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皇室典範改正における附帯決議の重みについて問う|参議院皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会 谷合正明(2026.7.15)

皇室典範改正特別委員会 質疑答弁まとめ

質問者:公明党 谷合正明議員

【冒頭(趣旨説明)】

  • 今回の皇室制度をめぐる議論は平成29年退位特例法の附帯決議を受けてスタート

  • 有識者会議は令和3年12月の報告書で将来の皇位継承の議論と切り離し、皇族数確保を喫緊の課題として議論すべきと提言

  • 悠仁親王殿下までの皇位継承の流れを忽せにしないことを前提に全体会議での議論が進められた

  • 公明党は令和6年5月に女性皇族の婚姻後の身分保持と旧11宮家の男系男子の養子縁組の2方策を了承

  • 実際に提出された法案では配偶者・子は皇族とならず、養子皇族男子の子孫に皇位継承資格が及ぶ立てつけとなっており、立法府の総意を踏み越えたのではないかとの疑問・懸念がある

  • 本日は①議論の前提②将来の皇位継承制度との関係③附則・附帯決議による将来の議論の担保の3点について確認する


【① 「悠仁親王殿下までの皇位継承を忽せにしない」前提の趣旨と説明】

質問 →
政府有識者会議が一致した「悠仁親王殿下までの皇位継承の流れを忽せにしない」との理由と趣旨を国民に分かりやすく説明してほしい

答弁(木原稔 内閣官房長官)→

  • 皇位継承は国家の基本に関わる事柄であり制度的な安定性が極めて重要

  • 次世代の皇位継承者がいらっしゃる中で大きな変更を加えることには十分慎重でなければならない

  • 現行制度の下で歩まれてきた皇族方のこれまでの人生も重く受け止めなければならない

  • 悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、悠仁親王殿下の御年齢・御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で将来において議論を深めていくべきとされた

【② 旧11宮家の男系男子限定の養子縁組制度と憲法第14条(門地差別禁止)との関係】

質問 →
今回の制度設計は憲法上問題ないと明言できるか

答弁(岩尾信行 内閣法制局長官)→

  • 憲法第14条(法のもとの平等)は定めているが、第1条・第2条・第4条・第5条等の皇室制度を円滑に運用することは憲法自体の要請するところ

  • 皇統に属する方を皇族となることができるとすることは直ちに憲法が禁止するものとは解されない

  • 養子の対象者は「日本国憲法及び現行皇室典範施行後も皇族の身分を有していた皇族男子の子孫である男系男子」であり、憲法第14条に反するものではない

【③ 皇室会議の役割の重要性の確認】

質問 →
今後、皇室会議の役割は極めて重要になると考えるが官房長官の認識を問う

答弁(木原稔 内閣官房長官)→

  • 皇室会議は皇位継承の順序の変更・皇族の身分の離脱・摂政の設置廃止等を審議する重要な会議

  • 養子縁組において養子は皇族となり皇室に新たな構成員を迎え入れることになるため、皇族の養子縁組として適切かについて天皇及び皇族男子の婚姻と同様の手続きを経ることが適当

  • 今般の改正案において養子縁組に際して皇室会議の議を経ることとした

【④ 養子皇族男子の子孫の皇位継承権が現行法に従う立てつけになった理由】

質問① →
立法府の総意では触れなかった養子皇族男子の子孫の皇位継承権についてなぜこのような法案の立てつけとなったのか説明を求める

答弁(木原稔 内閣官房長官)→

  • 今回のとりまとめになかった部分については現行法が適用される。これは法的安定性上当然のこと

  • ただし現行法の規定が適用されることをもって附則第6条の規定に基づく立法府における将来の検討を先取りしたり縛ったりする趣旨ではない

質問② →
現行皇室典範との整合性・法的安定性を図るための立法技術上の整理であって、政府が将来の皇位継承制度について何か先取りする政治的判断を示したものではないという理解でよいか

答弁(木原稔 内閣官房長官)→

  • 現行法の規定が適用されることをもって立法府における将来の検討を先取りすることも縛ることもない

【⑤ 附則第6条・附帯決議案の第1項目に女性皇族の配偶者・子の身分の問題が含まれるかの確認】

質問 →
本改正案では婚姻した内親王・女王の配偶者や子は皇族とならないことが前提とされているが、附帯決議案の第1項目の勘案事項として配偶者や子の身分の問題も含まれ得るという理解でよいか

答弁(川崎政司 参議院法制局長)→

  • 附帯決議案の第1項目は附則第6条の施行にあたっての解釈・運用の指針を示すもの

  • 「皇族の方々を取り巻く環境」に関し衆参正副議長は婚姻後も皇族の身分を保持した内親王・女王やそのご家族に関する事項として、お住まい・生活費の問題、さらには身分等の問題なども広く含まれ得るとの認識ではないかと拝察する

答弁(木原稔 内閣官房長官)→

  • 附帯決議案の趣旨を尊重する

【⑥ 養子皇族男子の子孫の皇位継承権が附帯決議の対象となり得るか・30年ごとの見直し規定の解釈】

質問 →
附帯決議第1項目・第3項目で養子皇族男子の子孫の皇位継承権の問題も対象となり得るか。また30年ごとの見直し規定があるが必要があれば30年を待たずに適時適切に結論を得ることも可能か

答弁(川崎政司 参議院法制局長)→

  • 衆参正副議長は附帯決議案第1項目の勘案事項として養子皇族男子の子孫の皇位継承権に関する事項も含まれ得るとの認識ではないかと拝察

  • 附帯決議案第3項目の「安定的な皇位継承を確保するための方策」にも関係するものとして検討対象になり得るとの認識ではないかと拝察

  • 30年ごとの見直し規定があっても、必要があれば適時適切な措置を講じることができるとの理解に立っておられるものと拝察する

答弁(木原稔 内閣官房長官)→

  • 参議院法制局長の答弁を含め附帯決議の趣旨を尊重する

  • 30年ごとの見直し規定は「30年間は改正できない」という趣旨ではなく「必要があれば30年ごとに見直す」という趣旨。附則第6条第1項の検討条項の運用については立法府の意思を尊重して対応する

【⑦ 今回の附帯決議が従来以上に重い意味を持つかの確認】

質問 →
今回の附帯決議は①法律本体の附則に見直し規定があり附帯決議がその解釈・運用指針として位置づけられていること②政府だけでなく立法府自身にも将来の検討を促す内容であること③皇室会議の議員でもある衆参正副議長が各党協議を踏まえて取りまとめたものであること——という点から従来以上に重い意味を持つと理解してよいか

答弁(川崎政司 参議院法制局長)→

  • 附帯決議は一般的には法的拘束力を有するものとされていない

  • しかし今回の附帯決議案は立法府の総意として衆参正副議長が取りまとめたものであり、両院の法案付託委員会で議決されれば実質的に立法府である国会の意思を示すものであり、皇室典範等改正法の解釈運用指針などとして重い意味を持つとの認識に立つものと拝察する

【締めくくり発言(谷合議員)】

  • 「今回の附帯決議は委員会決議にとどまらず国会決議に準ずる重みがあると理解した」

  • 政府有識者会議の「皇室をめぐる課題が政争の対象となったり国論を二分したりするようなことがあってはならない」との指摘を重く受け止めるべき

  • 皇室制度は国民の総意に基づく制度であり政府に対して引き続き丁寧な説明を求める


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