新宿 映画館 歌舞伎町——トー横キッズが集まるゴジラビルの場所で、俺は14歳から映画を観ていた
トー横キッズという言葉を知っているか。
TOHOシネマズ新宿——通称ゴジラビル——の横に集まる若者たちのことだ。居場所を失った10代が、歌舞伎町の路地に集う。2021年頃から社会問題として報道され始めた。
俺はその場所で、14歳から映画を観ていた。
14歳、逆シャアと新宿
1988年3月12日。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が公開された。

俺は14歳だった。中学2年生だ。
新宿の松竹系の劇場に向かった。今のゴジラビルのエリアから歩いて数分の場所だ。コマ劇場が健在だった頃の話だ。
スクリーンの前に座って、アムロとシャアの最後の戦いを観た。
「宇宙世紀0093 君はいま、終局の涙を見る…」
キャッチコピーが胸に刺さった。14歳の俺には、その重さの半分も理解できていなかったと思う。それでも観た後、しばらく立ち上がれなかった。
映画というものの引力を、初めて本当に感じた日だった。
23歳、エヴァの行列と新宿
1997年7月19日。
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が公開された。
俺は23歳だった。
新宿の映画館に並んだ。行列はコミケ並みだった。エヴァファンが全国から集まっていた。アニメの社会現象というものを、行列の長さで実感した日だ。

スクリーンを観終わって、俺は何も言えなかった。
隣に一緒に観た人間がいたとしても、たぶん同じだった。あの映画は、一人で消化するしかない体験だった。
コマ劇場があった時代の新宿
俺が20〜30代の頃、新宿歌舞伎町には映画館が密集していた。
新宿コマ東宝——コマ劇場地下の映画館。東宝邦画系の作品がかかった。

新宿プラザ劇場——1,044席の大劇場。スター・ウォーズ全作を上映した国内唯一の劇場だ。

新宿ミラノ座——1,064席。歌舞伎町のシンボルだった。2014年12月31日に閉館した。

新宿武蔵野館——1923年創業。ミニシアターの聖地。ここでしかかからない映画がある。

新宿シネマカリテ——2012年開館。武蔵野館の姉妹館。毎夏「カリコレ」でホラー・カルト映画が集まった。2026年1月に閉館した。

この街で、映画を観ることが生活の一部だった。
Facebookサークルと、週4本の生活
2009年頃。
Facebookの映画サークルに入った。都内近郊の映画好きが集まるグループだ。

週末のルーティンが決まった。
土曜日:昼1本、夜1本。 日曜日:昼1本、夜1本。
1週間で4本。全部劇場で観る。
映画が終わると2次会がある。居酒屋や定食屋で、観たばかりの映画について話す。感想を言い合う。解釈をぶつけ合う。
「あのシーンはどういう意味だ」「監督の意図はここにある」
40代のおじさんたちが、映画について本気で議論した。
その後、mixiで知り合った映画仲間とも一緒に観るようになった。
ミニシアターの暗闇の中で育った縁だ。

葬式に来てくれた映画仲間
親父が死んだ。
葬式に、映画仲間が来てくれた。
映画を一緒に観た縁だけで繋がっていた人間が、葬式に来た。それだけの縁だった。映画が人間を繋ぐというのは、俺にとって比喩ではない。実際に起きたことだ。
その人たちとは今、一切交流がない。
Facebookサークルは解散した。mixiは廃れた。プラットフォームが変わるたびに、縁が切れていった。
トー横キッズが集まる場所
2008年12月31日。
新宿コマ劇場が閉館した。プラザ劇場も同日に閉まった。歌舞伎町の映画街が一夜にして変わった。
跡地に何年も更地が続いた。
2015年4月。TOHOシネマズ新宿がゴジラビルに開業した。12スクリーン2,500席の都内最大級のシネコンだ。
そのビルの横に、今はトー横キッズが集まる。居場所を失った10代が、同じ場所に集う。

俺が14歳で映画を観たエリアと、トー横キッズが集まるエリアは、同じ歌舞伎町だ。
時代が変わっても、居場所を求める人間はいる。形が変わっただけだ。
バルト9というアニメの聖地

新宿には今もマニアックな映画ファンが集まる場所がある。
新宿バルト9という映画館がある。2007年開館。新宿三丁目イーストビルの9階だ。
「眠らない映画館」を標榜する。9スクリーン1,807席。ライブビューイングやイベント上映に強い。
アニメ映画のマニアックな上映を積極的にかける映画館だ。パトレイバー劇場版のリバイバル上映もここで行われた。
逆シャアを14歳で観た俺が、数十年後にパトレイバーのリバイバル上映をバルト9で観る。同じ新宿で、同じ作品の時代が繋がっていく。
映画について語り合える場所を作りたい
mixi・Facebook・そしてX。
プラットフォームが変わるたびに、映画仲間との縁が切れてきた。
葬式に来てくれるほどの縁が、今は一切ない。
映画を観ることはできる。でも観た後に、本気で語り合える場所がない。140文字では足りない。アルゴリズムが会話を分断する。
俺が縁側を作った理由の一つはここにある。
映画について自由に語り合える。映画に限らず、人生について話せる。そういうコミュニティを作ることが、今の俺の夢だ。
14歳で逆シャアを観た日から、ずっとそれを探してきた。
縁側マガジンはその入口だ。フォローするだけで紹介される。義理堅さだけで回る場所だ。
映画をデータで断言するシリーズはここにある。
「シャアの反乱は正しかったのか」——37年間の問いに答えた。
「ほむらは正しかったのか」——13年間の問いに答えた。
「レゼはデンジを愛していたのか」——7年間の問いに答えた。
「FFOという設計判断は正しかったのか」——45年のレガシーをデータで断言した。
パトレイバー EZY 考察——「押井守なしのパトレイバー」は成立するのか
#新宿映画館 #歌舞伎町 #トー横キッズ #新宿武蔵野館 #シネマカリテ #逆襲のシャア #エヴァンゲリオン #映画ファン #52歳 #ミニシアター
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難解作品の謎をPythonでデータ解析して、誰も答えを出せなかった問いに答え続けています😭 それでも有料記事は売れてない。次の食事の事はわからない。目の前の一食分のもやし(一袋30円)ください🙇