ジャーナリングで、「人間不信のラスボス」に気づけた話。
SNSでの「いいね」なんて信じられない。
気を使ってくれただけで、本当に『いいね』なんて思ってないんでしょ。
上司が仕事を褒めてくれるのだって、真に受けちゃいけない。
優しいから言わないだけで、本当は私のダメなところ、いっぱい見えてるはず。
異性からのアプローチっぽい姿勢なんて、絶対に警戒しなくちゃ。
別に私のことが好きなわけじゃなくて、単に恋人が欲しいだけなんだから。
私はずっと、そんな ”人間不信” の人生を生きてきました。
他人の言動の裏を探って、好意を素直に受け取れない。
そうやって疑う気持ちって、絶対、相手にも伝わってますよね。
褒めてくれたり、優しくしてくれた人たちは、そのうち離れていきました。
ほら、やっぱりそうだ。
私のことなんて好きじゃなかったんだ。
信じなくてよかった。
私はそう思って、失望を重ねていました。
今振り返ると、とっても悲しい受け止め方をしていたな、って思えるけど。
当時の私にとっては、思いこんだ内容こそが真実でした。
ずっと、他人が信じられなくて、苦しかった。
そんな私が、苦しい気持ちが ”思い込み” だって気付けたのは、ジャーナリングを始めたことがきっかけでした。
どうしてジャーナリングを始めたのか、までは覚えていないのだけど。
余り物の小さなノートに、余り物のペンで、そのときの気持ちを書いていく。
始めは、気取って硬い文章だったけど、ノートが2冊目、3冊目と進むうちに、だんだんと素直な気持ちが出せるようになってきました。
そのうち、つらいことや嬉しいことがあったときに、すぐにノートに書くことが習慣になりました。
そんなあるとき。
会社の会議で、私が主導しないといけない場面だったのに気を抜いてしまい、ひどく失敗してしまいました。
一緒に会議に出ていた人は、味方だと思っていたのに、助け船を出してくれなかった。
後から振り返れば、重要な会議でも何でもなかったのだけど。
でも、そのときの私には、絶望するのに十分な失敗でした。
恥ずかしくて悲しくて悔しくて、どうしようもなくて。
会社にあった、防音の個室をすぐに予約しました。
そして、ノートとペンを持って閉じこもりました。
そのときの感情を、とにかくノートに書きなぐりました。
涙が出て止まらなくて、しゃくりあげながら、ひたすらペンを動かす。
個室はすりガラスになっているから、外から中の様子は見えない。
壁の1枚向こうでは、同僚たちが普通に仕事してるのに。
オフィスフロアのど真ん中で、私は泣きじゃくっている。
誰も助けてくれない。
私にはなにもできない。
恥ずかしい。
いなくなりたい。
なにも上手くなんてやれない。
誰も信じちゃいけない。
私には価値がない。
そんな言葉ばかりが、溢れて止まらなかった。
書いて書いて書き続けて、腕が疲れて、泣くのにも疲れてきたころ。
ふっと、なんだかどうでもよくなってきました。
息を吐いて、ペンを置いて、今書いたノートを見返してみる。
すごい……すごい数の罵詈雑言が書かれている。
これがネットの掲示板だとしたら、開示請求と損害賠償請求したら勝てるかもしれない。
そんな呪いの言葉たちが並んでいる。
これ、ぜんぶ、私が私に言ってるんだ。
私が、私を呪ってるんだ。
そう考えたら、おそろしくなりました。
ノートを眺めながら、また考えました。
私は、私のことを ”人間不信” って思っていたけど。
ほんとは、私が一番信じていないのは、私自身なんじゃない?
助けたいのも、助けてくれないのも私自身で、
信じたいのも、信じてくれないのも、私自身なんじゃない?
なんだ、そうだったんだ。
”人間不信” のラスボスは、ここにいたんだ。
「自分の最大の敵は自分自身だった」なんて、少年漫画でも流行らない結末だけど。
でも、どこかの知らないサタンを倒すより、私が私自身を攻略する方が、まだ勝てる確率高そうな気がする。
だって、よく知ってるから。
そのために、ずっとジャーナリングしてきたんだから。
本当のラスボスに気がついた私は、攻略法を探るために、今日もペンを持ってノートを開きます。
この闘いは、まだ終わりそうにないけど。
30年モノの ”自分不信のクセ” は、そう簡単には直らないから。
でも、今のラスボスは、ちょっとだけ攻撃力が下がってきた気がする。
攻略できる日は、もしかしたらそう遠くはないのかもしれない。
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