映画「アメリカンフィクション」|かくあるべし。という呪縛
「かくあるべし」という呪縛
皮肉たっぷり。面白い!
着地も上手でした👏(*´∀`*)
主人公の黒人作家モンク
文学に身を捧げてきたが、出版不況もあって純文学はなかなか評価されない。
最近の売れ筋は、人種やマイノリティ性を前面に出した、日本で言えばラノベやなろう系みたいな“わかりやすい”物語ばかり。
そんな出版界に腹を立てたモンクは、勢いで「わかりやすい黒人文学」を書き上げ、著作権代理人に渡す。
低学歴、貧困、差別、犯罪、麻薬……。
そんなステレオタイプてんこ盛りの黒人小説だ。
代理人も「これはないわーwww」と思いつつ、出版各社に送る。
ところが、両者の予想に反して、その小説は絶賛され、高く評価されてしまう。
「えっ!? 売れたの( ゚д゚)」
世間がそこまで馬鹿だったことに対する驚きーーー。
構成が素晴らしい。
込められた皮肉の切れ味に唸ってしまう。
(ㅅ´∀`*) スゴイ
一度配信から完全に消えてしまったので、もう見れないのかなあと思っていたら、Amazonで配信がはじまったので、フィルマークスのレビュー再掲。
アジア人差別のシーンに配慮したのかな、とおもいつつ。
以下ネタバレあーだーだ('×')
これはメタのメタ。
【「かくあるべし」の黒人像を描いた小説を書いたインテリ黒人小説家が、周囲のレッテルに辟易する】姿を描く、黒人脚本家の話。
まさに『アメリカン・フィクション』というタイトル通り、フィクションの入れ子構造になっている。
リッチ層の黒人男性。
作品タイトルの「Nigger」に反応して怒る白人生徒。
売れるとなれば手のひらを返す代理人。
商業主義とポリコレ意識の高い出版社。
黒人の“リアル”を求めたがる白人作家たち。
そして、その武器を最大限に生かして生存戦略にしている黒人女性作家。
さらには、認知症の母や介護の問題、医者でジャンキーなゲイの兄、家政婦、警官、弁護士、映画監督……。
どれもどこかで見たことのある、いわば既視感ハッピーセット🍔🍟🥤である。
今作は、その一つひとつに対して、「全部これも“かくあるべし”のキャラ設定でしょ?」と問うてくる。
作中内作品の「わかりやすい黒人文学」をありがたがる滑稽な白人たちを見て笑っていたのに、この映画の中で描かれる家族の問題や差別や痛みを前に、「大変だ」「可哀想だ」と受け取った瞬間、こちらもまた同じ構造に乗せられている気がする。
どうせこういう話が好きなんでしょ? 😏
……と、手のひらの上で転がされている感覚。
そもそも映画自体がフィクションで、しかもさらに入れ子なのだから、メタのメタのメタである。
結局、個人ごとに違う問題であるはずなのに、人はつい大きな属性や物語の型で理解した気になってしまう。
その癖を完全に外すのは、たぶん誰にも無理なのだと思う。
だからせめて、自分の近くにいる人くらいは、属性や大枠ではなく、その人自身をちゃんと見ようとするしかない。
一連の流れはコメディとしてとても面白い。
でも、その笑いの奥に忍ばせたナイフが妙に鋭くて、笑ったあとにちょっと痛い。
脚本のラストも最高。
正直に告白しますかー?
いやいや、彼女と復縁でしょー?
(。-`ω´-)ンー、
やっぱり死ぬほうが盛り上がるよね!
エンタメは「かくあるべし」でしょ!
……見透かされてる! 😏
ここまで積み上げたものを、一気に崩すの、楽しいだろうなあと思ってしまう。
そして実際、それがめちゃくちゃ上手い。
この「見えない他者」という構造は、作中の別のレイヤーにも滲んでいる。
映画監督はアジア人男性をこき使っている。
Black Lives Matter運動で黒人差別への意識が高まった一方で、アジア人へのヘイトクライムは今なお軽く扱われがちだ。
黒人を主題にした作品や映画は作られるのに、その足元で雑に扱われているアジア人のことは大して気にも留められない。
その出てくるアジア人もステレオタイプな感じも含めて、
描いているのが、とても良い( ´∀` )
ラスト、赤いオープンカーで撮影所=世界から去るとき、ステレオタイプな民族衣装を着た黒人俳優と目が合う。
あれは、「世界が望んでいること」であると同時に、「本人もまた望んでいること」として描かれているように見えた。
だから単純に断罪できないし、解決もできない。
その複雑さを突き放さず、でもどこまでもシニカルに見つめる視線が見事だった。
皮肉なコメディとして最高だった。
とはいえ、決めつけにしてもアジア人差別にしても、ひとしきり笑ったあとで真顔で考えさせられる作品でもある。
そこまで含めて、きっと制作者の掌の上😊
50州ぼんやりしかわからない・・・。
今年こそ覚えようと思う(毎年言ってる)
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