タカオカチョコレートECサイトで売り切れが続く理由
いろいろ問い合わせを受けているのですが、こちらで詳しく説明することにします。
タカオカチョコレートの公式オンラインショップが品薄でご迷惑おかけして申し訳ありません。ECサイトでのコメントでは短くて伝わらないのでこちらで書かせていただきます。
SNSに投稿すると波風が立ってしまうのでその理由をここだけでひっそり語らせていただきます。
問屋さんのお付き合いと流通業界の独自ルールの制約が原因です。
昔からの付き合いがある問屋がそもそも直接販売である通販にはいい顔はしない
弊社はチョコレート製造会社ですが、問屋さん経由で出荷して全国の小売店にいくのが主流です。
これまでのお付き合いを重視すると自社の直販ではなく、駄菓子屋まで全国津々浦々にまで卸してくれるという一次問屋への出荷を重視しないといけないわけです。
昔から付き合いのある問屋やスーパーなど、実店舗への供給を最優先にしているため、下の図で③と④をすっ飛ばして⑥でいきなり通販やってますと大声ではいいにくい状況。
チョコレートの出荷流通の流れ

「一次問屋(一次卸)」は、メーカーから直接商品を仕入れる「最初の大口の窓口」のことです。
「中抜き(問屋を通さない取引)」という言葉もある通り、一見すると「ただ間に入ってマージン(手数料)を取っているだけの無駄な存在」に見えるかもしれません。
しかし、メーカーが自社で全国のスーパーと直接やり取りしようとすると、実はマージン以上に莫大なコストがかかる構造になっています。
なぜ一次問屋が必要なのか、その「わかりにくい価値」を整理してみます。
一次問屋は事務・決済の「統括」と「集約」担当
もし弊社が全国1,000店舗のスーパーと直接取引すると、毎月1,000枚の請求書を発行し、1,000件の入金を確認しなければなりません。
しかしメーカーと小売間に問屋が居れば窓口は数社の一次問屋だけで済みます。もし小売店が倒産しても、問屋が代金を保証するケースが多く、メーカーの回収リスクを肩代わりしてくれています。
問屋は在庫管理者であり、物流の「心臓」でもある
スーパーは「チョコを1ケースだけ、明日の朝までに持ってきて」という細かい注文を平気で出します。しかし自社トラックで1ケースだけ運ぶと、ガソリン代と人件費で大赤字。
問屋は「チョコ+スナック+飲料」など、他社製品とまとめて配送することで、1個あたりの配送単価を劇的に下げています。
一時問屋という商社がいろんなメーカーの商品を倉庫に集めて、まとめて出荷するから商品コストが低くなる
コンビニが一日何度も配送できるのは各メーカーがコンビニの物流センターに商品を出荷し、それを各店舗に分けてたもの共同配送しているから。
メーカー各社は「問屋」(物流センター)に送るだけ、店舗は「問屋(物流センター)」から受け取るだけで済みます。
「センターに集めて、混ぜて運ぶ」という機能が、日本のコンビニの「いつでも新鮮なものが並んでいる」という驚異的な利便性を支えているように一次問屋も物流の効率化を支えているのです。
メーカーがやりたくない面倒な仕事(小分け・配送・在庫管理・集金)」を一手に引き受けているアウトソーシング先といえます。
よく巷で言われてる問屋が利益を抜きしてるという批判は的外れなわけです
卸業者からすれば「俺たちが販路を支えてやっているのに、メーカーが卸しをカットしてECや直売所で美味しいところをやりやがって」という感情が芽生えがちなのも事実。
全国に広く売るためには小分け・配送・在庫管理・集金という面倒な仕事を一手に引き受けてくれる一次問屋を優先せざるを得ないわけです。
一次問屋が重要なのはわかった。でも自社で直接販売する工場直売にはかなり文句あるのでは?って思う方も多いでしょう。
しかし直売はそれほど競合とは言い難い側面があります。
工場直売は問屋や小売店が不要な商品を販売しているから。
それは 流通業界の慣習である「3分の1ルール」が影響してます
そもそも「3分の1ルール」とは
日本の食品物流には、長年製造日から賞味期限までの期間を3つの期間に等分する厳しいルールがありました。
納品期限(最初の1/3): メーカーから小売店に届ける期限
販売期限(次の1/3): 店頭で販売して良い期限
消費期限(最後の1/3): 消費者が食べて良い期間
基本的にチョコレートは賞味期限は1年です。
以前はチョコ製造から4ヶ月以内に物流センターに納品しなければなりませんでした。もし4ヶ月を1日でも過ぎたら、中身は全く問題なくても「期限切れ」として、問屋がメーカーへ返品するか、廃棄するしかなかったのです
消費者が新しい鮮度の商品を入手しやすいのですが、同時に返品や廃棄を増加させる要因でもあります。
政府が主体となり食品ロス削減のためにこの「早すぎる期限」を緩め、納品期限を賞味期限の「半分(1/2)」まで認めるのが「2分の1ルール」です。
まとめてみると

2分の1ルールへの変更でチョコレートは賞味期限が4カ月から半年に猶予が伸びることで、在庫を捌くチャンスが増えます。これにより、問屋が被っていた廃棄ロスや返品コストが大幅に抑えられますが、賞味期限まで半年になるとメーカーに返品する問屋の方が...
返品でも戻ってきても二分の一ルールでは半年を切ると再出荷できないので自社で売るしかない。(処分価格で売る場合もあるが)
そもそも「賞味期限切迫品」としてのネットでの処分販売
納品期限を過ぎてしまい、コンビニやスーパーの棚に並べられなくなった商品は、メーカーが在庫を抱え続けると赤字になります。
中身は全く問題ないが、問屋に流せなくなったもの
形が少し崩れた、割れたなどの理由で、正規ルートに乗せられないもの。
をタカオカチョコレートの「工場直売所」や「ECオンラインショップ」で販売してたわけです。
以前は3分の1期限が切れたら、販売を諦めてディスカウントショップなどに安値で叩き売っていたこともあったようです。
それで無理な場合 ある意味タカオカチョコECサイトで販売してたわけです。
だからEC通販では期限が迫ってる場合が多く、販売が一度きりの商品が多かったわけです。
カカオ高騰と工場直売の品質と知名度アップ
2024年からのカカオ価格高騰による生産量減少と 2分の1ルールの推進による賞味期限の延長より、安易に叩き売らず、利益率の高い「工場直売」で、自社の裁量で売り切るという動きが、以前より重点的に行われるようになりました。
以前の直売は「期限切迫の訳あり品」が中心でした。しかし、2分の1ルールにより、「賞味期限はまだ十分ある(半分ある)のに、正規チャネルの流通に乗らなかった正規品」も直売に並びやすくなります。
二分の一ルールで直売に並ぶ商品の「質」が上がる
消費者から見れば、「賞味期限が十分ある美味しいタカオカのチョコが、工場直売ならお得に買える」という状態になり、直売の魅力が大幅にアップします。これが「直売の活性化(集客力・リピート率向上)」に直接つながります。
最初に述べた「一次問屋(一次卸)にお世話になっているのに通販(工場直売)やってますと大声ではいいにくい」とジレンマがありましたが、2分の1ルール適用外で返品になってしまった規格外品や余剰品を「SDGs(食品ロス削減)という社会的な責任を果たすために、仕方なく直売をやっている」という「大義名分」を得られるため、既存流通への不義理感を減らしつつ、堂々と直売に注力できるようになります。
工場直売きっかけで高岡チョコファンが定着
工場直売の認知度と商品の品質アップで工場直売が人気になり11月から4月まで行列ができるようになり、売上もかなりのびたことで余剰品がECオンラインショップに商品が回ることがなくなってしまいました。
そもそも工場直売で人気の「規格外品(割れ・欠け)」は、配送中にさらに砕けるリスクや品質保証の観点から、全国配送のECには載せにくいという事情があることをご了承ください。
毎週金曜日の行列の影響もあって最近は「尼崎のチョコ」として認知があがってきて、尼崎市からのタイガースへの贈呈品や尼崎南警察とのつながりでコラボチョコも販売できるように。
さらにメイド・イン尼崎ブランドを固めるため、地元の人々が直接買える機会を大切にしています。
ECオンラインショップを待っている方も多いですが、卸との兼ね合いでフルスロットルでやりにくいのも事実です。オンラインショップが在庫処分主体であったというのも。
広報としてできるのはいろいろなルートでタカオカチョコレートの認知度をあげて、お取引してもらうお店を増やして店頭で直接買ってもらう機会を増やすことだと考えてます。
そのためにいろんな角度で告知を頑張ってまいりますので宜しくお願いします。
