『となりのトトロ』考察|サツキとメイはラストで影がないのはなぜか【先生、あれ何だったんすか?】
映画を観た後、ずっと気になっていた「あの場面」の意味。 全ての映画を観た男「シネマ先生」(55)と、配信世代の大学生「トック」(19)が、たった一つの問いを掘り下げます。
🎤 トック:先生。ネットで「トトロは死神」っていう都市伝説あるじゃないすか。ラストでサツキとメイに影がないとか、実は二人とも死んでるとか。あれ、何だったんすか?
🎬 シネマ先生:結論から言おう。あれはデマだ。スタジオジブリが公式に否定している。
🎤 トック:あ、そうなんすか。じゃあ影がないのは?
🎬 シネマ先生:作画の都合だよ。ラスト近くの場面は夕方の逆光で、全体的に影の描写が省略されている。サツキとメイだけでなく、他のキャラクターにも影がない場面がある。スタジオジブリは公式サイトで「サツキとメイは死んでいません」と明言している。
🎤 トック:じゃあなんであの都市伝説、あんなに広まったんすか?
🎬 シネマ先生:それこそが面白い問いだ。——宮崎駿氏はこの映画で「子供が大人の世界の不安に触れる瞬間」を描いている。お母さんの病気、引っ越しの孤独、メイの失踪。観ている側は無意識にその不安を感じ取っている。だから「実は死んでいた」という物語がぴたりとハマるように感じてしまう。あの都市伝説が広まったのは、映画が「子供時代の不安」をそれだけ正確に描いていた証拠なんだよ。
🎤 トック:あ——。嘘なのに本当に聞こえるのは、映画が本物だからってことすか。
🎬 シネマ先生:そういうことだ。宮崎駿氏が怒るのも無理はない。あの映画は「死」の物語ではなく「生きている世界のすぐそばに、不思議なものがいる」という話だ。トトロは死神ではなく、子供にしか見えない世界の住人だ。あの映画の本当の怖さは都市伝説ではなく、「大人になると会えなくなる」ということのほうだよ。
🎤 トック:……先生、それ地味にきついっすね。
🎬 シネマ先生:ああ。だから大人が観ると泣くんだ。
🎤 トック:でも先生、これって先生の解釈っすよね。他の見方もあるんじゃないすか?
🎬 シネマ先生:もちろんだ。都市伝説はデマだが、「トトロは子供が極限の不安の中で生み出した想像上の存在だ」という読みはある。メイが迷子になった恐怖、お母さんが死ぬかもしれないという不安——その極限状態で子供の心が呼んだものがトトロだ、という解釈だな。ファンタジーかイマジナリーフレンドか。その読みの違いは、君自身が子供時代をどう覚えているかで変わるだろう。
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