【詩のような物語】——静かに、でも確かに咲いている——
公園の片隅。
ベンチの影に、ひっそりと咲く一輪の花。
手のひらに収まるほどの小ささで、
くすんだ緑の葉の間から、
薄紫の花びらがそっと顔をのぞかせている。
雨に打たれたような、
儚いシミが、花びらにひとつ刻まれている。
それでも、花はしっかりと開いていた。
香りはしない。
ただ、静かに、そこに在る。
陽の届かない場所で、
風にゆられながら、
誰に見られることもなく、
ただ、咲いている。
通り過ぎる人々は、
鮮やかな花壇に目を奪われ、
この花には気づかないだろう。
けれど、私は目が離せなかった。
なぜだろう。
最近、何もかもが空回りしていた。
誰かの言葉に、すぐ心が揺れてしまう。
「どうせ私なんて」
そんな言葉を、つい口にしてしまう日が増えていた。
そんな私にとって、
この小さな花は、大切な何かを思い出させてくれた。
誰にも褒められなくても、
誰かに見つけてもらえなくても。
咲こうとすること。
それだけで、もう十分に美しい。
咲くことは、
夢や希望だけではない。
誰にも見せない努力。
見えない涙のあとに咲く、
小さな、小さな勇気かもしれない。
花は、私に語りかけていた。
「咲く理由は、
あなたが“咲きたい”と思ったこと。
それだけで、じゅうぶん」
私は、この花を見つけた自分を、
ほんの少しだけ誇らしく思った。
見ようとしなければ、
きっと見落としていたから。
心が枯れそうなときに、
ちゃんと「咲いているもの」に気づけたこと。
それはきっと、
私の中にまだ咲こうとしている“何か”が
静かに息をしている証なのだと思う。
誰にも気づかれず、
それでも凛と咲いていた花。
その存在が、今日の私を救ってくれた。
この花のように、
私もまた——
静かに、強く、
咲いていこう。
もし、今日の物語が、あなたの心にそっと触れたなら、しあわせです⭐
小さな物語を、これからも静かに紡いでいきます。
よければ、プロフィールからそっとのぞいてみてください🍀
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