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『ミッドサマー』考察|ペレはなぜダニーたちをホルガに連れてきたのか【先生、あれ何だったんすか?】

映画を観た後、ずっと気になっていた「あの場面」の意味。 全ての映画を観た男「シネマ先生」(55)と、配信世代の大学生「トック」(19)が、たった一つの問いを掘り下げます。


🎤 トック:先生。『ミッドサマー』のペレって、ずっといい奴っぽかったじゃないすか。ダニーの誕生日を唯一覚えてて、似顔絵まで描いてくれて。でも結局あいつ、何だったんすか?

🎬 シネマ先生:スカウトだよ。——最初から、生贄を連れてくるのがペレの仕事だった。

🎤 トック:……え。じゃああの優しさ、全部演技だったんすか?

🎬 シネマ先生:ここが厄介なところだ。おそらく演技じゃない。ペレの優しさは本物だ。だが同時に、彼にとって「友人をホルガに差し出すこと」と「友人に優しくすること」は矛盾しない。なぜならペレはホルガで育った人間だからだ。ホルガでは死は穢れではなく栄誉だ。神に捧げられることは、最高の贈り物ですらある。ペレは本気で、友人たちに「いいもの」を与えているつもりだ。

🎤 トック:……それ、めちゃくちゃ怖くないすか。悪意がないのに人を死なせるって。

🎬 シネマ先生:そうだ。悪意のある人間は見抜ける。だが「善意で人を差し出す人間」は見抜けない。——思い出してみろ。ペレがダニーに「自分も両親を亡くした」と語る場面があるだろう。あれも嘘じゃない。本当に失っている。だからダニーの痛みがわかる。わかるからこそ「ホルガに来れば救われる」と信じて誘っている。あの善意の純度が高いほど、罠は深くなる。

🎤 トック:あ——。だからダニーはペレだけ信じたのか。本当にわかってくれる人だと思ったから。

🎬 シネマ先生:アリ・アスターが描いたのは、「優しい人について行った先が地獄だった」という話だ。ペレは映画の中で最も優しく、最も危険な人物だ。

🎤 トック:でも先生、これって先生の解釈っすよね。他の見方もあるんじゃないすか?

🎬 シネマ先生:もちろんだ。ペレはダニーに恋愛感情を持っていて、クリスチャンから引き離すために村に招いたという読みもある。事実、メイクイーンに選ばれたダニーにキスをする場面がある。「生贄の調達」と「恋心」の両方が本当で、ペレ自身その境界がわからなくなっている——という解釈もできる。どちらが正しいかは決まっていない。君の読みがあるなら、それが君にとっての正解だ。


👉 この映画をもっと深く掘り下げた漫談はこちら: シネマ先生とトックの映画漫談 #05 『ミッドサマー』── 太陽の下で関係が死ぬ話

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