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中国で今もトヨタ・クラウン・セダンが僅かながらも売れる理由

©CHINA CASE

中国自動車コミュニティ「車fanz」は2026年7月28日、トヨタ自動車の「クラウン」に関する中国現地販売店のリアルな生声に関する記事を配信した。ここで言うクラウンはクロスオーバーではなくあくまでもセダン。一汽トヨタではクラウンの単独ブランド化が企画され、実際にハイランダー姉妹車を「クラウン・クルーガー」として販売されている。報道ではクラウン専門店の展開なども来とされたようだが、現時点で目立った新たな動きはない模様。もう中国でほとんど売れないという今回のクラウン・セダン。しかし、一汽トヨタがクラン単独ブランド化を決心する、トヨタ愛の中国における根強さをうかがわせる中国現地の販売店員の声は興味深いので紹介する。

クラウン:「売れるのは旧オーナーの信仰だけ」

こんにちは。一汽トヨタの営業です。今日は、とんでもなくレアなクルマについてお話しします。年間3台売れればいい方。1台1台が「縁」で売れる車です。

ちょうど先日、中年男性のお客様が注文していた車両が入庫したのでネタになりましたが、それがなければ紹介する素材すらありませんでした。

好きな人は、本当に心の底から「クラウンしか認めない」というレベル。一方で興味がない人からすると、「今どき30万元(約726万円)以上出して、こんな車を買う意味が分からない」と思われています。

でも侮ってはいけません。

かつて100万元(約2420万円)近い価格だった時代、この車は広東・広西の経営者たちの定番車でした。品質も異常なほど安定していて、今でも数十万km走った個体が普通に現役です。

オーナーに聞いても、「タイヤ交換や定期整備以外、ほとんど故障したことがない」という話ばかり。

ただ、今では往年の存在感はなくなり、この車自体を知る人も少なくなりました。今日はそんな輸入クラウンについて紹介します。

売れ行きは? 人気グレード・人気色は?

当地は中国南部の二級都市。市内には一汽トヨタ4S店が5店舗ありますが、クラウンを展示している店舗はありません。

完全受注生産なので、注文が入って初めて生産される仕組みです。

販売台数?

そんなものを語るレベルではありません。年に1台売れれば十分。

当店では2024年モデル発売以降、これまで3台販売。年間平均ほぼ1台です。

普段は納車時に花束など渡しませんが、クラウンだけは営業担当が自腹で花束や花火まで用意します。

それくらい珍しい車です。

問い合わせ自体はありますが、「現車も展示車も市内に1台もありません」と言うと、多くのお客様はその場で諦めます。

なお、中国では2.4Lターボハイブリッドは未導入。販売されているのは2.5Lハイブリッド・セダンのみです。

どんな人が買うのか?

クラウン好き以外には、ほぼ存在を忘れられている車です。

ほとんどが、古いクラウンを長年乗り続け、いよいよ買い替えを考える人。一般家庭の購入候補にはまず入りません。

今回契約した50代男性

ある日、50歳前後の男性が来店し、「クラウンある?」と聞いてきました。

私は、「ありません。注文生産になります」と回答。

正直、クラウンを聞く人の99%は冷やかしなので、営業もそれほど期待しません。

今回も、「現車がないなら結構です」で終わると思っていました。

ところがその男性は、「問題ないよ」と言ったのです。

その瞬間、「これは本気だ!」と眠気が吹き飛びました。

クラウンは販売インセンティブも高いですから(笑)。

すると男性が、「外の車を見てみな」と言います。店の外を見ると…

古いクラウン。

またしてもクラウンオーナーでした。

「新しいクラウンで定年まで乗る」

男性はこう話しました。

「この車も本当に古くなった。去年、息子がお金を出して全塗装してくれたから外観はまだいい。でもシート表皮はボロボロ。エアコンも効きが悪くなった。音もどんどん大きくなってきた。だから買い替えようと思った。」

この1か月、BBA(BMW・ベンツ・アウディ)も、最近の新エネルギー車も見て回ったそうです。

しかし、「自分みたいな年寄りには、どれもしっくり来ない。やっぱりクラウンに乗りたい。この新しいクラウンを乗り潰す頃には、自分も定年だろう。」

と語りました。

色は写真だけで決定

グレードと色を決める際も、現車はありません。写真だけ見て決めました。

外観や内装について特に意見もありません。

ただ一つ不満だったのが、どのボディカラーでも3,000元のオプション料金が必要なこと。

男性は、「全部有料っておかしくないか? まさか無塗装の板金状態で出荷してるわけじゃないだろ(笑)」と苦笑していました。

納車日はかなりの雨でしたが、近隣店舗の営業たちまで仕事そっちのけで見学に来るほど珍しい存在でした。

比較されるライバル車は?

実際には、ほとんどありません。

問い合わせ自体が少なく、クラウン目当てで来る人は、最初からクラウンしか見ていません。

唯一、レクサスESを見た帰りのお客様が来店したことがありますが、「実車がない」と聞いた瞬間に帰ってしまいました。

買う人は「トヨタ愛」が強い

私が接客した人たちは、全員が旧クラウンオーナー。

昔のクラウンの耐久性・品質を絶対的に信頼しています。実際、当時のクラウンにはそれだけの実績がありました。

子どもの頃、ミニバンですら高級車に見えた時代、道でクラウンや日産セドリック/グロリアを見かけると、父親から「近づくな。鼻水でも飛ばしたら大変だ」と言われたものです。

今となっては、時代は変わりました。

「購入を諦めた人」は?

いません。

そもそも購入検討者自体がほとんどいないからです(笑)。

どの仕様・購入方法が多い?

値引きなし。

ローン優遇なし。

当店で販売した3台は、すべて一括払い。

ローンも銀行ローンしか利用できず、特典もありません。

購入しなかった人の不満

実際のオーナーから不満は聞きません。買わなかった人がよく言うのは次のような内容です。

  • 「2.5Lハイブリッドでクラウンを名乗るな。買わない。」

  • 「デザインがダサい。昔のクラウンらしさがない。」

  • 「V6エンジンじゃないなら意味がない。」

  • 「こんなデザイン変更では重厚感がない。買わない。」

メンテナンス費用

初回5,000km点検は無料。その後は1万kmまたは1年ごと(早い方)が基本。

通常の定期点検費用は800~1,000元(約2~2.5万円)程度です。

今買う際の注意点

特にありません。

この車を買う人は、「自分が欲しいから買う」、それだけです。

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