても異常なし、でもつらい」という方も、ぜひ一度ご相談ください。


精神科や心療内科は、精神症状だけでなく、その背後にある身体的な原因も一緒に考える場所です。「うつかも」「なんとなく調子が悪い」という段階から、気軽にご相談いただければと思います。

シティライトクリニック 心とからだ(新宿)でお待ちしています。

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