【勝手に読書感想部】ペッパーズ・ゴースト:伊坂幸太郎
[作品紹介]
中学教師の壇先生が父から受け継いだ不思議な能力〈先行上映〉は、ある特定の人物の飛沫を浴びると、その人の少し先の未来が脳内で再生されるというもの。
過去に、この能力を持ちながら、救えたはずの生徒を救うことができなかったという後悔と罪悪感が壇先生の気持ちを突き動かし、同僚の食あたりを阻止するなど、世の中に小さく貢献してきた。
ある日、壇先生の受け持ちの生徒である布藤鞠子から「読んで欲しい」とノートに書いた小説を渡される。
そこには、虐待された猫の復讐のために、人間を成敗するネコジゴハンター、ロシアンブルとアメショーが登場する物語だった。
[感想]
伊坂先生の作品に登場するキャラクターたち本当に個性的で愛おしく、程よいゆるさもあって大好きなのですが、本作もまた井坂節が存分に効いていましたね。
不器用だけど、まっすぐな壇先生。
心配性すぎるロシアンブルと天真爛漫なアメショー。
カンフー女成海彪子。
なんともゆるくて朗らかな、壇先生のお母さん。
頭を使え→ヘディング、というお母さんの言葉が、ちょっと抜けてるのに芯食ってる感じがして好きでした。
この言葉に壇先生も何度も助けられていましたね。
*以下ネタバレ含みますので、まだ読まれていな方はご注意ください
布藤鞠子の小説が、監禁された壇先生の現実とリンクした時、ゾワっと鳥肌がたちました。多分自然に「うわ、おもしろ」って声に出てたと思います。笑
ロシアンブルとアメショーの掛け合いが(こんなに恐ろしい復讐を犯しているのに)どこか間が抜けていて、微笑ましく、愛おしかったので、壇先生の前に現れてくれて嬉しかったです。
絶体絶命の大ピンチに助けてくれたのが、この2人だったっていうのもすごい胸アツでした。
からの山場、球場のシーン、終わりまで一気読みでした。
最初から最後まで緊迫感すごかったですね!!
ちなみに私はカープファンですが、天童がイーグルスファンの前でホームラン記録を達成しなかったことが、密かにめちゃめちゃ嬉しかったです。笑
”喜びの方が、深い悩みよりも深い”
ニーチェの言葉の通り、庭野たちの深い悩みが喜びでチャラになったのだと思うとホッとしました。
ネコジゴハンターの2人もどこかで元気に仕事してそうですしね。
作中何度も登場した『ツァラトゥストラ』も機会があれば読んでみたいです。
