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名古屋が好きになったきっかけらしきもの

「詳しくは言えないけど、名古屋は私の憧れの街の一つなんだよね。」

たまに、仲良くなった人に上の文章を話すことがある。名古屋好きは私の人生のかなり大きな部分を占めているし、それが分からないと、私はかなり謎の人物に映ってしまう。

しかし「なぜ名古屋なの?」と聞かれて、私はいつも困る。はっきりした理由が、自分でもよく分からない。

だから「詳しくは言えないけど」と予防線を張ったり、「の一つ」と嘘をついたりする。

でも、「きっかけらしきもの」なら、ある。きっかけと呼ぶには、あまりにも些細だけれど。


始まりは、2007年。中学2年生だった私は、ボーカロイドにハマっていた。

そのうち、「ニコニコ動画というサイトに、ボカロの曲がたくさん上がっているらしい」と知る。私は翻訳サイトを利用しながら、わけも分からないままニコニコ動画に登録した。日本語なんて、ほとんど読めなかったのに。

それからは、ニコニコでボカロ曲を聴くのが毎日の日課になった。きっかけはもう覚えていないけれど、いつの間にか私はMEIKOにハマっていた。

ご存じの通り、MEIKOの動画はそんなに多くない。だから私は、ニコニコ動画をしらみつぶしに探し回った。

そして——2008年の秋、いつだったか。運命の(?)動画に出会ってしまう。

MEIKOと、名古屋市営地下鉄・名港線を合成したMADだった。


その動画にハマるうちに、ふと思った。「この動画に出てくる鉄道は、いったいどこを走っているんだろう」と。

名港線、そして名城線。気になって、動画に出てきた駅名をかたっぱしから検索した。

ちょうどその頃は、愛知万博が終わってまだ間もない時期で、名古屋の旅行記がネット上にたくさん上がっていた。私はそれを、一つ残らず読んだ。

調べていくうちに、驚いたことがある。名前をあまり聞かないものだから、私はてっきり名古屋を小さな町だと思い込んでいた(失礼)。それが実は、人口200万を超える大都市だった。この意外なギャップに、私はますます惹かれていった。

そして不思議なことに、一度「名古屋」を意識し始めると、身の回りに名古屋の影が次々と見えてきた。

当時使っていた日本語の教材は、著者が名古屋に留学していた頃の話が題材だった。大好きだった本『1リットルの涙』にも、名古屋の病院が出てくる。

もともとそこにあったはずなのに、今まで気づかなかっただけ。名古屋というアンテナが立った途端、世界が少しずつ、その街につながって見えはじめた。



どれ一つとっても、「これが理由だ」と言えるほどのものではない。

MEIKOと名港線の語呂合わせみたいな偶然。万博のあとにあふれていた旅行記。たまたま開いた教材、など。

そんな小さな偶然が、いつの間にか積もって、気づけば17年。

どうしてここまで好きになったのか、今でもうまく説明できない。でも、たぶんそれでいいのだと思う。


ちなみに、例のMADは現在ニコニコ動画では非公開になってしまっている。詳しくは下のリンクから。


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