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人それぞれですが、映画鑑賞前、ある程度、予備知識な情報を入れてから映画を観るタイプと予告編はおろか、一切情報を入れずに観るタイプの2つのタイプがあります。
個人的な見解として、映画を観馴れているか否かは意外と重要かもしれません。

アシスタント時代に師事した監督から「映画は画(え)で見せるから映画なんだよ。言葉や文字で表すなら小説を読めば良いんだ」という薫陶を受けた自分には、作中の台詞は画を引き立てる為のものであり、さらに同時に別の層としての画を挿し込める事も可能にする、説明とは違う想像性とリンクした映画的センテンス(文章、言葉)なのだと徐々に理解が深まっていきました。
加えて、映画ならではの技法における時系列の交錯、マジックリアリズム(幻想空間を現実と解釈する)を用いた作品があります。映画を観馴れていない人には理解が覚束なくなる可能性をはらみます。
案外、全ての筋まで予めレクチャーされることで理解しながら映画を楽しめる方法を見出だせる、予備知識を入れておくに越したことがないという方も実はいて不思議ではありません。

では本来の映画の楽しみ方として、私見ですが確かに映画の種類や傾向によりけりではありますが、やはり作品理解は後から付いてくるもので、それよりも感じるものであって欲しいと思うところはあります。
画への没入感こそ、作品世界観への没入感に他ならないからです。まずはその点が試されます。説明的でないからこそ主観がどこに、誰にあるかも想像していく流れが表現の面白さであって良いのです。
最近あまり観ていないのですが、一般的にテレビドラマはあくまでも分かりやすく説明的です。テレビドラマを観すぎると、映画のテンポがジャンルタイプですら退屈に思えてくるでしょう。

大きいスクリーンで観る+素晴らしい音響に合った映画作品を作り手側はほぼ想定しているはずです。故に映画という独特な映像鑑賞体験が特別なものになります。そこから‘感じる’という意味が多少伝わるかと思います。

シネコンとミニシアターで観る最適な映画のタイプを知ると、感覚の使い分けが出来るようになります。
例えば、スティーブン・スピルバーグやクリストファー・ノーランの監督作品はシネコンで観た方が良いという選択があります。シアター空間の設備とキャパシティーに堪えうる作品のダイナミズムが比例しているのです。勿論ミニシアターでも堪能できますが、巨大スクリーンと奥行きのある空間で観る方がハリウッド第一線の作品はより楽しめるものだと思います。結果、先程来からお話ししている、感じられる体感性が高くなりやすいことが示唆されます。
一方、ヨーロッパトーンの映画では心象風景が自ずと折り紙付きで想定されます。こうしたタイプはミニシアター系の真骨頂です。

映画を観るに予備知識を入れるか入れないか、実はそこから既に鑑賞体験は始まり、感覚が試されているのかもしれません。

漁港口の映画館 シネマポスト 次回上映作品『ヴィヴァルディと私』のご紹介(8月15日公開)】

2025年製作/110分/G/イタリア・フランス合作
原題または英題:Primavera
配給:彩プロ
劇場公開日:2026年5月22日
【スタッフ】
監督:ダミアーノ・ミキエレット
製作:ニコラ・ジュリアーノ、フランチェスカ・シーマ、カルロッタ・カローリ、ビオラ・プレスティエリ
原作:ティツィアーノ・スカルパ
脚本:ルドビカ・ランポルディ、ダミアーノ・ミキエレット
撮影:ダリア・ダントニオ 美術:ガスパーレ・デ・パスカーリ 衣装:マリア・リータ・バルベラ 編集:バルテル・ファサーノ
音楽:ファビオ・マッシモ・カポグロッソ
【キャスト】
チェチリア/テクラ・インソリア
アントニオ・ヴィヴァルディ/ミケーレ・リオンディーノ
監事/アンドレア・ペンナッキ
院長/ファブリツィア・サッキ
ラウラ/イルデガルド・デ・ステーファノ
マリエッタ/コジマ・チェントゥリオーニ
アニェーゼ/フェデリーカ・ジラルデッロ
カテリーナ/レベッカ・アントナーチ
マッダレーナ/キアラ・サッコ
デンマーク国王/ミコ・ハーリー
エリザベッタ・パロリンバレンティーナ・ベッレ
サンフェルモ/ステファノ・アコルシ

18世紀初頭、作曲家ヴィヴァルディがベネチアのピエタ院にバイオリン教師として赴任した実話を題材に、彼の指導のもと才能を開花させていく孤独な少女の成長と、己の才能が評価されることを渇望するヴィヴァルディの内なる野望を描いたドラマ。

イタリアのテレビドラマ「アート・オブ・ジョイ」で注目されたテクラ・インソリアがチェチリア、「眠れる美女」のミケーレ・リオンディーノがヴィヴァルディを演じた。監督・脚本を手がけたのはイタリアを代表するオペラ演出家で、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開・閉会式でクリエイティブディレクターを務めたダミアーノ・ミキエレット


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