短編小説|花びらを/シロクマ文芸部/詩のような物語
花びらを、指先で受けとめた。
まだ地面に落ちたばかりの、
やわらかな重さ。
それは、終わったもののはずなのに、
どこか、始まりの匂いがした。
枝を離れる瞬間、
ためらいはあっただろうか。
しがみつくことよりも、
静かに離れることのほうが、
潔(いさぎよ)いのかもしれない。
風が通り過ぎる。
花びらは、抗わない。
私の胸の奥で、
ほどけずにいた言葉が
ひとつ、揺れる。
別れは、負けじゃない。
手放すことは、消えることじゃない。
小さな白は、
何も語らずに、
けれど確かに、背中を押している。
シロクマ文芸部に参加させていただいています。
小牧部長さま、いつもありがとうございます!
今回のお題
「花びらを」から始まる文芸作品です。
【詩のような物語】という、小さな物語たちを紡いでいます。
もし、今日の物語が、あなたの心にふれていたら
──それだけで、うれしいです。ありがとうございます。
これからも、日々の光や影を、そっと言葉にしていきます。
🌸【詩のような物語】🌸
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