[ショートショート] タイムスリップコップ
博士は震えていた。
これは、本当に成功したのかもしれない。
目の前にあったはずのコップがなくなっていた。
ガラスのコップだった。
博士の研究は、物体をA地点からB地点へと瞬時に移動させる、いわゆるテレポーテーションだった。
試行錯誤を経てついに転送装置が作動し、コップが消えた。
不思議なことに他の物は消えなかった。
博士は様々なコップを取り寄せ次々と装置にかけて行った。
結果、一定の厚みのあるガラス製のコップのみが消えることが解った。
「消えることは解った。だがしかし、コップはどこへ…」
ひとまずシャワーを浴びに数週間ぶりに自宅へ帰った博士の目に信じられないニュースが飛び込んで来た。
『先日、北海道の山中で発掘された大量のカップ状のものは、人の手によって加工されたガラスであることがわかりました。なお、年代測定の結果、これらの出土品は少なくとも2万年前のものであることが解っており…』
博士は研究のやりなおしを悟るのだった。
『毎週ショートショートnote』に挑戦です。
たらはかに(田原にか)さん。はじめまして。
よろしくお願いします。
タイトルがネタバレになってしまった…。
次はもっと考えよう。
