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「端午がやってきた。」

「しのぶひと」ではじまり、「わらうひと」で終わるのが、とても美しい構成です。

阿部智里著『烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝』(文藝春秋、2020)

端午の節句といえば、の物語のなかでは、『烏に単は似合わない』と『烏は主を選ばない』において、若宮が桜花宮にいくのをブッチした(ブッチしたっていまでも使う?死語??)エピソードです。
若い貴族の男女の、恋の駆け引き的なエピソードがちらつく行事です。

この短編集には、雪哉の勁草院時代から猿との大戦後までのエピソードが収録されていて、第二部まで読んでいる身としては「みんな…… 幸せじゃん」みたいな気持ちにさせられます。

「しのぶひと」「わらうひと」はどちらも真赭の薄と山内衆の澄尾の話で……
わたしはこのふたりが、それぞれ大好きなのですが、どちらも芯の通った強い人だなと改めて思います。
いや、本当にいい。

ほかの短編は、
「すみのさくら」が浜木綿の幼少期のお話。浜木綿も強い女なので好きです。
「まつばちりて」は松韻、紫の大前に忠誠を誓った落女の話で、そういえばこれも強い女の話ですね。これを読んでいたので、『望月の烏』が怖くて仕方なかった、はあります。
「ふゆきにおもう」は雪哉の母たち、冬木と梓の出会いのお話。母つよい。
「ゆきやのせみ」だけは若宮と澄尾と雪哉のハートフルコメディです。
というかんじで、

とにかく
おんなが
つよい。

第二部になって「女の強さ」を全面に押し出して来た感のある八咫烏シリーズですが、第一部から女たちは強かった。
この強い女たちが、男の統治する山内で強かに生きていることの、なんと心強いことか。

などと第二部への期待を膨らませてしまいますが、第二部の展開を考えると、本当にこのころは平和で皆が幸せだったな……
という感慨に耽ってしまいます。

八咫烏シリーズ、近いうちに読み返そう。

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