天幕のジャードゥーガルが面白い
観ました。
日頃あまりこういう言葉は使わないようにしているのですが、これは「今期で一番楽しみなアニメ」になりました。「すさまじい」作品だと思います。
当然ながらアニメのネタバレを含みますので、「興味はあるけどネタバレは踏みたくない」と言う人(いるのか?)がいたらお気を付けください。
※ちなみに自分は原作未読です。アニメ3話までを観た雑感になりますのでご注意ください。
突然の自語り
作品とは関係ないお話ですが、自分は小さい頃から歴史好きで、小さい頃にNHKで放送していた人形劇三国志がきっかけで中国史に興味を持ち、その後友人宅でプレイした三国志のシミュレーションゲームで好きになり、ちょうどその頃にNHK大河ドラマ「信長」を観て日本史も好きになりました。友人宅では「蒼き狼と白き牝鹿」「ランペルール」等もプレイしたことがあり、入口がゲームとはいえ「歴史って面白いなぁ」と思い定期的にゲームを買ったりプレイしたりしていました。
そんな自分は基本的に「自分が触れたことのない国」の文化に触れることは好きな方なので、一時期ヘヴィメタルバンドのCDを集めまくっていた時期があり、その頃には色々な国のCDを買い集めたことがありました。「こんな国にもメタル文化があるんだ、すごいなぁ!」「国によって全然楽曲が違う、文化の違いなんかもあるんだろうなぁ」という感じで面白おかしく色々聞きあさっておりました。
そんな人間だったのでこの「天幕のジャードゥーガル」という作品を観た時に「なんだこの作品、これは気になる……!」という印象を抱きました。
何が面白いのか?
『天幕のジャードゥーガル』(てんまくのジャードゥーガル、A Witch's Life in Mongol[注 1])は、トマトスープによる日本の漫画。WEBコミックサイト『Souffle』(秋田書店)にて、2021年9月25日から連載中。
モンゴル帝国第2代皇帝オゴデイの第6皇后ドレゲネの側近として仕えたファーティマ・ハトゥンを題材としている。テレビアニメが2026年7月より放送中。
題名の「ジャードゥーガル」はペルシア語[注 2]で「魔術師」・「魔女」を意味する(جادوگر, 現代ペルシア語発音:[d͡ʒɒː.d̪uː.ɡʲæɹ], ジャードゥーギャル)[1][2][3]。
はい、来ましたよ。モンゴル帝国!今までの日本のアニメやゲーム等の中であるようでなかったジャンルです。しかも物語の始まりは今でいうイランの辺りにあったとされるトゥースという街。この時点でかなり気になる作品です。
でも、まだわからない。設定は好きだけど内容が合わない、キャラは好きだけどストーリーが自分には合わなかった、そんな作品は沢山あります。ですが、この作品は「設定」「キャラ」「ストーリー」それぞれに面白く惹かれてしまう要素があるんです。
設定
13世紀のモンゴル帝国が舞台、その時点で自分の興味は満点になりました。まず「自分の知らない文化」「自分の知らない時代」を生きている人たちが躍動する作品というのはそれだけで魅力があります。なによりモンゴル帝国と一口に言っても「すごく強くて色んな国に侵略した、チンギス・ハーンの国」という漠然とした知識しかないのが大体じゃないでしょうか。
そこを舞台にされているというだけでなく、主人公がイスラム教の土地からモンゴルへと連れてこられてそこが舞台になるという。異文化・異国の地でどのように生き抜いていくのかという、さながら大河ドラマのような展開と設定に奥深さを感じます。恥ずかしながらこの主人公・シタラのモデルである「ファーティマ・ハトゥン」という人物のことは知らなかったのですが、この人物を取り上げようとした作者さんの創造力に感謝したいと思います。
キャラ
上で先に触れてしまいましたが、この作品の主人公は後のファーティマ・ハトゥンとなる「シタラ」という奴隷の少女です。最初に1話を観た時には「かわいい子だな、この子がどう活躍していくお話なのかな」「ムハンマドに惹かれていくお話なのかな、身分違いの恋、いいぞ」なんて軽い気持ちでいました。
それが……
最初はね、これどうなってしまうんだ、主人公だけ生き残るの?でもどうやって……?とあれこれ予想しながら観ていましたが、なるほどあの本を、奥様を自分の生きる理由にするのか……
正直「すさまじいな」と思いました。
1話の冒頭では笑うだけだった、自分の身を守るために、売られないために笑うだけだったシタラにしっかりとこの一家に馴染ませ、想いを寄せさせ、言語の知識をつけさせ。さらには「ムハンマドとは生涯会うことはなかった」なんてしれっとナレーションで告げてしまう。すさまじい。観たあとで「この冒頭2話の展開、なんだかまどかマギカ3話みたいだな」と思ったりもしましたが、あっちはマミられる展開があるにせよここまで壮絶ではないと思いました。いや、どっちが良い悪いじゃなくて、この作品におけるシタラはこの状況に立たされ、住むところも家族も、想いを寄せる人もすべて奪われ、その上ですさまじい目的を「生きる理由」にすること、それがこの作品自体を「すさまじく、そして面白い」ものにさせているのだなと思いました。
ストーリー
この作品、Wikipediaを見ると一発ですべてのネタバレが分かってしまいます。ネタバレがイヤな人は見ないようにしましょう。自分は割とネタバレは気にしない、というか大枠のお話がわかった上で作品を観るのが好きな方なので「こういう人物で、こういう生涯を遂げるのか」なんてのをある程度観てしまいました。その上で、やはりこの作品の結末が気になると、そう思いました。
シタラという奴隷の女の子がトルイの、そしてオゴタイの妃にどう使えて、どういう生き様をしてどう活躍していくのか。それが今から楽しみでなりません。その上で、あまり触れたことのないモンゴル帝国史をどう見せてくれるのかが気になって仕方ありません。
関根明良さんの演技も特筆すべきだと思います。名前自体は何度か色々な作品で見かけてきましたが、ここまで「シタラ」という人物を「シタラ」として観させてくれる声優さんは関根さんだけなのではないでしょうか。
あとストーリーとは関係ないですが「遊牧民族は末子相続」という文化も初めて知りました。中国史なんかは特に、三国志の袁紹や劉表なんかがわかりやすいかと思いますが長子を跡継ぎにしなかったことで跡目争いがおこり、たちまち名家が没落していくなんて例は沢山ありました。あの秦の始皇帝ですらそうでしたね。他にも春秋戦国時代まで紐解けば同じような例は沢山あります。
そんな中、アニメ3話ではジュチ・チャガタイ・オゴタイと言った兄弟たちとトルイが非常に仲良さげな様子が描かれていました。そんな兄弟たちがこの「すさまじい」お話の中でどんな生き様を見せてくれるのか、とても興味深いです。
OPの素晴らしさ
さらに特筆すべきはこのOP曲ですよ!
いやぁ、驚きました。自分はこのSEKAI NO OWARIというアーティストのことは詳しくないのですが(すいません)時々アニメの主題歌等で見かけるなぐらいの認識でした。
しかしこのStellaという楽曲は本当に素晴らしい。映像がアニメのダイジェストになっていることもそうなのですが、何より歌詞が素晴らしい……そして映像の中におけるムハンマドくんの使い方がまた素晴らしい……「私はここでは笑えない」という歌詞の重さ、いつだってムハンマドの影を探し、彷徨い生きている……でも、もうムハンマドに会うことはない……あぁもう!という感じですよ(?)
終わりに
という訳で、アニメ3話までを観た自分なりの雑感でした。とりあえず自分的に気持ちが収まらないので(?)近日中に単行本を全巻買いそろえようと思いました。それぐらい気に入ってしまった作品です。この自分の雑感を読んで少しでも興味が沸いた方が居てくれたら嬉しいです。なにより、シタラ……ファーティマ・ハトゥンという人物のこの作品の中での生き様に興味を持ってくれたら嬉しいなと思いました。
それではまた。
