緑に誘われて、木道へ —初夏の水口谷湿原をゆく—
今日は高原の自然館で、来館者対応日。開館前に、どんな花が咲いているかな?どんな鳴き声がするかな?と確認にいくのが、業務でもあり楽しみでもあります。車で行き来するだけではわからない季節のうつろいや、小さな気づきが、毎日を豊かにしてくれます。いいところにすんでるな〜。
風と緑の中へ
水口谷(むなくとだに)湿原を、ほんの少し歩いてみました。
やさしい風が通り抜け、なんともさわやか。濃くなった緑に囲まれながら、まずは遊歩道、そして木道を進んでいきます。


今の主役 ― 白く咲くウツギ
白い花が木々の中でもひときわ目立つウツギ。まるで小さな灯りがともっているかのようです。
「空木」の名は、枝の中が空洞であることに由来し、「卯の花」とも呼ばれます。
万葉集にも詠まれる卯の花:
「卯の花の 咲きたる野辺を 行きめぐり かき折りかざし なづみ来る子ら」(巻八・一五〇六番)
現代語訳:
“卯の花が咲いている野辺を行きめぐり、枝を折って髪や頭に飾りながら、疲れた様子で戻ってくる子どもたち”

足元にはバイケイソウ
ふと足元を見ると、青緑の葉が鮮やかなバイケイソウの姿が。
学名は Veratrum album subsp. oxysepalum。薬用植物「梅蕙」に似ていることが名前の由来ですが、強い毒性があるため要注意。
触るだけでは害はありませんが、観察は見るだけがよさそうです。



ひとやすみ
葉の上では、ニホンカワトンボが羽を休めています。
半透明の翅が陽に透けて、とても涼やかな印象。

実をつけ始めた植物たち
エンレイソウやクロモジ、カラコギカエデが花のあとに実をつけていました。
季節の移ろいが、静かに、でも確かに進んでいます。



控えめに咲く、下向きの花たち
オオナルコユリやエゴノキの花が、うつむき加減に凛と咲いています。
そっとのぞきこんでみると、思わず声が出るほどの華やかさ。


静けさの中で
水口谷湿原の初夏は、静かにいきものたちがきらめく季節。
ほんの少し歩くだけでも、たくさんの自然との出会いがある――
そんな豊かさに、心がほどけるひとときでした。
もっと知りたい方へ
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👉 西中国山地自然史研究会
