【チュプキのひと押し】コロナ禍×地方移住『サンセット・サンライズ』
上映作品をもうちょっと具体的に紹介したい、推したい、観るか迷ってる方の背中をちょいと押したい。そんな気持ちから不定期更新しております【チュプキのひと押し】。こんにちは、シネマ・チュプキ・タバタのひと、池田です。
今回「ひと押し」したい映画は、5月17日(土)から上映の『サンセット・サンライズ』。封切りは4ヶ月前ですが、レビューサイトなどでも評判の高かった本作、観そびれていた方も案外多いかもしれません。チュプキでは今回、上映期間直前にスタッフ試写を開催。口々に「いい映画!」「おもしろかった!」という声が飛び交っておりましたので、代表して推させていただきます。

舞台は宮城県南三陸の港町。震災の爪痕も深く残るこの地に、釣り好きのサラリーマン・西尾(菅田将暉)が「4LDK/家賃6万円」という破格の物件につられて東京から「お試し移住」してきます。この物件、役場で空き家問題を担当する職員・百香(井上真央)が自分の持ち家を手始めに出したというもので、本来めでたしめでたしなのですが、問題は「東京の人間」が「地方」にやってきた、そのタイミング。2020年2月。——そう、新型コロナウイルスの脅威が世界中を翻弄し始めたまさにその時だったのです。
というわけでこの『サンセット・サンライズ』、まず一つの大きな見どころは、薄れかけたコロナ禍の記憶を呼び覚ましてくるあれやこれや。コロナ禍描写が含まれる作品は渦中の頃からありましたが、2025年にあらためて見るそれは、よりさまざまなことを思い出させてくれます。食事の時にマスクを外したら「そんな顔してたんだね」と言われたこと、オンライン飲み会で一人だけ画面固まってる人いがちだったこと、他にもちょっとした仕草の数々。これまでにないくらい細かいディテールで記憶が蘇りました。
「東京の人間」である西尾と「遭遇」してしまった町の人たちが主に序盤でとるリアクションも、ドタバタと描いてはいるものの決して過剰演技ではなく、いや実際そうだったよねと、少し懐かしい気持ちも混じりながら唸らされます。もう10年もすれば、これらの描写がピンとこない世代も増えてくることでしょう。『サンセット・サンライズ』のあのコロナ禍描写、ギャグでもなんでもなくて本当にああだったんだよ、と書き残しておきたい。
加えて本作は、触れずにはいられない震災のこと、過疎化に伴う空き家問題のこと、その地に「生まれた人」と「生まれなかった人」のこと、「家族のかたち」のことなど、エンターテインメントとしてのバランスを保ちながら139分たっぷりじっくりと編み込まれており、流石のクドカン脚本です。
さらにもう一つの見どころは、これでもかと登場しまくる美味しそうな海の幸。チュプキでは15時40分からという微妙なお時間なのですが、忠告させてください、空腹状態で観るとたいへんなことになります。ある程度はお腹に入れてからご来館いただくことをおすすめします。なお映画が終わると夕飯時になりますので、商店街のお店だと「旬彩キッチン 味魚菜(みとな)」さんや「ダイニングバール がじゅまる」さんなどが、お口の気分に合うかもしれません。
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そんな『サンセット・サンライズ』の上映は、5月17日(土)~5月30日(金)の約二週間、お時間は連日固定の15時40分(~18時04分)です。水曜日のみ、定休日で休映となりますのでご注意ください。
シネマ・チュプキ・タバタは、JR山手線・京浜東北線「田端駅」徒歩7分ほど、商店街の中にある【全20席】の小さな小さな映画館です。ご案内はご予約の方優先となっておりますので、事前のご予約をいただけますと確実です。ネット予約のほか、お電話・FAX等でも受付しています。詳細は以下のリンクをご参照ください。
また、当館では全ての映画に「日本語字幕」「イヤホン音声ガイド」がございます。『サンセット・サンライズ』は東北の強い訛りもたくさん出てくる作品。字幕があるとわかりやすいです! 音声ガイドは無料貸し出しのイヤホンにてお聴きいただけるほか、アプリ「HELLO! MOVIE」にも対応しております。
それでは、映画館でお待ちしております!
スタッフ池田でした。
