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sanagonhappy
ああ、あの人はもういないんだ
昭和生まれです。
祖母は大正時代生まれでした。
母子家庭だったので夏休みなどは祖母の家にずっと預けられて、田舎での生活を送っていました。
祖母はなかなか豪快な人で、ある日散歩していると、突如姿を消して、、私が探しまくっていると路傍の草むらにしゃがみ込んでいて、『あっちいけ』と。
心細いのでそれでも近くに寄ると、、、、野ション中でした。
女の人でも外でトイレするんだ!と衝撃を受けました。
また、ある日の昼下がり、居間で二人ぼんやりしていると、裁縫箱からスッ、とセブンスターを取り出し、百円ライターで火を灯け、スパーッと煙を吐き出したのです。
カッコ良かった。
母親が喫煙していなかったし、時代的に女性の喫煙が珍しかったのでびっくりして見ていると
『じいちゃんには内緒な』
と言って、、また煙をプカリ。
母にその事を言っても絶対に信じてくれませんでした。
また、祖母は生き物が好きで、犬と猫を飼っていたのですが、猫が部屋で粗相した時に、猫の頭をわしづかみ、粗相した箇所に顔を押し付け、ゴンゴンと床に押し付けました。
祖母は手が大きく、がっしりつかんだ猫の頭蓋骨が割れるのではないか? と、心配したものです。
全く昔は荒っぽい時代でした。
そんな祖母の作るおはぎは絶品で、あんこの硬さ、甘さ、しっこりした凝集感などすべてが素晴らしいのです。
やがて祖母は施設に入り、呆けて、程なくして亡くなった時、私の頭には
ああ、あのおはぎは、、もう食べられないんだなあ
という想いが浮かんできたのでした。
あのおはぎが、今後私が死ぬまで味わえないっていうことが、人が亡くなったという事実を嫌というほど味わわせてくれたなんて。
でも、それが一番、人の死を悼む真摯な心のあり様なのかもしれません。
