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【保育施設の食教育の専門家が解説】気になる子の食:発達障害の子どもの偏食改善〜食べられるものを広げるコツ

はじめに|偏食は“わがまま”じゃない

「白ごはんしか食べない」
「家でしか食べられない」
「このメーカーのプリンしか口にしない」

そんな子どもの“偏食”に戸惑い、悩み、日々試行錯誤していませんか?

発達障害のある子どもにとって、偏食は「わがまま」ではなく、感覚や認知の特性に根ざした“本当に食べられない”状態であることが少なくありません。

「そのうち食べるようになるよ」と言われても、発達の特性がある子どもにとっては、その“いつか”が来ないこともあるのです。

この記事では、発達障害のある子どもが「食べられるもの」を少しずつ増やしていくためのコツや、家庭や保育の場で実践できる支援アイデアを具体的に紹介します。



1.偏食改善は「今食べられるもの」から始めよう

改善のスタート地点は、「今、食べられるもの」を正確に知ること。
ここでは単なる食材名だけでなく、次のような条件を細かく確認しましょう。

  • メーカーやブランド(特定のものにしか反応しない場合も)

  • 調理法(焼く/茹でる/冷たいまま など)

  • 温度や見た目(熱いのはNG、白くないと不安 など)

  • 場所・状況(家ならOK、保育園ではNGなど)

たとえば「パンが食べられる」と言っても、
サンドイッチ用の耳なしパンはOKでも、焼いたトーストはNGということもあります。

このように、“食べられる”の中にも無数の条件があるという前提で観察と記録をしてみてください。
「正しく知ること」が、偏食改善の土台になります。


2.食べられるものを“広げる”コツ

偏食のある子にいきなり「苦手な食材に挑戦させる」のは逆効果。
大切なのは、“今食べられているもの”の近くから、少しずつ広げていくことです。

たとえば、白いごはんしか食べない子には…

  • ごはんに少量のふりかけを混ぜてみる

  • 軟らかめの雑炊にアレンジしてみる

  • 型抜きで「顔つきごはん」にして、見た目の変化を楽しむ

子どもにとって、「昨日の自分よりちょっと食べられた」が成功体験
この積み重ねこそが、偏食改善の最短ルートです。


3.感覚過敏に配慮した工夫を取り入れよう

発達障害のある子どもが偏食を示す背景には、感覚過敏が関わっていることがよくあります。

たとえば…

  • 温かいスープの湯気でパニックになる

  • ヌルヌルした食感が気持ち悪くて吐き出す

  • 複数の色や味が混ざっていると、不安や混乱を感じる

こうした場合は、感覚に配慮した提供方法が効果的です。

  • 匂いが強いものは冷まして提供する

  • ヌルつきのある食材は水気を切り、別の器で分ける

  • 食材を混ぜずに一品ずつ盛りつける

「安心して食べられる環境・形」に整えるだけで、子どもはぐっと前向きになります。


4.家庭でできる偏食改善のヒント

家庭での支援では、「食べる」前の体験を増やすことが大切です。

たとえば…

  • 一緒にスーパーへ行き、好きな色の野菜を選んでもらう

  • 小さなおにぎりを一緒に作ってみる

  • 野菜スタンプや香り当てクイズなど、遊びながら食材に触れる

  • 食器やランチョンマットを自分で選ばせる

こうした体験は、「自分で選んだ」「触れた」「作った」という主体的な関わりを生み、食への抵抗感をやわらげます。

また、「まるいものだけの日」「赤い食材を集めたごはん」など、遊び心のあるテーマを設けた食卓演出も、食への関心を高める工夫としておすすめです。


5.保育園・幼稚園でできる支援の例

集団生活の場でも、無理のない支援で偏食は少しずつ改善できます。

実践例としては…

  • 食べられるものリストを作成し、共通メニューの工夫に活用する

  • 苦手な食材は、「見る」「香る」「触る」など、食べる前のステップから取り入れる

  • 食べられた時は「よく頑張ったね」と本人の努力を認める言葉かけ

  • 比較やプレッシャーのない食事環境づくりを意識する

また、「この器ならOKだった」「○○先生の声かけで食べられた」など、小さな成功体験をチームで共有することが大切です。

支援者同士が連携し、一貫性のある対応をとることで、子どもも安心感を持って挑戦できます。


6.気をつけたいNG対応

以下のような対応は、かえって食への不信感を強める恐れがあります。

  • 「食べるまで席を立っちゃダメ!」

  • 泣いても口に運ばせようとする

  • 食べたらご褒美(おもちゃ・動画など)

  • 「○○ちゃんは食べてるよ」と比較する声かけ

偏食改善の本質は、“無理やり食べさせること”ではなく、“食べるって楽しい”を育てることです。
本人の安心感を第一に、関わりのあり方を見直していきましょう。


7.まとめ|焦らず、寄り添って、少しずつ

偏食改善は、短期間で成果が出るものではありません。
けれども——

  • 「どんな状態なら食べられるのか」を知ること

  • 感覚への配慮を取り入れること

  • 遊びや選択を通じて“食”に関わること

これらの積み重ねが、確実に子どもの「食べる力」につながっていきます。

「今日も食べられなかった…」と落ち込むのではなく、
「今日は匂いをかげた」「スプーンに乗せられた」といった小さな一歩を一緒に喜びながら、子どもと歩んでいきましょう。


📣あなたのご家庭での工夫や体験談も、ぜひコメントで教えてください。
「できたこと」も「うまくいかなかったこと」も、誰かのヒントになるかもしれません。
共感し合える場所を、ここから一緒に育てていきましょう。


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