🇮🇸牛と知り合いになる、長い道のり。
アイスランド語はさっぱり分からないけど
搾乳中、農場の家族が牛の名前を呼びながら
指示し合っているのがわかった。
なるほど、牛の名前を覚えないことには足手まといになりそうだ。
知り合いの牛を着々と増やすぞ。
働きはじめて3日。
毎日、朝と夕の2回お乳を拭いて搾乳をすると
「この牛、今朝も見たな」
という一方的な顔見知りの牛がちらほら。
個人的に
この子お気に入り🫶
とか
この子苦手…
とかも感じるようになってきた。
そして、お気に入りと苦手の認識が生まれた牛の名前からどんどん聞いて覚えることにした。
印象に残った牛だと名前を覚えるモチベが上がるからである。
お気に入り!の入り口は
・お乳に浮き上がる血管の形がきれい
・お乳のまわりにある模様が特徴的
・搾乳機を取り付けやすいお乳のつき方してる
・お乳を拭くとき、搾乳機をつけるとき
キックしない
とか。
一方で、苦手の理由は
・お乳を拭くとき、蹴りを入れられて怖い
・搾乳中、搾乳機を蹴るから何度もやり直しになる
・お乳のつく位置で、搾乳機をつけにくい
とか。
そう。
初期のころはお乳だけで牛を認識してた。
搾乳室の作り的に、わたしたちは牛が立つ場所から階段4段おりたところに立つ。
左に4頭、右に4頭。
搾乳中は、お乳がドンっと目の前にある。
牛の顔や身体全体はちゃんと見えない。
そして、搾乳機をつけて次の牛に交代するまでの数分が唯一、牛の何かしらの特徴を見つけて質問したり、メモを取ったりする隙のあるタイミングだった。

自分が覚えやすいと思う特徴が映るように
写真撮って、殴り書きのメモを残す。
名前の他にも、あとから教えてもらった情報があればメモを追加していった。
(名前の意味、◯◯の娘、左うしろのお乳がミルクの量多いので時間かかる、右まえのお乳から出るミルクの質がよくないので他と混ぜない… etc. )
農場の家族は感心してくれた。
こんなふうに、自主的に牛を覚えようとする人は今まで雇った中でいなかった!
写真に直接書き込んで覚えるって画期的!
って。
一発ですぐ覚えられる人もいるけど、
わたしは視覚と自分で書いた文字をいっしょに結びつけないと、なかなかインプットできない。
あんま効率はよくないけど、仕方ない。笑
休み時間に、写真メモを見返して復習。
次の搾乳のときに、覚えた牛を見つけて
追加で新しく覚えたい牛のことを聞いてメモ。
というふうに、
写真メモが溜まっていき
新しく覚えて、前に覚えた牛を忘れて、覚え直して…の繰り返し。
すごく似てて見分けのつかない牛や、
際立つ特徴のない牛は覚えるのに苦労した。
あと、搾乳する順番は決まってないので
それぞれの牛の定位置はない。
左右計8つのスペースのうち
毎回立つ場所はバラバラ。
左のスペースに立った牛だと、
見えるのは右側だけになる。
右脚の付け根にすてきな模様を見つけて
「今日はこの子を覚えよう」
と写真メモに残し、
よし!この牛も覚えたぞ!と思っても
次の搾乳で右のスペースに入られると
今度は見えるのが左側だけになる。
覚えたはずの模様は見えないから、まだ知らない牛だと思って名前を聞く。
すると「ん?この前も教えたよね?」となる。
混乱。
毎回の搾乳でバラバラに入ってくる牛。
左右それぞれからの見え方で、パズルのセットを合わせていく。
つけられる名前は99%アイスランド語。
聞き慣れた英語の名前と違うから、余計にむずかしかった。
グラォシーダ
スプレンギャ
ヘッティャ
ビャッッラ
ギリトゥル
スキャルダ
コストゥコヴァ
…
「ハーラスットィヤットゥナ」は何回発音を聞き返しただろう。笑
そして、ここの農場にいるのは牛だけじゃない。
馬、羊、山羊、牧羊犬、猫、鶏。
鶏以外はみんなに名前がついていた。
羊は300頭以上いて、牛よりも見分けがつかない。
果てしない旅だ…😇
農場の家族は、動き回る似た羊たちも瞬時に見分けがつくらしく、名前もすぐ出てくる。
凄すぎてイミワカラン!
しかし、中には覚えやすい工夫をしてつけられた名前もたくさんあった。
「イーサベーラ」の
長女は「イーサ」、次女は「ベーラ」。
姉妹で「露」「霜」「霧」
親子で「粉雪」「ぼた雪」「雹」
みたいに関連する名前をつけたり。
ある日、赤ちゃんを産んだ牛に、わたしの名前がついた。
農場のパパに「この牛、君っぽいから君の名前をつけてもいいか?」と聞かれた。
この牛の一家には、日本関連の名前を引き継いでいくことになったのだろう。
そのとき産まれた子牛の名前は
「Ushi(ウシ)」になった 🐄
名前を覚えると、家族との連携のとりやすさがぐんっと上がる実感があった。
「イーサベーラを連れてきて」
「スキャルダは明日から搾乳ストップね」
「ビャッッラの左まえ乳のミルクがよくないから、分けてバケツに入れといて」
など、スムーズに指示が通りやすいし、
頼んでもらえる仕事の範囲が広がった。
できることが増えるとやっぱりうれしい ☺︎

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